映画「マーティ」のDVDを二月上旬に見ました。
1955年の白黒映画で、監督はデルバート・マン、脚本はパディ・チャイエフスキー。
パディ・チャイエフスキーは「ネットワーク」(1976)も書いていますね。本作の原作は、同氏によるテレビ劇だそうです。
感想としては、まあぼちぼちかなという感じです。特別な面白さはなかったです。
以下、粗筋です。(ネタバレあり。最後まで書いています)
主人公のマーティは独身の中年男性。肉屋で働いている彼は、婚期を逃していることを気にしていた。
彼はこれまでに様々な努力をしてきたがどうしても上手くいかなかった。そして、母親から「早くいい人を見つけるように」と言われることがプレッシャーになっていた。
ある日彼は、社交場で一人の女性に出会う。彼女は教師をしていて、微妙にいけてない雰囲気の女性だった。
だが、その点がマーティには向いていた。彼は気負うことなく、彼女と話して親しくなる。
そんなマーティに対して周囲の人間の反応は鈍かった。「あんな美人じゃない女と付き合う気か」と友人たちは言う。また、「学歴が高い女性はろくなものではない」と母親は言う。
マーティは悩む。しかし、自分に素直になることで、自分に相応しい相手と付き合うことを決意する。
実際はもう少し要素があるのですが、大まかにはこんな感じです。
なんとなく行き遅れた男性が、焦りを感じながらも、せっつかれるのを疎ましく思うといった当たり、なんだか周囲で当てはまりそうな人が多そうな気がするのは、私だけではないと思います。
基本的に主人公のマーティは心優しき人間です。
でも、ちょっと空気が読めないです。最近の言い方で言うとKYです。
上で「もう少し要素がある」と書いていたプロット部分で、その空気の読めなさっぷりが発揮されます。
何と言うか、相手の状態に関係なく、自分のことばかりを話してしまいます。これじゃあ、上手くいかないよなと思います。
ちょっと対人スキルが低過ぎです。悪い人ではないのですが。
映画は、それほど長くなく、プロットも複雑ではありません。
古きよき昔の小品といった感じです。今だとちょっと劇場で流すのには辛いかなという密度です。
しかしまあ、今も昔も、結婚をしない人間の肩身が狭いのは一緒だなと思いました。