クロノス・クラウン - 記事検索

おすすめ
自作の本やゲーム他を販売
便利なWebアプリが多数
ソフトウェア
めもりーくりーなー Winのメモリーを掃除
Novel Supporter 小説推敲補助ソフト
PCソフト まとめ
Webサービス
Kindle Unlimited マンガまとめ 巻数の多いマンガを集計
ゲームブック
闇の聖杯の儀式 電書のゲームブック
ゲーム
Little Land War... Win向けSRPG
Little Bit War Switch向け高速RTS
TinyWar... 1面数分の8bit風RTS
EX リバーシ 変形盤面、盤面多数
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000HKDEYM/cronuscrown-22
2007年06月08日 10:56:57
刑事ジョン・ブック 目撃者
 映画「刑事ジョン・ブック 目撃者」のDVDを五月上旬に見ました。

 原題は「WITNESS」(目撃者、証人)です。1985年の作品で、主演はハリソン・フォード、監督はピーター・ウェアーです。

 監督のピーター・ウェアーは、私が名前を知っている作品では、以下の物を撮っています。

1085 - 刑事ジョン・ブック 目撃者
1986 - モスキート・コースト
1989 - いまを生きる
1998 - トゥルーマン・ショー
2003 - マスター・アンド・コマンダー

 有名な作品をいっぱい撮っていますね。

 映画は、大人な感じで面白かったです。



 さて、この映画は、主人公である刑事ジョン・ブックが、殺人事件の目撃者であるアーミッシュの子供とその母親と出会い、その母親に恋をするという話です。

 映画はアメリカのお話ですか、後半は、その中でも「まるで異郷」と言うべき、アーミッシュの人々の住む土地が舞台となります。

 そこで、予備知識として、アーミッシュを知っていると少し映画が分かりやすくなります。

 私はこの映画を、脚本解説の本で知って、あらかじめ脚注などでアーミッシュの概要を知っていました。

 そのため、すんなりと見ることができました。

 そういった予備知識がない人は、事前に少し知っておくと、より深くこの映画を楽しむことができると思います。

 アーミッシュとは、ドイツ系のキリスト教の一派です。彼らは現代文明を拒否して、電気などを使った機械を使わない生活をしています。

 詳しくは、以下のリンクを参考にして下さい。

□Amish Life
http://rose.zero.ad.jp/~zbm18386/amish.html

□松岡正剛の千夜千冊『アーミッシュ』菅原千代志
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0645.html

□Wikipedia - アーミッシュ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82...

 同じ国内の異郷の地を扱うのは、物語の演出上、なかなか面白いと思います。

 文化の違いによるギャップは、自動的に様々な物語を生み出しますし、観客にとって新鮮な驚きを提供してくれるからです。

 日本でも、地域によって文化や習俗が違ったりします。

 また、宗教によっても、文化や生活様式が異なったりします。

 日本の宗教関係の違いについては、山口文憲氏の「日本ばちかん巡り」がなかなか興味深いです。日本の信仰宗教の中心地を回った本です。

 去年、飲み会で存在を聞き、読みました。

□日本ばちかん巡り(山口 文憲)
http://www.amazon.co.jp/%E6%97...



 以下、粗筋です。(ネタバレ的な話ではないですが、そういったのが少しでも嫌な人は避けた方がいいかもしれません。終盤まで書いています)

