2006年の読書のまとめ、その9です。
● 2006年09月(16冊/計72冊)
2006.09.01
■ 精霊の守り人(上橋 菜穂子)(★★☆☆☆)
よくできている本でした。久しぶりに、和製ファンタジーの良作を読めたなというのが正直な感想でした。
2006.09.04
■ チルドレン(伊坂 幸太郎)(
★★★★☆)
上手い。マンガのような軽妙な乗りでありながら、それでいて深いところにサクッと入ってくる話のオチの付け方。
20〜25年前ぐらいの少女マンガの短編の良作を読んでいるような読後感を得ました。
2006.09.07
■ 街道をゆく (1)(司馬 遼太郎)(★★☆☆☆)
「甲州街道、長州路ほか」です。
とうとう「街道をゆく」に手を出しました。巻数が多いので、腰が引けていたのですが、ぼちぼち読んでいこうと思います。
個人的には、司馬遼太郎が関門海峡の景色を日本の景色でもっとも好きと書いていたのが嬉しかったです。以下、引用です。
私は日本の景色のなかで馬関〈ばかん〉(下関)の急潮をもっとも好む。
自然というものは動いていなければいけない。伯耆大山〈ほうきだいせん〉の落葉樹の林も鳥の声が樹間をきり裂いてゆくからはじめて林間の美があるのであろう。さらにいえば出雲の松江城下の晴れた日など、にわかに日照雨〈そばえ〉がふって白い雲がうごいているときがある。松江は雲が似合うという印象をはげしく感ずるのは、そういうときではないか。
馬関海峡(ここは下関海峡というより馬関海峡とよぶほうが、潮の色までちがってくる)は、潮がはげしくうごき、潮にさからってゆく外国の大船までが、スクリューを掻き、機関をあえがせて、人間のいとなみの可憐さを自然風景としてみせてくれる。
2006.09.07
■ 能・文楽・歌舞伎(ドナルド キーン)(
★★★★☆)
私に古典芸能ブームを起した一冊。
おかげでこの年は、能や文楽に生まれて初めて行きました。
2006.09.10
■ バーティミアス-サマルカンドの秘宝(ジョナサン・ストラウド)(★★☆☆☆)
そつなく面白い。そんな印象の一冊でした。
魔術師と使い魔の視点の切り換え描写が興味深かったです。
2006.09.11
■ 果てしなく美しい日本(ドナルド キーン)(★★☆☆☆)
ドナルド・キーンによる、日本文化の解説。
2006.09.17
■ 日本人の美意識(ドナルド キーン)(★★☆☆☆)
日本文化の諸様相について書いています。
中でも興味深かったのは、日清戦争が日本文化に与えた影響です。この視点で文化について語った文章は初めてだったので参考になりました。
2006.09.17
■ ローマ人の物語〈24〉賢帝の世紀〈上〉(塩野 七生)(★★★☆☆)
個別の感想は書きませんが、相変わらず面白いです。
しかしまあ、時期に応じて、その役目を果たす皇帝が出て来るのは凄いなと思います。
2006.09.18
■ DIVE!!〈上〉(森 絵都)(★★☆☆☆)
三人の主人公によるダイビングの話。
上巻下巻の四部構成。最初の三部は、三人の主人公のそれぞれの視点。残りの一部は、いろんな人の視点。
視点の使い方が興味深い作品でした。
2006.09.19
■ DIVE!!〈下〉(森 絵都)(★★☆☆☆)
感想略。
2006.09.20
■ ローマ人の物語〈25〉賢帝の世紀〈中〉(塩野 七生)(★★★☆☆)
感想略。
2006.09.23
■ 逆引きHSP3プログラミング事典 基本編(さくら、悠黒 喧史、うすあじ、おにたま)(★★☆☆☆)
実用的で、即効性のある役立ち情報が多数掲載されていました。
[応用編]と合わせて良書です。
2006.09.23
■ 逆引きHSP3プログラミング事典 応用編(さくら、悠黒 喧史、うすあじ、おにたま)(★★☆☆☆)
こちらも役立ちました。便利な情報満載です。
2006.09.25
■ ハサミ男(殊能 将之)(
★★★★★)
正直言って、やられました。何度か気付き掛けたのですが、上手く誘導されていき、はめられました。
ただ、ミステリーとしては投げっぱなしの部分があるので、気になるといえば気になりました。
2006.09.27
■ ローマ人の物語〈26〉賢帝の世紀〈下〉(塩野 七生)(★★★☆☆)
感想略。
2006.09.30
■ 陽気なギャングが地球を回す(伊坂 幸太郎)(★★☆☆☆)
長編のせいか、「チルドレン」に比べてテンポが悪いような気がしました。