映画「アルティメット」のDVDを十月下旬に見ました。
2004年の映画で、製作、脚本はリュック・ベッソン。監督はピエール・モレル。
スタントやワイヤーを一切使用しないアクションが売りの映画です。
こういった、九十分程度で、スカッと楽しませてくれる映画は、忙しい時には本当に嬉しいです。
無駄な脇道や中だるみもなく、アクション、アクション、アクションの連続で、楽しませてくれました。
アクションでは、ビルの外側を凄い勢いでジャングルジムのように移動する冒頭のアクションがよかったです。
また、他にもジャングルジム内を猿が疾走するようなアクションが随所にありよかったです。
また、アクションもよかったですが、脚本もツボを押さえていてよかったです。
変なひねりもなく、シンプルな脚本の上に、様々なアクションのアイデアをデコレーションのように載せる。
リュック・ベッソンはこういうの得意だなと思いました。
主人公の選定も上手かったです。
二人組みのアクション映画だと、方向性の違う二人の人間を組み合わせるのが基本です。
そして、それぞれの目的が一点に収束することで、異質な二人が最初は反目し、後に協力するのが基本的な流れになります。
この映画では、主人公は以下の二人です。
・スラム街にいた青年。正義感が強く、麻薬の元締めを警察に突き出すが、逆に警察に捕まる。妹がその元締めにさらわれる。
・潜入捜査官。プロ意識が強く、任務を遂行するのが正義に繋がると思っている。麻薬の元締めが手に入れた新式爆弾の爆発を止める任務を受ける。
この二人が組んで、麻薬の元締めのところに行きます。
最初は反目しあっていますが、徐々に相手のことを認めて協力し、最後に一波乱あったあとに、上手いところで落ち着きます。
主人公もよかったですが、何気に脇役も美味しかったです。
映画には「幸福なデブ」と言うような役の人間が時々出るのですが、この映画にもそういったキャラが出ました。
終盤に美味しい役を取るので、「久しぶりにこういうキャラを見たな」と思いました。
以下、粗筋です。(ネタバレ特になし。序盤だけ書いています。後は、流れるように、普通の展開なので)
スラム街にいる青年は、自分の組織を持っていた。彼は正義感溢れる青年で、麻薬などを禁止し、建物への落書きなども嫌っていた。
その彼らのアジトのビルに、巨漢の男がやって来る。彼は見張りを倒し、部下とともにビルに攻め入る。
青年は、麻薬を奪い、それを廃棄しようとしていた。そのせいで、麻薬の元締めの怒りを買っていた。
青年は逃げるが、妹が捕まる。その妹を取り返しに、青年は麻薬の元締めのところに行き、元締めを人質に取り、脱出する。
そして、元締めを警察に突き出す。しかし、警察署長は、逆に青年を逮捕し、元締めは妹を連れて、警察署を出た。
それからしばらく経った。
一人の潜入捜査官が高官に呼ばれる。新型高性能爆弾が奪われ、スラム街に運び込まれたという。
高官は、その高性能爆弾の時限装置が作動したので、解除コードを入力しなければならないと告げる。
しかし、潜入捜査官はスラム街には詳しくない。それに、彼は本来、潜入前に入念な準備を行う。
彼はその仕事を断る。だが、高官は命令の拒否を許さなかった。そして、刑務所にいるある男を案内役にして潜入することを命じる。
その男こそ、かつて麻薬の元締めに妹を奪われた青年だった。
潜入捜査官は囚人の振りをして、青年に近づき、二人で脱獄してスラム街に入る。
しかし青年は、潜入捜査官が警察の人間であることに気づいていた……。
しかしまあ、忍者みたいなアクションでした。
建物を縦横無尽に駆け回る様は、見ているだけで楽しかったです。
そして、長さも八十五分と短く、要素もきちんと入っている。
こういった九十分級良質アクション映画は重宝します。