映画「ハリソン・フォード逃亡者」のDVDを八月上旬に見ました。
1993年の作品で、原題は「HARRISON FORD THE FUGITIVE」です。「逃亡者」だけの表記もありますが、同名多数なので、「ハリソン・フォード」を付けた方が分かりやすいと思います。
主演は、タイトルから分かる通りハリソン・フォード。
監督はアンドリュー・デイヴィス。「刑事ニコ 法の死角」を撮っていますね。この映画は、本で何度かタイトルを見掛けたので、見る映画リストに追加しておきました(最近見ました)。
さて、映画を見た感想は「浦沢直樹の『MONSTER』を思い出すな」です。ちなみに「MONSTER」は1994年から2001年の作品です。
映画「逃亡者」は、1960年代に大ヒットしたテレビドラマの映画化だそうなので、もっと古いです。
「MONSTER」を思い出した理由は、この「逃亡者」の基本ストーリーが、「主人公が医者で、冤罪で逃げながら真相を探す」というものだからです。
当然「MONSTER」とは発端も展開も結末も違うのですが、行く先々で関係ない人を助ける辺りで思い出しました。
逃亡する医者は、やはり、その場所その場所で人助けをして、そのせいでピンチにならないと話が盛り上がりません。
というわけで、主人公のハリソン・フォードは医者の役でした。
以下、粗筋です。(ネタバレあり。終盤の最初まで書いています)
主人公は医者。彼がパーティーから帰ると妻が殺されていた。そして彼は犯人と格闘して取り逃がす。犯人は、片手が義手の男だった。
主人公は警察でそのことを話す。しかし、警察は頭からその話を信用せず、保険金と遺産目当ての殺人だと断定する。彼らはろくな捜査もせずに、主人公に死刑を求刑して刑務所に送り込む。
その刑務所に向かう途中、護送されている囚人の一人が脱獄を試みた。職員の一人を殺害して、車を混乱に導いたのだ。
そのせいで、護送車は横転して道から落ちる。
命からがら脱出した主人公は、このチャンスを活かして、真犯人を捕まえようと逃亡生活に入る。
護送車が落ちた場所は鉄道の線路の上だった。車は大破しており、囚人は全員死んだと当初思われていた。
しかし、連邦保安官のチームが来て、詳しく検証すると、二人の逃亡者がいたことが発覚する。
彼らは猟犬のように、逃亡者たちを追っていく。
主人公は、一旦はダムで追い詰められるが辛くも脱出する。
その後、一人は捕まったが、高い知性と強い意思を持つ主人公は警察の目を欺き、逃亡生活を続ける。
彼は自分が逮捕された土地に戻り、義手の男を探し始める。
主人公は医師である。病院に潜り込み、義手の修理記録を探して相手を絞り込む。
なぜならば、事件の日、主人公は、格闘した相手の義手を壊していたからだ。犯人は、修理のために必ず病院に訪れているはずだ。その彼の読みは当たった。
事件解明の糸口を掴んだ主人公は、今度は撒き餌のように、自分の足跡を残しながら黒幕を探し出す。
彼は、連邦保安官が事件の全貌を掴めるようにと証拠を残していく。そんな彼を、地元警察と連邦保安官のチームが追い詰めていく。
そして、連邦保安官たちは、徐々に主人公が真犯人ではないことに気付き始めていく。
連邦保安官たちのリーダーのトミー・リー・ジョーンズが、なかなかよかったです。
機械のような能面の顔の下に、犯人をどこまでも執拗に追う情熱を秘めています。
そして彼は、その有能さから、徐々に事件の真相に気付いていきます。
それに対して、地元警察の能力の低さは絶望的でした。
事件の証拠集めもせずに、最初から事件の真相はこうだと断定して、人を死刑台に向かわせる。
人の命に関わる職業に就いている人間にとって、無能は罪だなとひしひしと思わされました。
俳優でいえば、ハリソン・フォードもよかったです。
彼は、この映画では最初は髭面で出てきます。
髭にすると、ハリソン・フォードっぽくないなと思っていたら、逃亡の時に真っ先に髭を剃りました。
なるほど、いつもの顔を「変装後の顔」として使うために、わざと最初に髭を付けていたのかと思いました。
こういった、変装をしないといけない物語に俳優を使う場合は、どの顔が一番露出が長いかで、姿を決めないといけないんだなと思いました。
あまり普段考える必要のないことですが、なるほどなと思ったので、メモしておきます。