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2007年10月20日 09:20:53
帰郷
 映画「帰郷」のDVDを九月上旬に見ました。

 1978年の作品で、原題は「COMING HOME」。ベトナム戦争を、アメリカに残された妻の側から描いた作品です。

 主演はジェーン・フォンダ(妻役)。相手役は、ジョン・ヴォイト(負傷帰還兵役)と、ブルース・ダーン(夫役)。

 監督はハル・アシュビー、脚本はウォルド・ソルトとロバート・C・ジョーンズです。ウォルド・ソルトは、最近見た映画だと「セルピコ」の脚本を書いています。

 どうでもよいですが、「帰郷」という名前の映画は大量にあってびっくりしました。



 さて、映画の感想ですが、ネタバレなしでは書けないので、先に粗筋を書きます。

 ミステリなどではないので、あまりネタバレを気にしないでよいと思いますが。



 以下、粗筋です。(ネタバレあり。終盤のラスト直前まで書いています)

 海兵隊の大尉の妻は、夫をベトナム戦争に送り出した後、同じく恋人を送り出した女性と共同生活を始める。

 その同居人には弟がいて、彼はベトナム戦争のせいで心の病に罹り、入院していた。同居人は弟の近くにいるために、負傷兵向けの病院の栄養士として働いていた。

 そんな彼女に影響され、妻は病院でのボランティアを始める。そして、そこで、かつての高校時代の同級生の負傷兵に出会う。彼は下半身麻痺になっていた。

 再会した当初、負傷兵は荒れていた。彼は自暴自棄になり、周囲に当り散らしていた。

 しかし、退院が近付くにつれて、少しずつ落ち着きを取り戻し、周囲への気配りを見せられるようになった。

 そんなある日、病院のスポーツ大会があった。妻や同居人、その弟や負傷兵もそのイベントに参加する。

 そして、弟が戦争を思い出して精神錯乱になった時、負傷兵が共感を示して、その心を鎮めた。

 その様子を見て、妻は負傷兵に強く心を引かれだす。その日、妻は自分の家に負傷兵を招いた。だが、男女の関係は拒んだ。

 それからしばらく経ち、夫の休暇の日に、香港で再会することになる。妻はその場で、ベトナム戦争の混沌とした様子を聞かされる。夫は精神を疲弊させており、憔悴しきっていた。

 妻が香港に行っている頃、退院した負傷兵は自分の部屋を借りて、車椅子での自立した生活を始めた。

 妻は帰国する。

 それから少し経った頃、同居人の弟が自殺する。その事実を知り、何かをしなければと思った負傷兵は、海兵隊の新兵の施設の前で無言の抗議行動をする。

 その行動が切っ掛けで、負傷兵は、妻と同居人に受け入れられ、妻と男女の関係になる。

 それからしばらく経ち、妻と負傷兵の関係は、分かち難いものとなっていた。

 夫の帰国が決まる。

 負傷して帰って来た夫が上層部から知らされたのは妻の不倫だった。反戦活動をした負傷兵は、FBIの監視下に入っており、妻との不倫の一部始終を全て記録されていた。

 絶望した夫は、銃を持ち、妻の前に現れる。その場に負傷兵もやって来る。そして、負傷兵は夫の説得を始める……。



 まあ、何というか、相手が離れた場所にいると、手近な相手に飛びつくよなと思いました。

 ずっと会えない相手と違って、身近にいる相手は、感情的揺さぶりを掛けてくるイベントが何度も発生しますから。

 よほど思い込みの強い人でない限り、そうなると思います。

 ただ、可哀相なのは旦那です。ベトナムに行って、ヘロヘロになって戻って来たら、妻は他の男と浮気をしており、「でも、あなたを愛しているの!」などと言ってきます。

 そりゃあ、切れると思います。

「長く離れていたから愛が薄れた」と言われれば、まあ仕方がないと思うかもしれません。しかし、「愛しているけど、手近な男と仲良くなったの!」と言われれば怒ると思います。

 ベトナム戦争の映画というよりは、寝取られ系の映画だなという印象でした。



 DVDにはメイキングが付いており、そこで語られていた話によると、最初は非常に反戦色が強い脚本だったそうです。

 しかし、それじゃあ見る人が限られるからということで、恋愛物として方向転換したそうです。

 というわけで、「不倫物だよな」と見えたのは、まあおかしくないのかなと思いました。

 また、あまり戦争物の映画に見えなかったのは、映画中に「帰って来た後の人」しか描かれていないからだと思います。

 帰って来て、しばらく経った後の人が、どう戦争で影響を受けたかは描かれていますが、今まさに戦争で影響を受けている人はほとんど描かれていません。

 いわば、茹で上がった後の卵を見るようなもので、半熟の状態のドロドロとしたものを想像するには、少し婉曲過ぎるという感じです。

 もう少し生々しくてもいいのかなと思ったのは、たぶん、この映画の製作年代以降のベトナム戦争の映画をいろいろと見た後だからだと思います。

 まあ、この映画の主眼は、帰還した後の人たちを描くことにあるようなので、それでいいのかもしれませんが。



 この映画を見ていて思い出したのは、オリヴァー・ストーン監督の「7月4日に生まれて」(1989年)です。

 ベトナム帰還兵の主人公(トム・クルーズ)が車椅子に乗っているというところが似ています。

 この映画は、中学時代だったか、高校時代だったか忘れましたが、なぜか一人で映画館に見に行った記憶があります。

 内容は全く覚えていないのですが、なんだかやたらと熱気を感じる映画だったなと記憶しています。

 熱気というか、熱さと汗を感じるというか……。

 その記憶があったせいか、今回見た「帰郷」は、だいぶ戦場から遠い雰囲気の映画だなと感じました。
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