映画「ライト・スタッフ」のDVDを六月上旬に見ました。
いろんな人から「柳井さんは見ないといけない映画」と言われ続けていたのですが、近くのDVDレンタル店になく、かなりしょんぼりしていたところ、友人の太郎さんが「貸しますよ」と言って貸してくれました。
ありがとうございます。
というわけで、ようやく見ることができました。
「うぉ〜、熱い!」
納得。これは見るべき映画ですね。宇宙開発物だし。
時間は長いのですが、一気に一晩で見てしまいました。途中でやめられませんね、これは。
よい作品でした。
さて、「ライト・スタッフ」は、どんな映画なのか。
この作品は、アメリカの初期宇宙開発であるマーキュリー計画にまつわる物語です。
しかし、この映画はロケット開発史ではありません。音速野郎どもの、ぶっち切りパイロット物語なのです。
以下、粗筋です。歴史的事実なので、特にネタバレも気にせず書きます。
第二次大戦後のアメリカでは、空軍のパイロットたちが世界最速を目指して凌ぎを削っていた。
マッハ1、マッハ2……、音速の壁を越えた先には魔物がいる……。
だが、命知らずの男たちは、その壁をぶち破り次々と記録を打ち立てていた。
そして時代は少し進み、飛行機の時代から宇宙ロケットの時代へと写る。冷戦時代に突入したアメリカは、ソ連に対抗してロケット開発を加速させていった。
そして、ソ連のロケット打ち上げに衝撃を受け、その遅れを取り戻すために、政府はマーキュリー計画を立ち上げた。
──有人ロケットの打ち上げ。
そのための乗組員として白羽の矢を立てられたのが、アメリカ各地にいるトップ・パイロットたちだった。
エージェントたちは、空軍、海軍を回り、有能な人材をスカウトしていく。そして、空軍で世界最速を目指していた男たちにも声が掛かる。
全米から集まった猛者たちから厳しい選抜を経て、七人の男が宇宙飛行士に選ばれた。
そんな彼らの許に、ソ連からの衝撃的ニュースが飛び込む。世界初の有人飛行を共産国が成し遂げてしまったというのだ。
打ちひしがれる米国の宇宙関係者たち。遅れを取り戻すべく科学者たちは努力するが、ロケットのテストは失敗続き。七人の宇宙飛行士たちの表情も次第に曇っていく。
さらに、七人の心を暗くする要素があった。それは、彼らがチンパンジーと同列に、つまりモルモットとして扱われていることだった。
「俺たちはトップ・パイロットだ」
その強烈なプライドを持った彼らは、一致団結して、ロケットの設計にも口を出すようになる。
「俺たちが団結しなければ駄目なんだ」
確かな実力を持った男たちは、互いに強い友情で結ばれて、命知らずな任務をこなしていく。
一人目が宇宙に行き、二人目が宇宙に行き、メンバーは次々と宇宙を旅し、そして英雄になっていく。
そして全員が宇宙を体験したところで映画はラストを迎える……。
映画は、大きく分けて三つのフェイズに分かれます。
第一部は、パイロットたちの最速競争。
第二部は、宇宙飛行士の選抜。
第三部は、七人の宇宙飛行士たちの友情と挑戦。
どれも熱いです。
個人的に感心したのは、第三部の七人の友情の強さです。ライバルとして対立するのかと思っていたのですが、物凄く強い友情で結ばれており、これが非常に心に響くものでした。
そして最後の方で、冒頭で最初に音速を突破したイェーガーが再び出て来るところは、本当にぐっときました。
初期宇宙開発を、パイロットたちの熱いドラマとして描いた本作は、非常に面白かったです。
マイベストに選ぶ人が何人もいるのも頷けました。
どうでもよいのですが、大統領たちが集まって「宇宙飛行士にはどういった人が適しているか」を話し合うシーンは脱力物でした。
この時代、いかに宇宙というものが未知の世界で、みんながよく分かっていなかったのかがよく理解できるエピソードでした。
当時は真剣に議論したであろうことでも、その知識が常識になった現代では滑稽に見える。その好例だなと思いました。