昨日、渋谷のBunkamuraで行っている展覧会「ルドンの黒」を見てきました。
□Bunkamura - ルドンの黒
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/museum/lineup/07_redon/□Bunkamura - ルドンの黒 - 学芸員による展覧会紹介
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/museum/lineup/07_redon/intro.html どんな作品かは、以下を見ると分かります。
□Bunkamura - ルドンの黒 - 作品紹介
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/museum/lineup/07_redon/works.html
さて、感想ですが、「これは時代背景込みの作家だよな」です。
私が美術作品を見る時の評価の一つに、絶対的作品か相対的作品かというものがあります。
絶対的作品とは、自分が住んでいる時代とは大きく離れているのにも関わらず、見た瞬間に「これはいいものだ」と思わせる普遍性を持っている作品です。
対して、相対的作品とは、「それが製作された時代背景を考えた上でそれを観賞すべきだな」と思わせる作品です。
ルドンの作品は、どちらかというと後者だなと感じました。
理由としては、彼の作品が、その時代のメインストリームと真反対に近い内容になっているからです。
彼が活躍した時代、美術史的に真っ盛りなのは印象派です。
つまり、光と色彩に対する追及が美術の新しい潮流として展開していた時代、彼は影と闇を描きつづけていたわけです。
そして、目に移る景色を瞬間的に描きとめることに皆が腐心していた時に、心の中に見える心象世界を描きとめようとしていたのです。
そういう意味で、ルドンは異端の作家でした。
そういった背景を込みで見ないといけない作家だなと思いました。
彼の作品をそれだけで見た時に、突出してよいとは感じませんでした。あくまで、相対的価値として見るべき作品群だと思いました。
個人的に面白かったのは、科学との距離感です。
ルドンの作品には、当時の最新の科学に霊感を受けたものが多く、当時の人たちが、そういった科学にどういった衝撃を持ったのかというのが窺えて面白かったです。
あと、展示されている作品は白黒作品が中心なのですが、中にいくらかカラー作品が混ざっています。
それを見て驚いたのは、カラー作品がなかなかよいことです。ちょっと意外でした。
会場を回るのは全部で一時間ほど掛かりました。
思ったよりも展示作品が多かったので、時間が掛かりました。
会場には、グッズも打っていたのですが、その中でいいなと思ったのは帽子です。
ルドンの絵をパッチワークのように組み合わせて作った白黒の帽子です。
これは欲しいなと思ったのですが、軒並み売り切れでした。
ああ、いい物はすぐに売り切れてしまうなと思いました。
ちょっと悔しい思いをしました。