映画「手錠のままの脱獄」のDVDを二月下旬に見ました。
1958年の白黒映画で、監督はスタンリー・クレイマー。脚本はネーサン・E・ダグラス。
主演はトニー・カーティスとシドニー・ポワチエ。
シドニー・ポワチエは、頭脳明晰な黒人役としてよく出てきます。
映画の内容は白人と黒人の友情物語です。古い映画なのでそれほどひねった部分はなく、非常に典型的な内容でした。
それなりに楽しめる内容でしたが、突き抜けて面白い類の映画ではありませんでした。
以下、感想です。(ネタバレあり。終盤の直前まで書いています。とはいえ、典型的な話なので、特にネタバレを気にする必要はないと思います)
囚人護送車が事故に遭い、二人の男が脱獄した。
一人は白人、一人は黒人。そして彼らは鎖で繋がれていた。
互いに反目しながらも、協力しなければならない二人。追っ手は警察官と銃を持った地元の住人、そして鋭い歯を持った犬たちだ。
白人と黒人は、野を駆け、川を超え、野宿を重ねながら逃避行を続ける。そして、互いの過去をぽつぽつと語り出す。
彼らの間には、次第に友情が芽生え出す。
そして、鎖から解き放たれた後も、二人の間の絆は切れなかった。白人の女に騙され、死に至る道に進もうとする黒人を助けるために、白人は自らも死中へと向かう……。
非常にベタな話です。
極限状況の中で、互いに反目していた二人の間に友情が芽生えるという物語です。
一点、なるほどなと思った部分があります。
それは、追っている警察官が元弁護士という設定です。
映画中では明言されませんが、人権派の弁護士っぽいです。
脱獄した囚人二人を殺そうとする周囲の人間を恫喝して、何とか生きたまま捕らえようとし続けます。
追っ手側にもこういった対立を用意するのは重要です。
そして、囚人たちが最終的にどうなるのか、観客が予想する可能性の幅を広げるのにも寄与しています。
ここらへんの設定の作り方は上手いなと思いました。