 アーミッシュの女性は夫を亡くし、子供と二人で暮らすことになる。彼女は姉を訪ねるために電車に乗って移動する。

 その途中で立ち寄った駅で、子供がトイレに入る。そこで少年は殺人事件を目撃してしまう。殺されたのは警察の人間だった。

 捜査の担当になった刑事の主人公は、子供に様々な人を見せたり写真を見せたりして、殺人犯を探そうとする。

 しかし、なかなか上手くいかない。アーミッシュの親子は、その捜査のために足止めを食うはめになる。

 そんな中、警察署に連れてこられた少年は、一枚の写真を見つける。それは表彰された刑事の顔だった。殺人事件は、警察内部の者の犯行だった。

 主人公は、上司にその件を相談する。

 その帰り掛け、彼は襲撃される。そこでようやく主人公は気付く。黒幕が自分の上司だったと。

 主人公は傷を追いながらその場を離れ、アーミッシュの親子を守るために、町を出発する。そして、アーミッシュの集落に二人を届けたところで意識を失う。

 彼は、文明から隔絶された人々の中で、匿われ生活し始める。そんな主人公を、警察署内の悪党たちは、やっきになって探そうする。

 しかし、電話すらないアーミッシュの広大な土地の中から、一人の人間を探すのは困難を極めた。

 主人公は次第に回復し、看護してくれていたアーミッシュ親子の母親と恋に落ちる。

 そしていよいよ上司たちが主人公の居場所を突き止める。彼らは手に手に銃を持ち、主人公が匿われている家へとやって来た……。



 さて、映画なのですが、最初に驚いたのは、その展開の速さです。

 といっても、一場面だけなのですが、非常に効果的な「展開の速い部分」がありました。

 それは、主人公が上司に話をしに行って、自分のアパートに戻ったところです。いきなり殺人事件の犯人からの銃による襲撃を受けます。

 普通は間に何かクッションを挟みそうですが、場面が変わると同時に、もう銃で襲われます。この落差は非常に上手く、一気に緊迫感が増していました。

 この部分は、特に上手いなと思いました。



 また、話のプロット自体は単純なのに、演出が上手いなと思う点がいくつかありました。

 その一つは、主人公と女性の恋が進展する場面です。

 主人公が乗ってきた車は壊れます。主人公は体が回復した後、それを修理します。そして、その直った車のラジオを付けて、音楽を流します。

 たった、それだけの場面です。

 しかし、アーミッシュの生活の中にはラジオなどなく、その生活を経験した後、唐突に「音楽が流れる」という非日常が紛れ込むことにより、二人の距離は一気に縮まります。

 プロットで言うと、「恋に落ちる」というだけのシーンなのですが、上手いなと思いました。



 もう一つ、上手いなと思った演出は、主人公がアーミッシュの人々に受け入れられる場面です。

 アーミッシュの土地に匿われた後、主人公はかつて大工をしていたことを明かし、自分が壊してしまった鳥小屋を修理します。

 その後、新婚夫婦たちのために「倉庫を建てる」というイベントが発生します。アーミッシュは、こういった時、総出で手伝います。そこで主人公は大工の腕を振るい、受け入れられます。

 共同作業と、その成功による仲間意識の芽生え。

 それを、「倉庫を建てる」という具体的な作業で見せる。

 上手い演出だなと思いました。



 映画の結末は、主人公と女性の恋がどうなるかということに集約されます。

 この結論は満足の行くものでした。「やはり、こうなるよな」という、非常に現実的な内容でした。

 こういった、正しい結末を見ると、満足します。

 DVDには監督のインタビューが付いていました。この中で、監督が言っていましたが、最初はこのシーンには、二ページぐらいに及ぶ台詞があったそうです。

 しかし、何も言わないでも感情はきちんと伝わると思い、大胆に台詞を全部なくしてしまったそうです。

 これは、映画中で成功していました。実際に、見ていて、台詞がなくとも、何を語り合っているか伝わってきました。

 言われて初めて、そう言えばしゃべっていなかったなと気づきました。



 さて、主人公を演じたハリソン・フォードについて、少し書いておきたいと思います。

 ハリソン・フォードと言えば、私の頭の中では「スターウォーズ」と「大工」です(一時、俳優業の傍ら大工をやっていた)。

 そのハリソン・フォードが大工仕事をしているのは、なかなか面白かったです。

「すげー、ハリソン・フォードが、本当に大工をしている!」と思いながら見ていました。



 また、監督のインタビューによると、ハリソン・フォードは、この映画の役作りのために、警察の殺人課にもぐり込んで、一緒に捜査に同行していたそうです。それも、銃を持たず、丸腰で。

 監督いわく「今考えたら、滅茶苦茶危険なことだったよね」ということでしたが、本当にそうだと思います。

 ドル箱スターが、流れ弾で死んでいたかもしれないわけですから。

「普段、映画は見ない!」「俺は、映画に出ることで映画について学ぶ!」と豪語しているハリソン・フォードですが、きっちりと映画に出る時に、下調べをしたり、勉強をしたりしているんだなと思いました。
最新20件 (全て見る)

オススメ (全て見る

動画講座 (全て見る

サイト目次

おすすめ

PCソフト/Webアプリ

ゲーム

マンガ

記事

柳井の同人活動

開発

携帯・スマホ

アナログ・ゲーム

Cronus Crown(クロノス・クラウン)のトップページに戻る
(c)2002-2025 Cronus Crown (c)1997-2025 Masakazu Yanai
ご意見・お問い合わせはサイト情報 弊社への連絡までお願いします
個人情報の取り扱い、利用者情報の外部送信について