映画「ミクロの決死圏」のDVDを八月上旬に見ました。
有名な作品ですが未見でした。原題は「fantastic voyage」というそうです。「ミクロの決死圏」の邦題の方が印象に残りますね。
単純なストーリーながら、興味深く見ることができました。
どちらかというと、“当時の特撮”というものを考えながらという側面が強かったですが。
以下、粗筋です。
軍が開発した「どんなものでも一定時間縮小させる」科学技術。
その技術を、“一定時間”ではなく、“永久”に伸ばすことができる方法を唯一知る博士が、敵国の襲撃で危篤状態に陥った。
博士は脳に血腫ができ、外部からの治療は不可能だ。しかし、内部からなら治療はできる。
そこで軍の高官たちは、特殊な医療チームを編成する。軍人、軍属の医者、脳外科医、その美人女助手の四人チームだ。
彼らは潜水艦に乗り込み、そのまま縮小されて博士の体内に注射される。
期限は一時間。その時間が過ぎれば彼らは大きくなり、白血球に食べられてしまう。
首筋の動脈から入った一行は脳を目指す。しかし予想外の事故のせいで、静脈へと流されてしまう。
このままでは、心臓を抜ける長い旅をしなければならない。
また、脳外科医は軍に対して反感を持っており、博士を殺すかもしれないとの情報を軍人は得ている。
はたして一行は、期限内に博士を治療して、体内から脱出できるのか……。
サイケデリックな感じの人体の描写はなかなか楽しかったです。
今から見れば、突っ込みたくなるところも非常に多いですが、当時としてはなかなか斬新だったと思います。
何よりも、「人体内を旅する」というコンセプトがよいです。
この映画を見て思ったのは、「人生何年も生きていれば肺のなかがゴミだらけになるのは分かるけど、なんだか気持ち悪くて嫌だなあ」ということです。
肺にゴミが溜まっているというシーンがあるのです。
ひだひだの中に、無数の小さなごみが詰まっている様子というのは、想像するだけでも生理的に受け付けないです。
とりあえず、古典を押さえるという意味で、価値のある映画でした。