映画「ゴッホ」のDVDを十一月中旬に見ました。
ゴッホと弟のテオの半生を描いた作品です。十一月は個人的にアート強化月間だったので借りてきました。
映画は、そこそこ面白かったです。
以下、粗筋です。(ネタバレあり。最後まで書いています)
ゴッホは生前、全く評価されなかった。しかし、弟で美術商のテオだけはその価値を見抜き、自分の生活費を削って兄を支援し続けた。
テオはそれほど裕福だったわけではない。雇われ店長として、働いていたに過ぎない。
そんな彼は、「美術的に価値がない」と自分が考える作品が売れていくことに、また自らが「素晴らしい」と思う兄の絵が売れないことに苦悩する。
彼は結婚後も、兄ゴッホへの支援を続け、妻に非難を浴びる。
やがてゴッホはテオのお金で、ゴーギャンとともに南仏に行き、一緒に創作活動に入る。だが、二人の仲は次第に険悪になっていく。
狂気に一歩足を踏み込んだ根暗男のゴッホと、現実主義者で陽気な男のゴーギャン。彼らの性格は合うはずもなく、やがてその関係は破綻に至る。
そしてゴッホは自らの耳を切る。狂気に足を踏み込んでいたゴッホは、その事件を契機に精神病院に入れられることになる。
治療を受けながら創作を続けるゴッホ。しかし、彼の精神は疲弊していき、最後は自らの命を断って死んでしまう。
弟のテオは、兄の死に打ちひしがれる。そして、自らの家の一室を、兄の作品だけで飾り、「兄弟の部屋」と名付け、悲嘆に暮れる。
翌年テオは、兄のあとを追うようにして死んでしまう。
感想としては「テオは大変だ」です。
実際の心の内がどうだったかは分かりませんが、彼は世間で認められていない才能を兄に見出します。そして、その才能を理解でき、支援をできる人間が自分しかいないことを自覚します。
そのため、骨身を削って兄にお金を渡し続けます。
それだけではありません。普段の生活では、自分が「価値がない」と思う絵を売って、兄を支援するためのお金を稼がなければならないのです。
これは精神的に非常に辛いです。
ゴッホもやつれていきますが、テオもやつれていくのはよく分かるなあと思いました。
どうでもよいですが、ゴーギャンが変なおじさんでした。
小太りで、ちょび髭で、ラテン系で、なぜかフェンシングの練習に余念がありません。
いつも仕込杖を持ち歩いていて、ゴッホに襲いかかられそうになると、剣を抜いて応戦します。
画家というイメージから、かなり離れたタイプの人だなと思いました。