クロノス・クラウン - 記事検索

おすすめ
自作の本やゲーム他を販売
便利なWebアプリが多数
ソフトウェア
めもりーくりーなー Winのメモリーを掃除
Novel Supporter 小説推敲補助ソフト
PCソフト まとめ
Webサービス
Kindle Unlimited マンガまとめ 巻数の多いマンガを集計
ゲームブック
闇の聖杯の儀式 電書のゲームブック
ゲーム
Little Land War... Win向けSRPG
Little Bit War Switch向け高速RTS
TinyWar... 1面数分の8bit風RTS
EX リバーシ 変形盤面、盤面多数
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0001BUD4G/cronuscrown-22
2007年12月15日 17:17:16
エルム街の悪夢
 映画「エルム街の悪夢」のDVDを十月下旬に見ました。

 1984年の映画で、監督・脚本はウェス・クレイヴン。

 この人は、後に「スクリーム」を撮っていますね。こちらは未見なのですが、「エルム街の悪夢」がよかったので、この映画も見てみようと思います。



 さて、「『エルム街の悪夢』を今見ているのはどうなのか?」という、今更感はかなりあるのですが、こういった映画は、話題だけで見た気になり、実際は見ていなかったりするものです。

「『フレディVSジェイソン』を見ているくせに、こっちがまだというのはいかがな物か?」という話もあるのですが、「フレディVSジェイソン」が思ったよりも出来がよかったので、元の作品を見てみようと思いました。

「エルム街の悪夢」は、思った以上によくできていてびっくりしました。

 DVDの解説を読んだのですが、この頃のホラーブームの中では割と後発だったようですね。

 ちなみに、「13日の金曜日」は1980年で、四年前になります。



 さて、予備知識ほとんどなしで見たのですが、他の映画とは違う、ちょっと変わった展開が興味深かったです。

 映画には、二人の女性が出てきます。

 ティナ(アマンダ・ワイス)とナンシー(へザー・ランゲンカンプ)です。

 映画の序盤は、ティナが主役のように見えます。そして最初の展開は、このティナが追い詰められて、フレディに殺される話です。

 しかし、これはプロローグに過ぎず、彼女が殺されたところから本編とでも言うべき話が始まります。

 この、本編(フレディとの戦いと謎解き)の主人公が、ナンシーになります。



 このナンシーなのですが、映画の冒頭では存在感が極めて薄いです。

 ティナ役のアマンダ・ワイスは、かなり美少女で、可愛い女の子です。そして、ナンシー役のへザー・ランゲンカンプは、彼女に比べると二レベルほど外見的質が落ちます。

 なので、序盤で主人公が交代した直後は、「えー、彼女が主人公なの?」と思います。

 しかし、映画が進んでいくに従い、どんどんナンシーが魅力的になっていきます。

 見慣れてくるせいか、彼女の演技のせいか、女優が映画の撮影に慣れてくるせいなのか分かりませんが、だんだん主人公としての存在感を増していき、最後には「よい女」に見えてきます。

