映画「黄金狂時代」のDVDを二月上旬に見ました。
1925年の白黒映画で、監督、脚本、主演はチャールズ・チャップリンです。
以前、「戦艦ポチョムキン」を見た時に、淀川長治さんが絶賛していたので借りてきて見ました。
感想としては「今見るとちょっと古過ぎるな」といったところです。でも72分と短いので、勉強のためにはよかったなと思いました。
まあ、台詞が入っていない時代の作品なので、今とはだいぶ映画の文法も違いますし。
以下、粗筋です。(ネタバレあり。最後まで書いています)
主人公は一攫千金を夢見る探鉱家。彼はアラスカの山をさまよっていた。
そこで他の探鉱家と犯罪者と冬を過ごす。そのもう一人の探鉱家は金鉱を発見していた。
主人公ともう一人の探鉱家は厳しい寒さと飢えを乗り切る。そして下山する。その途中、もう一人の探鉱家は犯罪者に襲われ記憶の一部を失う。
主人公は町に着く。そして、酒場の娘に恋をする。しかし、貧相な彼に酒場の娘は本気にならない。だが、主人公の優しさに触れ、彼女の心は主人公に傾きかける。
そんな折、もう一人の探鉱家が町にやって来る。彼は発見した金鉱の場所を覚えていなかった。彼は主人公とともにその場所に行き、二人は富豪になる。
主人公は船で移動していた。そして、再び酒場の娘に出会う。酒場の娘は主人公が富豪になったとは気付かず、無線乗船したと思って匿う。
主人公は自分が成功したことを明かし、愛の告白をする。
話の筋的にはそれほど印象には残りませんでした。それよりも、チャップリンの芸や笑いの演出の方が記憶に残りました。まあ本来、そういった目的の映画だと思いますので。
いくつか記憶に残った場面を羅列します。
まずは、アラスカの冬山をチャップリンのいつもの格好で歩いているシーンです。そのあまりのシュールさに笑いを誘われます。
次は靴を食べるシーンです。靴をばらして食べるのですが、不味そうで辛そうです。何度か言及されているのを見ましたが、靴は食べたくないなと思いました。
このシーンでは、「靴を食べたら、後で困るだろう」と思いました。雪山で靴がないのは致命的です。まあ、それだけ切羽詰っているということなのでしょうが。
そして、ダンスのシーンも記憶に残っています。犬に邪魔されながら踊るのですが、こういった演技は上手いです。
次は、パンとフォークでダンスをするシーンです。
パンにフォークを突き刺して足を作り、顎の下で動かしてダンスを踊ります。こういった芸は上手いなと思いました。宴会とかにも使えそうです。
あと印象に残ったのは、小屋が崖っぷちで傾くシーンです。落っこちそうになってバランスを取るのですが、こうい定番ネタはやっぱり面白いなと思いました。
淀長さんが言ったほどぐっとは来ませんでしたが、それなりに楽しめました。
有名なシーンがいくつかあるので、教養としても見る価値があったと思いましたので。