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2007年09月16日 19:07:14
80日間世界一周
 映画「80日間世界一周」のDVDを八月上旬に見ました。

 二日にわたって見ました。DVD二枚組なので。さらに、特典映像は一日使って見ました。これも一時間近くあるので。

 というわけで、「これでもか、これでもか」というボリュームで、いっぱいいっぱいでした。

 そして、娯楽大作でとても楽しめました。

「これぞ娯楽!」という感じです。

 どこらへんが娯楽作品かというと、「世界一周、観光旅行」というところと「いろんな場所ではちゃめちゃ大騒ぎ」な辺りです。

 娯楽の基本は、行ったことのない場所や、見たことのない場所で、やったことのないことを行うことだと思いますので。

 でも、この映画は、そういった観光的なところだけではありません。

 最後の締めはきれいにできていて、「娯楽大作の締めはこうでなくっちゃ」という感じでした。よかったです。



 また、そういった気持ちよさの演出は、最後の最後まで手抜きなしで行われます。

 最後のスタッフロールも凝りに凝っています。

 スタッフロールは、かなりシュールでシンプルなアニメになっているのですが、これが出色の出来でした。

 世界一周する主人公は、時間に厳しい紳士です。そして、そのお供は、物凄い種類の職業をこなす、背の低い男で、初登場シーンは、前輪が巨大な自転車(「○。」みたいな感じの)に乗っています。

 ラストのアニメは、この特徴を上手く捕らえて、「時計」と「自転車」が世界を駆け巡るという趣向になっています。

 最後まで飽きさせずに楽しませようという根性は素晴らしいです。

 実際、このアニメ、かなり面白くできていました。



 さて、この映画は、1956年のシネラマ作品で、原作は、ジュール・ヴェルヌの同名の小説になります。

 普通は続けて監督について書くのですが、この映画は製作について書かなければなりません。

 製作はマイケル・トッド。この映画は、トッドAO方式で製作されています。

 通常のシネラマは、三つのカメラで撮っていたのですが、このトッドAO方式は一台で撮ります。この方式は、この映画のためにトッド氏がわざわざ開発させたそうです。

 さて、こんなことをやる「トッド」という人物は、いったいどういう人間なのか?

 DVDの特典映像では、「これでもか!」というぐらい、このトッドという人物の波瀾万丈の生涯を語っています(この特典映像の案内役がオーソン・ウェルズってのも凄いのですが)。

 もともと少年時代から博打の胴元を学校でやっていたトッド坊や。彼は未成年の頃に営業代行の会社を立ち上げ、その後ミュージカルのプロデュースなどで一旗上げます。

 そして、ハリウッドに進出するものの、失敗で撤退。

 競馬にのめり込んで、競馬場を買ったり、そうかと思えば競馬ですって競馬場を手放したりしながら、再度ハリウッドに挑戦。

「80日間世界一周」の脚本に惚れ込んだ彼は、周囲の「絶対に失敗する」という声を物ともせず、この娯楽大作を仕上げて、見事アカデミー賞五部門受賞。

 まさに波瀾万丈。

 それだけではなく、何度か離婚経験のある彼は、エリザベス・テーラーに果敢にアタックして、彼女を物にします。

 何というか、人生の密度が違います。凄い。

 そして、そんな彼が撮ったこの映画も、まさに波瀾万丈の大作になっています。



 余談。

 インタビューで、エリザベス・テーラーがトッドについて熱く語っていたのですが、滅茶苦茶美人ですね。

 びっくりしました。



 さて、この映画は、当時の有名俳優を大量に端役に投入しています。

 DVDの解説によると、「カメオ出演」というのは、この映画から始まったということでした(少なくとも、大規模にやって、他の映画でも真似され始めたのはこの作品からだそうです)。

 ともかく精力的で、交渉した相手は必ず首を縦に振らせるという猛烈営業マンのトッドは、次々に交渉して、有名俳優たちの出演を決めていったそうです。

 というわけで、豪華脇役陣です。

 でも、やっぱりいいのは主役の二人です。

 時間にうるさく、どこに言ってもホイスト(トランプゲーム)ばかりしている主人のフォッグ氏。そして、やたら愛嬌があって楽しい従者のパスパルトー。

 特に、このパスパルトーが非常にいいです。

 やたらと色んな職業を経験してきた彼は、軽業師も真っ青な身のこなしと、様々な機転が利く、かなり有能な男です。

 でも、やたらと女好きで、ちょっと目を離すと、世界各地の美女にふらふらと付いていきます。

 しかし、その女癖が憎めないような愛嬌を持っています。

 カンティンフラスという役者なのですが、彼の楽しげな容姿と笑顔がないと、このパスパルトーという役はただのエロ親父になってしまいます。なので、これは俳優の勝利です。

 実際、トッドは「彼しかいない!」ということで、ハリウッド未出演だった彼に交渉に行って、映画出演を決めたそうです。

 この二人の珍道中は本当に楽しさ満載でした。



 映画は、世界各地の観光ムービーという感じなのですが、冒頭に、有名な世界初のSF映画「月世界旅行」の映像がかなりの長い時間登場します。

□Wikipedia - 月世界旅行
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C...

 これは、得した気になりました。これだけ探して借りてくるのは大変なので。

 元々14分の作品だそうですので、かなりの部分が入っていると思います。



 あと、最後の落ちは原作に功を負うのでしょうが秀逸でした。

「気付けよ自分!」と自分に突っ込みを入れましたが、二人の世界旅行を思いっきり楽しんでいたので、気付きませんでした。

 不覚。



 以下、粗筋です。(特に大きなネタバレはないです)

 紳士のクラブに入っている主人公は、ある日、カードゲームの最中に八十日で世界旅行ができると公言する。

 そのことが切っ掛けになり、全財産のかなりを割いて、賭けを行うことになる。

 彼は、ちょうどその日に雇った従者を従えて、その夜に家を発つ。

 折しもその直前に銀行強盗があった。警察は、絶妙のタイミングでロンドンを離れた主人公が犯人ではないかと疑う。

 主人と従者は、気球や船、鉄道などを乗り継ぎ、その途中途中で様々な問題を解決しながら東へ、東へと進んでいく。

 だが、主人に銀行強盗の疑いを掛けて追い掛けてくる刑事が現れたり、インドでお姫様が一行に加わったりして、旅は一筋縄ではいかない。

 そして、八十日の期限はどんどん消費されていき、地球をぐるりと回った二人はロンドンに近付いて行く……。



 何気に日本も出てきます。

 富士山とか、鎌倉の大仏とか、いろいろ出てきます。

 当時としては、割とまともな日本じゃないかなと思いました。

 大仏が出て来た時には、思わず山海堂が映っていないかと探してしまいました。さすがに時代が違うので無理でしょうが。



(以下、少し終盤近くのネタバレが入ります)



 個人的には、終盤の米国から英国に行く船のエピソードが好きです。

 石炭がなくなった船で航行するために、船自体をどんどん破壊して燃やしていきます。

 この船は、最初模型を使う予定だったそうですが、「ここは頑張りどころだ!」と思ったトッド氏が、自腹で船を買って、実物を壊して撮影したそうです。

 そういえば、この手のシーンって大抵模型が多いですね。

 わざわざ金を出した甲斐あって、このシーンは、この映画の中でも好きなシーンになりました。



 あと、シーンで言うと、序盤のスペインのシーンはちょっと長過ぎるかなと思いました。

 少し削ってもいいのになと感じました。

 それ以外は、特に冗長なところはありませんでした。
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