 これはなかなか面白い現象でした。



 この映画には二つの魅力があります。

 一つは、「眠ると襲われる」という、「誰しも抗えないこと」に恐怖を持ってきている部分です。

 これは「私にも起こるかも」という、誰もが共感できる恐怖の発動条件で、脚本や映画の枠組み的な面白さになります。

 それとともにもう一つ、前述の「主人公のナンシーが、危険にさらされる内に徐々に魅力的になっていく」という、俳優面の面白さがあります。

 この二つが、いい具合にシンクロしているので、没入感が増し、映画の価値を押し上げているなと思いました。

 そういった二つの要素が上手く絡み合い、「フレディが出てきて怖がらせる映画」ではなく、「フレディが出てくるまでがドキドキする映画」になっていました。



 さて、ホラー映画といえば、魅力的な脇役です。

 別名、やられ役。死亡フラグが立った人たち。

 しかし、本作は、思ったほど人は死にません。

 その代わりと言っては何ですが、「主人公は理解されない」という部分に焦点が当てられているように思いました。



 主人公はフレディの存在を知り、その対策を必死にしているのに、周りの人たちは信じてくれなくて、片手間でしか助けてくれない。

 そのせいで、周囲の人間がみなへたれに見えます。

 その中でも、一番のへたれ役は、グレン(ジョニー・デップ)です(たぶん、ジョニー・デップのスクリーン・デビュー作)。

 ナンシーの彼氏で、隣人なのですが、こいつが本当にへたれです。

「寝ないで、私を見ていてね」とナンシーが頼むと、豪快に寝ているし、「○○時に電話をちょうだいね」とナンシーが言うと、その時間には寝こけているし。

 ともかく、役に立たないことこの上ないです。

 何と言うか、ナンシーが立てた計画を、一人で台無しにしています。危機の三〜四割はこいつのせいです。

 こいつが恋人でなければ、もう少し楽に、ナンシーはフレディと戦っています。

 隣人というだけで恋人を選ぶと、危機の時に大変だなと思いました。



 以下、粗筋です。(ネタバレあり。終盤の最初まで書いています。まあ、有名な映画なので、よいでしょう)

 高校生の何人かが、悪夢を見る。その夢は、「焼けただれた顔をして、ナイフの爪を手に持った、縞模様の服を着た男」に襲われるというものだった。

 高校生たちは、その相手がフレディだと知っている。なぜならば、その町では、縄跳びの時の歌に、その男の名前が出てくるからだ。

 そんな高校生の一人であるティナは、悪夢が現実になるという恐怖を感じ、恋人と、友人のカップルを家に呼んで、母親が留守の日を過ごす。

 しかし、その対策は効かず、彼女は殺され、恋人は殺人犯として警察に捕まってしまう。

 ティナの友人で、その日、家に一緒にいたナンシーは、ティナの恋人の無実を訴える。しかし、ティナの恋人は普段から素行が悪く、警察たちは耳を貸さなかった。

 ナンシーもフレディの夢は見ていたが、それが現実になるという予感は持っていなかった。しかし、その事件の後から、ナンシーも夢が現実になるのではという恐れを感じ始める。

 そして、夢に現れるフレディの攻撃で、ティナの恋人は殺される。

 次は自分だ。そう怯えるティナは、恋人のグレンに協力してもらい、フレディを倒そうとする。

 だが、グレンは役に立たず、彼女は追い詰められる。彼女は、フレディの帽子を現実世界に持ち帰っただけで、決着を付けることはできなかった。

 彼女は、親の勧めで精神病院に通い始める。

 ナンシーは親にフレディの夢の話をする。両親はその話を激しく否定する。しかし、母親がぽつぽつと語り始める。

 彼女ら親の世代は、フレディを知っていた。変質者で殺人狂だった彼を、町の大人たちは、かつて追い詰め、焼き殺していた。

 その、先代の惨劇は、縄跳びの歌として、町の住人たちの間に残っていた。

 ナンシーは、フレディの正体を知る。彼女は、フレディを夢から引きずり出し、現実世界で決着を着けようと計画を立てる……。



 粗筋を書いていて思いましたが、脚本もしっかりしていてよくできていると思います。伏線が無理なく話に絡んでいますし。

 世間的な印象としては「フレディ」の映画ですが、私は主人公の「ナンシー」の方に魅力を感じました。

 どちらにしろ、よくできた映画だと思いました。
最新20件 (全て見る)

オススメ (全て見る

動画講座 (全て見る

サイト目次

おすすめ

PCソフト/Webアプリ

ゲーム

マンガ

記事

柳井の同人活動

開発

携帯・スマホ

アナログ・ゲーム

Cronus Crown(クロノス・クラウン)のトップページに戻る
(c)2002-2025 Cronus Crown (c)1997-2025 Masakazu Yanai
ご意見・お問い合わせはサイト情報 弊社への連絡までお願いします
個人情報の取り扱い、利用者情報の外部送信について