映画「ミニミニ大作戦」のDVDを一月中旬に見ました。
1969年の映画で、原題は「The Italian Job」。
監督はピーター・コリンソン。脚本はチック・ウォーターソン他。
本作は名前だけ聞いたことがあり、実際に見たことがなかったので借りてきました。
見た感想ですが、基本的に駄作です。面白くないです。しかし、“トリコロールの三台のミニがイタリアの町を走るシーン”は秀逸です。
ここだけは映像作品として見る価値があります。
逆に言うと、それ以外のシーンは全部いらないです。
なるほど、邦題の「ミニミ大作戦」とはよく付けたなと思いました。
ミニのシーンだけが重要な映画でしたので。
さて、この映画を最初に見た時の印象は、「チャーリーズ・エンジェル(古い方、70年代ぐらい)みたいだな」でした。
「オースティン・パワーズ」(60年代の花形スパイが90年代に復活する映画)も思い出しました。
1960〜70年代ぐらいの映画の雰囲気(似た顔の美女がわらわら出るとか、フィルムの色味とか)で、緩いギャグ(?)を交えながら話が進んでいきます。
設定自体や個々の脚本のパーツはいくらでも面白くなりそうなのに映画として全く面白くなっていないのは、監督の手腕が悪いのだろうなと感じました。
リメイク版もあるみたいですが、もしかしたらそっちの方が面白いかもしれません。
以下、粗筋です。(ネタバレあり。終盤の冒頭まで書いています)
一人の男が刑務所を出た。彼の友人は、その時期と前後して殺されていた。
主人公は、死んだ友人が進めていた犯罪計画を引き継ぐことになる。
その犯罪とは、イタリアの都市の交通管制システムに仕掛けをして交通を麻痺させて、輸送中の大量の現金を奪うというものだった。
彼はその犯罪計画を実行するために、凄腕のドライバーたちや、コンピューターの専門家たちを集める。
そんな彼の黒幕は、イギリスの裏社会の顔役だった。刑務所から全ての支持を出す黒幕は、イタリアのマフィアたちと対立していた。
主人公の友人が死んだのは、その抗争に巻き込まれてのことだった。
主人公は、イタリアの警察とマフィアを相手にしながら、現金を強奪しようとする。そして、交通の麻痺した都市の中を、数台のミニを走らせて一気に逃走する計画を立てる。
粗筋だけを書くと、かなり面白そうなのですが、実際は面白くありません。
基本的に、道路じゃない場所を三色のミニが疾走していくシーンが中心です。
階段を走ったり、川の上を走ったり、歩道を走ったり、建物の中を走ったり。
たぶん、その後の車のCMなどにかなり影響を与えていると思います。
このシーンだけ見れば十分な映画です。
話の展開は緩すぎて(本当に緩慢)、さらに伏線も回収されていません。なので、物語としてはぐたぐたです。
でも、素材はいいです。
もっと面白くできそうなのになと思わされる映画でした。