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2006年09月10日 09:55:29
シュレック
 映画「シュレック」のDVDを七月下旬に見ました。

 観了のメモを見ると、今年百本目だったりします。もっと大作を見ればよかった。

 公開当時、「うーん、どうしようかな。見ようかな」と少し興味を持っていましたが、今回見た感想は「見に行かなくてもよかった」というものでした。

 2001年公開ということは、PIXAの「モンスターズ・インク」と同じ年です。

 「モンスターズ・インク」は映画館で見ましたが、PIXAの映画と比べると、数段落ちるなと思いました。



 まず最初に気になったのはCG映像です。

 五年前の技術力がどれぐらいだったかは定かではないですが、見ているなかで非常に気になる点がいくつかありました。

 以下、列挙します。

・エキストラの人間の作り込みの荒さ。
・人間のアクションの不自然さ。
・流体の動きと質感の違和感。

 それぞれについて、少し解説を加えていきます。



1.エキストラの人間の作り込みの荒さ

 これは何というか“おもちゃ”みたいです。

 のっぺりとしていて質感が粘土のようで、メイン・キャラとの力の入れようの差がそのまま見た目に反映していました。

 レンダリング時間の問題もあるのかもしれませんが、もうちょっと上のレベルで統一してくれるといいのになと思いました。



2.人間のアクションの不自然さ

 ドラゴンなどの大物のアクションは気になりません。しかし、人間のアクションは非常に不自然です。

 その理由は、アクションが始まった瞬間、時間の流れがキャラクターごとに伸縮してしまうからです。

 どういうことかと言うと、仮に現実世界での「戦闘前、構え、動き、止め」の時間の比率がそれぞれ「10:10:10:10」だったとしましょう。

 それに対して、この映画のアクションは「戦闘前、構え、動き、止め」の時間比が「10:2:2:20」みたいなことになっているのです。

 日本のアニメ的な中抜きの動きと言ってしまえば聞こえはよいですが、リアルに近付けた(ディズニー系アニメのリアルさですが)キャラクターでこの動きをされると、非常に違和感があります。



 さらに不自然さを増しているのは、動きに「腰」と「捻じり(絞り)」の要素が見られないことです。

 人間の体は基本的に、大型肉食獣のような近接戦闘には向いていません。なぜならば人間は、一撃必殺の能力を持った攻撃用の身体部位を持っていないからです。

 一撃必殺ができないということは、自分もダメージを負うということを意味します。そして人間は、数度のダメージに耐えられるほど頑丈にはできていません。

 そのため人間は、基本的に近接戦闘は不得意です。

 それに対して大型肉食獣は一撃必殺の能力を持っています。

 例えばネコ科の大型獣は腕力と爪だけでも脅威的なダメージを相手に与えます。また、牙を持っている動物は、そのアゴの力で相手を噛み砕いたりできます。

 人間は残念ながら、そういう能力を持っていません。そういった肉体的な欠陥を補い、相手により大きなダメージを与えるために人間は武器を発達させてきました。



 また人間は、徒手で相手を倒すための格闘術も発達させました。(格闘術は、武器と違って対人間用の体系と言った方がよいですが)

 この格闘術のうち、打撃系の技は、地面を壁に見立て、全身の筋肉をうまく連動させて、相手の急所に荷重を叩き込むことが基本になっています。

 なぜ地面を壁にするのかは、物理の作用と反作用の法則があるからです。

 空中でパンチを打っても、力は半分しか相手に与えられません。何も固定していないと、力は逆側に逃げていきますので。

 そのため、腰から下を使って体を大地にしっかりと固定して、力を逃がさないようにすることが重要になります。



 また、人間の腕は体の側面についているために、拳で殴る場合は力を外に逸らさないために、体を捻じる(絞る)必要があります。

 「脇を締めて拳を出す」ということは、下半身のエネルギー(一般的な人間は、下半身の方が筋肉量が多い)を分散させずに上半身、そして拳に伝えるためです。

 しかし、「シュレック」の映像を見ていると、この「腰」が入っておらず、「捻じり(絞り)」もなく、棒のように手が突き出されているシーンが多いです。

 せっかく格闘シーンが多いのに、キャラクターの体に全然力が入っていないように見えます。

 不自然さの理由として、こういった部分も大きいなと思いました。



3.流体の動きと質感の違和感

 水や泥やビールなどの流体の動きや質感がどこか変です。

 計算量の問題から、液体をスライムのような塊にして計算をしているようなのですが、その動きに違和感を覚えました。

 また、質感というか光の反射具合も映画の他の物体の質感に合っていないような気がしました。

 それだけでなく、違和感を覚える理由として「流体が不透明な物体として扱われていて、透過性を持った液体として描かれていない」ことも大きな割合を占めていると感じました。

 屈折率を持って向こうが透けて見えたり、反射率を持って手前の画像が映り込んだり、そういったことをしているように見えませんでした。(実際はある程度しているのでしょうが)

 まあ、本気でそういうことをするとマシンパワーを非常に食うので仕方がないのだろうと思いますが気になりました。



 次に気になったのはシナリオです。

 映画公開当時、「大人向けのちょっとブラック・ユーモアの入ったファンタジー」という売り方をしていたと記憶しています。

 うーん、なんというか、言いたいことは分かるけど、正直言ってどうなのかなと思いました。

 そんなに大人向けじゃない。

 「大人の観賞に耐え得る作品」というのにはほど遠いなと感じました。

 深いところで楽しませてくれるのではなく、表層的なお飾りで楽しむというか。そういった印象でした。

 「おとぎばなしをパロディにしている」という話も聞いていましたが、「それはパロディというよりは、単なるデコレーションだ」と思いました。



 以下、粗筋です。(気にならない程度のネタバレかと思います。中盤の終わりぐらいまで書いています)

 妖精や小人など、物語のなかの住人たちが本当に住む世界。ある地方の領主は、“完璧な統治”を目指し、そういった者たちを辺境の沼に押し込めた。

 その沼に住んでいたオーガ(西洋鬼)のシュレックは、孤独を愛する男だった。平穏な日常を壊された彼は、領主と掛け合うために“おしゃべりなロバ”を連れて城に行く。

 領主はシュレックにひとつのクエストを出し、それを達成すれば沼を彼に返すという。

 そのクエストとは、ドラゴンの住む火山の城からお姫様を救い出してきて、領主の妻にするというものだった。

 シュレックはロバとともにドラゴン城に向かい、お姫様を救い出す。

 助けたお姫様は、シュレックの予想とは反して、非常におてんばな女性だった。

 領主の城まで帰る道すがら、シュレックとお姫様の心は次第に接近する。しかし、彼らは違う種族。そしてシュレックは、沼を取り戻すために、領主にお姫様を差し出さなくてはならない。

 悩むシュレックとお姫様。そして帰還する城が見えてきた時、ロバはお姫様の大変な秘密を目撃してしまう……。



 及第点は行っている映画です。でも、中の上どまり。上のランクまでは行っていないです。

 しかし、短い時間の映画なので、暇つぶしに見るにはよいと思いました。できはそれなりによいので。

 でも、正直なところ、もう少し期待していたのですが。うーん、まあ、こんなものだと思います。
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