映画「真珠の耳飾りの少女」のDVDを十一月中旬に見ました。
十一月は個人的にアート強化月間だったので借りてきました。
「うーん、まあ、ミニシアター系だよな。メジャーで配給するような満足感は最初から得られない内容の作品だよな」というのが、正直な感想でした。
以下、粗筋です。
フェルメールの家に、一人の召し使いの少女がやって来た。彼女は雑務をしているうちに、美術を見る目があることをフェルメールに見抜かれる。
少女はフェルメールの命令で、通常の仕事の合間に絵の具の調合をしたり、画家としての仕事を手伝うようになる。
だがそのせいで彼女の立場は危うくなる。
フェルメールの妻は、美術を理解する頭を持っておらず、自分のことしか考えない自己中心的な女だ。
彼女は夫の仕事を理解できず、フェルメールと少女が恋仲ではないかと勝手に勘繰り、当たり散らす。
だが、同じ家に住む、その妻の母親は聡明な女性で、召し使いの少女への理解を示していた。
そんなある日、パトロンがフェルメールに群像の絵を発注する。そしてその絵のなかに、自分と、召し使いの少女も入れるようにと告げる。
彼は、女たらしで、「絵の具が乾くよりも前に妊娠させる」と噂される男だった。
フェルメールはその絵を描き始める。そして、パトロンと少女が一緒にモデルをしないで済むようにと配慮する。
また、その作業と平行して、フェルメールは少女一人の絵も描き始める。
その絵こそが、名画として世に残る「真珠の耳飾りの少女」となるのだった……。
映画中、個人的に興味深かったのは、絵の具を作っているシーンでした。
材料を一生懸命すり潰している様子や、部屋に並ぶ器具類を見ていると、錬金術師さながらといった感じでした。
この時代、画家が科学者の目を持っていたというのは、何も物を見る目がそうだというだけではなく、化学方面の知識というか経験則もそれなりにあったのかなと思いました。
また、ピンホールカメラを使っている場面もあり、「フェルメールと言えば、やっぱりピンホールカメラだよな」と感想を持ちました。
映画中、フェルメールの妻は、非常にむかつく女として描かれています。
夫の仕事の価値を全く理解せず、金のことを愚痴りまくり、嫉妬をしまくります。彼女の娘も母親の血を継いだのか、非常にむかつくガキとして描かれています。
妻の母親は、あんなに聡明な人なのに、娘はどうしてあんな馬鹿女になるのか謎です……。
物事の価値を理解せずに、人の仕事に口出しをしたり、横槍を入れたりする人にろくな人はいません。
映画では、妻は狙って“馬鹿女”として描かれているのですが、それが分かっていても非常にむかつきました。
映画を最後まで見終わって、「フェルメールはヘタレだ」と思いました。まあ、紳士だとも言えるのですが。
影が濃いんだか薄いんだかよく分からない役どころでした。
最後に、どうでもよいのですが、実際の「真珠の耳飾の少女」に描かれている少女は、美人ではないと思います。
眉がないので怖いです。
以下、参考までに、フェルメールに関してのリンクです。
□Wikipedia - ヨハネス・フェルメール
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB(リンク先に「真珠の耳飾りの少女」の絵あり)
□Wikimedia - Johannes Vermeer
http://commons.wikimedia.org/wiki/Johannes_Vermeer?uselang=ja