映画「ロリータ」のDVDを二月上旬に見ました。
1962年の作品で、監督はスタンリー・キューブリック。原作、脚本はウラジーミル・ナボコフ。同名の有名小説の映画化です。
主役はジェームズ・メイソン。ロリータ役はスー・リオン。
さすがキューブリックという感じで、面白くて狂気を孕んでいました。
さて、この映画ですが、映画自体がよくできているのは当然として、ロリータ(人名)役の、スー・リオンの容姿が秀逸でした。
映画は、少女に一目惚れして人生を狂わしていく男の話なのですが、このスー・リオンの容姿と小悪魔的な魅力には非常に説得力があります。
この少女なら、確かにそういったことがあってもおかしくないと思わせられました。
こういったビジュアル的な説得力は大切です。
しかしまあ、ロリータが出る序盤の諸シーンは非常にあざといです。初登場はビキニでサングラスだし、フラフープで腰を回し続けるシーンがあったり、「どれだけあざといんだ監督」と思わされます。
また、中盤以降の主人公との関係もあざといです。足の指にマニキュアを塗ってあげるシーンなどはフェチ全開です。そして、終盤の“眼鏡妊婦 幼な妻”という姿も非常にフェチです。
このスー・リオンですが、調べてみたのですが、かなり数奇な生涯を送っているようです。
□スー・リオン - Wikipedaia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82...5人兄弟の末っ子。スーが生まれた時母親は56歳、父親はスーが10ヶ月の時に自殺して亡くなった。 その後一家はロサンゼルスに引っ越し、スーは麻薬やアルコール中毒の母親に代わり、12歳で髪をブロンドに染め家計を支えるためモデルとして働き始めた。
その後、結婚離婚を繰り返しているようです。
家庭環境が人生に影響しているようだなと思いました。
以下、粗筋です。(ネタバレあり。終盤の中盤まで書いています)
主人公は作家で大学講師も務める中年男性。彼は講師の仕事でやって来た町で下宿先を探していた。
そして訪れた家で未亡人と話をする。彼女はおしゃべりで彼の感性にはとうてい合わない女性だった。
彼はその家を去ろうとする。しかし、その直前に一人の少女を見て足を止める。夫人の娘でロリータという名前のその少女は、まだ十代半ばだったが抗いがたい魅力を持っていた。
主人公はその家を下宿先に決め、少女と夫人と共同生活を始める。
主人公は少女ロリータを鑑賞し続ける。少女もその眼差しに好意の視線を返してくる。だが、そういった関係は長くは続かなかった。
未亡人は教養のある男性が好きだった。彼女は主人公を誘惑しようとする。またロリータは友人と付き合いだそうとする。そして、主人公が立ち去る日が近付いてくる。
主人公は、ロリータと一つ屋根の下で過ごす生活を続けたかった。そのために、未亡人の求愛を受けて結婚する。だが、日記に綴っていた本心を夫人に見られてしまう。夫人は激怒する。
殺すしかない……。そう考える主人公。しかし彼は殺せない。だが未亡人は交通事故で死に、結果的に主人公はロリータの唯一の肉親という立場を獲得する。
そして、身寄りのなくなったロリータは、主人公に全てを委ねる。
主人公とロリータは、親子として恋人として共同生活を始める。
だが、ロリータは思春期である。がんじがらめの生活に耐えられるはずもない。また主人公もロリータの学校での生活が気になりノイローゼになる。
主人公とロリータ、そして死んだ未亡人が出会っている一人の人物がいた。彼は有名な脚本家だった。
彼は、主人公とロリータの関係に気付き、興味を抱く。そして、好奇心から主人公に罠を仕掛ける。
その罠のせいで、主人公はロリータとの関係を引き裂かれる。嫉妬に狂った主人公は、ロリータを探すために奔走する。
そしてロリータに出会った主人公は、彼女の本心を聞かされる。そして、彼女が企んでいた計画も告白される……。
なんというか、主人公の視野がどんどん狭まっていく様がよかったです。
嫉妬に狂い、どんどん思考能力が失われていく。そして周囲から見て奇妙な振る舞いに及びだす。
こういった狂気描写は好きです。
しかしまあ、ロリータはエロいなと思いました。
直接的な描写はないのですが、そういった関係を想像させる寸止めのシーンで、映画の画面外での関係を想像させます。
ロリータ役のスー・リオンはこの映画に登場した時は十五歳だったそうです。まだ肉が付いて体のバランスが激しく変わる前で、非常に整って見える年齢です。
というわけで、画像をいくつかリンクしておきます。
http://thisdistractedglobe.com/wp-content/...http://www.alohacriticon.com/images/...