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2008年01月17日 15:34:12
プロデューサーズ
 映画「プロデューサーズ」(旧版)のDVDを十二月上旬に見ました。

 最近映画になった、「プロデューサーズ」のオリジナル版です。

 映画(1968年)→ミュージカル(2001年)→再映画(2005年)という流れになっています。

 というわけで、今回見たのは1968年の作品で、監督・脚本はメル・ブルックス。主演はゼロ・モステルとジーン・ワイルダーです。



 この作品は、ツタヤディスカスで、アカデミー賞の「脚本賞流し」として登録しているリストに従って届きました。

 けっこう、脚本賞を取っている映画で、DVD化されていないのが多いのでびっくりしています。古いのになると、半分ぐらいがDVD化されていません。

 もったいないなあと思います。あれば確実に見るのに。



 さて、新版もよかったですが、旧版もよかったです。

 そして「新版は正しいリメイクになっているな」と感心しました。

 理由は「予算」です。

 オリジナル版は、監督の初監督作品で「低予算」の映画でした。

 対してリメイク版では、成功した後で予算が大量にありました。

 そのことを活かして新版では、旧版の基本コンセプトとシナリオを踏襲しつつ、「低予算ゆえにできなかった部分」を作り込んでいます。

 映画の時間自体は、新版が三十分ほど長くなっています。

 そのほとんどは、ミュージカル部分です。お金の掛かる部分です。

 これは、リメイクする意味のあるリメイクです。

 こういうリメイクの仕方は評価できます。



 逆に言うと、旧版はミュージカルをテーマにした映画なのに、ほとんどミュージカルシーンがないです。

 なぜならば、「予算がないから」。

 旧版のミュージカルシーンは、「ヒトラーの春」の公演シーンのみです。

 新版を見た後、旧版を見ると「お金がなかったから、ここだけなんだろうな」というのがありありと分かります。

 まあでも、面白いからよいのですが。

(注:実際は、旧版の完全なリメイクではありません。新版は、ミュージカル版の映画化です)



 あと、新版と旧版の大きな違いは「お色気美人秘書ウーラ」のクローズアップです。

 新版の方が、大きく取り扱われています。

 これは「お色気部門の増強だろう」と思います。興行的には非常に大切なことです。

 映画によっては、「お色気」部分が話題になり、みんなが熱く語り合うこともありますので。

 最近で「お色気」が印象に残った映画と言えば、「妖怪大戦争」とか「シンシティ」とかでしょうか。

 あれは、いい「お色気」でした。



 新版と旧版では、もう一つ大きく違うところがあります。(以下、少しネタバレあり)

 それは、ヒトラー役です。

 新版では、ヒトラー役をゲイの演出家が演じていましたが、旧版では違う登場人物が演じています。

 それは、ラブ&ピース風の前衛ポップシンガーです。

 いや〜、こいつもなかなか濃いキャラでした。

 花を持って、体をくねらせながら、愛について歌い続けます。



 さて、今回の旧版の粗筋は新版と同じです。なので、簡単に紹介しておきます。

 以下、粗筋です。

 昔は敏腕プロデューサーだった男は、今では老女相手に出資を募って興行をする場末のプロデューサーになっていた。

 その彼の許に、一人の会計士がやって来る。

 引っ込み思案のその彼が言った一言で、二人の人生は一変する。

「ミュージカルは、失敗した方が儲かることもあるんですね……」

 そう。大量に出資を募り、一日で芝居が打ち切りになれば、配当を一切払わずに済み、大儲けすることができる!

 二人は、その計画を実行するために、最低の脚本と、最低の演出家と、最低の役者を集め出した。

 そして、「ヒトラーの春」と題された、ヒトラー礼賛のミュージカルが上演されることになった……。



 DVDには、映像特典で、インタビューが付いていました。

 その中で、面白かったエピソードを書いておきます。

 それは、最初に「ドイツ狂いの脚本家」の役をダスティン・ホフマンがやる予定だったことです。

 しかし、ダスティン・ホフマンが卒業のオーディションに受かってしまったので流れてしまったそうです。

 ダスティン・ホフマンにとっては、この映画よりも「卒業」に出た方がよかったと思います。

 ええもう本当に。

 でも、ダスティン・ホフマンの「狂った脚本家」も見てみたいのは見てみたいです。
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