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2008年01月03日 23:17:38
夜の大捜査線
 映画「夜の大捜査線」のDVDを、十一日前に見ました。

 1967年の映画で、原題は「In The Heat Of The Night」。

 ノーマン・ジュイソンが監督で、スティーリング・シリファントが脚本です。

 主役は、シドニー・ポワチエ(黒人)と、ロッド・スタイガー(白人)です。

 この組み合わせと邦題で分かる通り、黒人と白人の刑事コンビ物の映画です。



 しかしまあ、シドニー・ポワチエは知的な外見をしていますね。

 このちょっと後に「招かれざる客」も見て思いましたが、非常に頭がよさそうで誠実そうな容姿をしています。

 こういった外見は、俳優としては武器になりますね。



 さて、映画です。

 面白かったです。

 コメディ要素は一切ないのですが、そのシチュエーションゆえに、にやにやしながら見ることができます。

 というわけで、まずは、粗筋を書いた方が分かりやすいので、先に書きます。



 以下、粗筋です。(ネタバレ特になし。序盤だけ書いています)

 アメリカ南部の町。

 最近警察署長になった男の管区で、殺人事件が起こった。町にとって重要な人物である、ある実業家が殺されたのだ。

 警察官の一人が、その容疑者として、深夜の駅にいた黒人男性を連れてくる。

 その黒人男性は、きちんとしたスーツを着ていた。

 警察官と署長は、その男が怪しいと思い、尋問しようとする。しかし、彼は北部の警察官だった。それも、凄腕の殺人課の刑事だった。

 北部では南部と違い、黒人差別があまりなく、彼は北部ではエリートで、南部の警察官たちよりも高い給料をもらっていた。

 黒人刑事は、休暇を利用して、母の住む南部を訪れていたのだ。

 警察署長は、北部の警察署に連絡して彼の素性を確認する。誤認逮捕も甚だしく、彼は面子を潰す。

 さらに、悪いことに、その町では殺人事件などこれまでほとんどなく、事件解決の方策が見つかっていなかった。

 そして、その解決の手助けのためとして、北部の警察署長から、黒人刑事に協力させると言われてしまう。

 警察署長も、黒人刑事も断ろうとする。だが、北部の警察署長は陽気にそのことを受け流す。

 そして、白人の警察署長と、黒人刑事の合同捜査が始まった。

 南部は差別の町で、あらゆる人が、黒人刑事が黒人なのにエリートであることを忌み嫌う。

 警察署長自身はそれほど差別意識はないが、無用のトラブルを招く元になると思い、はらはらする。

 黒人刑事は、そういった微妙な立場にいる署長を同情する。

 二人の奇妙なコンビは、互いの立場にギクシャクしながらも、徐々に殺人事件の犯人に近づいていく……。



 というように、コメディ要素は一切ないのですが、コメディのように面白かったです。

 なかなかよくできた映画だなと思いました。

 しかしまあ、黒人刑事が一番知的で慎み深く、出てくる白人たちが、ことごとく頭が悪く、野蛮なのは凄いなあと思いました。



 あと、反目しあっていた二人が、互いのプロ意識を見て協力する気になるというのは、定番だよなと思いました。

 この映画では、検死に立ち会った黒人刑事が、凄い勢いで知識と経験を見せ、それで署長が心を決めます。



 一応、ミステリーとしてのセオリーを守って、捜査や推理を行っているのですが、そういった謎解きは余り気にならず、それよりも、二人のぎくしゃくした関係が面白かったです。

 これは、楽しい映画だと思いました。

 こういう風に、キャラの配置だけで、面白さが転がるようにするのは大切なことだと感じました。

 互いに「言わなくても分かる。だから言うな」「分かった。あんたもなかなか大変だな」という無言の会話が、目線だけで交わされるのが面白かったです。
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