映画「卒業」のDVDを六月中旬に見ました。
1967年の作品で、ダスティン・ホフマンが主演です。
アメリカン・ニューシネマを代表する作品の一つだそうです。
個人的には、この映画で一番印象に残ったのは、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」がいたるところで流れることです。
びっくりするほど何度も、かなりの大音量で流れます。
現代の映画なら、こんなに大きくテーマ曲を流さないよなと思いました。
映画の面白さに関しては、「ぼちぼち」だと感じました。
まあ、ネタとして見ておけばいいけど、頑張って見ないといけないほど面白い映画ではないなと思いました。
以下粗筋です。(ネタバレあり。最後まで書いています)
主人公は、文武両道の優等生。彼は大学を卒業して、大学院進学までの休暇を過ごすために、両親の許に戻る。
両親は親戚一同を呼び、彼の卒業と誕生日を祝う。
だが、主人公は、何か満たされないものを感じていた。自分の将来というものが見えず、自分という存在の扱いを持て余していた。
そんな彼は、パーティーで、父母の友人である夫人に会う。彼女は、主人公を誘惑する。
最初は断わっていた主人公だが、結局夫人を抱き、逢瀬を重ね始める。真面目一筋だった主人公は、女性経験がなく、溺れるように夫人の体にのめり込む。
しばらく経ち、二人の関係は続いていた。そして、大学院が始まる時期になっても、主人公は両親の許に居続け、夜な夜な家を空けていた。
そんな折、夫人の娘が帰郷してくるという話が飛び込んできた。高校時代、ほのかな思いを寄せていた相手だ。
だが夫人は、主人公に「娘に会わないように」と言う。なぜなら、娘は夫人と違い、瑞々しい肉体を持っていたからだ。
主人公は、両親の無理矢理の勧めで娘と会うことになる。夫人との約束を破った主人公。そして彼は、娘への思いを募らせるようになる。
夫人を抱き、その娘に恋した主人公は修羅の道に踏み込む。
夫人とは喧嘩別れをし、その夫からは激しい恨みを買い、娘からは「母をレイプした人」として嫌われる。
主人公は全てを捨てて、娘への愛に生きようとする。そして、娘に激しく付きまとい続ける。
最初は嫌がっていた娘だが、次第に主人公へと気持ちを傾け始める。しかし、彼女には婚約者がいた。
そして結婚式の日になる。主人公は結婚式場に現れ、娘の名前を呼ぶ。激しく心を揺さぶられる娘。
だが、良識が邪魔をして、彼女はその声に答えようとはしない。
しかし、彼女は自分の両親たちの顔を見て心を変えた。
それは、大人であることを武器として、自分たちの都合ばかりで相手を陥れようとしている人間たちの顔だったからだ。
彼女は駆け出す。そして、主人公とともに、結婚式場を逃げ出す。
主人公は花嫁を連れ、大人たちから逃げて、バスへと飛び乗った。
簡単に言うと、「童貞狩りエロ夫人 魅惑の誘惑」「淫乱母と清純派幼馴染 肉欲の親子丼」といった感じの展開です。
なんだか、そのままエロマンガになりそうだなと思いました。
あと、結婚式から花嫁を奪うというラストの展開は、たぶんこの映画をネタにしたものが多いのでしょう。
劇的な展開の気もしますが、全体を通してみると、主人公はかなり駄目人間で、「だから惚れられたのか?」(母性本能をくすぐるのか?)という気もしました。
なんというか、真面目過ぎたせいで、遊び方をよく知らず、人生まっしぐらという感じでしたから。
人間、適度な遊びは必要だなと思いました。
また、「今の時代なら、単なるストーカーだよな、主人公」と思いました。