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2008年04月17日 13:48:10
エリン・ブロコビッチ
 映画「エリン・ブロコビッチ」のDVDを三月上旬に見ました。

 2000年の作品で、監督はスティーヴン・ソダーバーグ。脚本はスザンナ・グラント。主演はジュリア・ロバーツです。

 小気味よく、非常に面白かったです。

 これは人気が高いのも頷けます。



 この映画は、全米史上最高額の和解金を手にした実在の女性の破天荒な活躍を描いたドラマです。

 三人の子供を持ち、複数の離婚歴のある、美人で貧しいけどやる気だけはある母親が、ふとした切っ掛けで潜り込んだ法律事務所で、大企業の公害問題隠蔽に気付き、所長を焚き付けて裁判に挑む話です。

 主人公の女性は、基本的に猪のように直進するタイプです。

 そして、やる気と女(おっぱい)を武器に、どんどん仕事を進めていきます。



 上手いなと思ったのは、終盤の若手女弁護士との対比です。

 スーツに身を固めて形式にこだわる女弁護士に対して、派手な服装で被害住人たちの心情を優先する主人公が圧倒的な勝ちを収めていきます。

「人間相手に仕事をしている」「大切なのは信頼関係」という部分が強調されていて、本来社会的弱者である主人公が、勝ち組であるはずの弁護士を完膚無きまで叩きのめしていく様子が痛快でした。



 また、もう一つ上手いなと思った点があります。

 それは敵の細かな変更です。

 映画全体の大きな敵は、公害を垂れ流して隠蔽している巨大企業です。

 しかし、映画全部をこの敵で統一すると、スケールは大きくなりますが、小気味よくはなりません。

 主人公の目線(庶民)でぶつかり合う小さな敵が必要です。

 この映画では、その小さな敵をどんどん変えていき、その敵に対してやる気と女(おっぱい)を武器にして戦っていくことでリズムを作っていました。

 最初は就職先が見つからないという「世間」という名の敵、次に車を医者にぶつけられて裁判になり、相手方の医者が敵になり、その裁判に敗れた後は、その時の弁護士が敵になる。

 収入を得るために、ごり押しで弁護士事務所に入った後は、職場の人々が敵になり、やがて公害裁判になると、敵方弁護士が登場し、さらに話が大きくなると方針が違う援軍弁護士との対立が表面化する。

 その都度、その都度、物語の場面に相応しい敵を出して、その敵との摩擦で主人公を表現する。

 これがリズミカルに行われていてよくできているなと思いました。



 以下、粗筋です。(大きなネタバレはなし。中盤まで書いています。)

 主人公は複数の離婚歴のある三児の母。女であることを主張する派手な服を身につけ、過去には地域のミス○○にも選ばれたことのある美女だ。

 彼女の目下の悩みは職がないこと。彼女にはまともな学歴も職歴もなく、三人の子供を女手一つで養える仕事に就くのは困難だった。

 ある日彼女は、数度目の面接に失敗して、意気消沈して車を出した。そして暴走する医者の車に衝突されて怪我を負った。

「必ず勝てる」と弁護士に言われて出た裁判に彼女は負けた。

 彼女はそのことで激怒し、その弁護士のオフィスに居座り、雇ってもらうことにした。

 弁護士事務所での仕事が始まった。

 そこで彼女は奇妙な書類を見つける。家屋の売買の書類に、なぜか健康診断の結果が添付されているのだ。

 事務所の全員が気に留めなかったその書類に納得できなかった彼女は、現地に聞き込みに行く。

 そして、有害なクロムを大企業が垂れ流している事実を知る。さらにその企業は、住人たちにクロムが健康によいと嘘の情報を流し、健康に問題が出た人たちの土地を安く買い叩いて転居させていた。

 主人公はそのことを所長に報告し、二人は大企業相手の裁判の準備を始める。

 しかしそれは簡単なことではなかった。引退の近い所長は大企業との対決を渋る。なぜなら、裁判には莫大な資金がいるからだ。

 大企業と戦うためには、家を抵当に入れて、全財産を担保に戦わなければならない。

 主人公は、所長を説き伏せるために一人で証拠を集めて、住人たちの声をまとめていく。

 そして、所長は折れ、裁判が始まった。

 だが、敵は高圧で強大だった。ある程度の金を払って、裁判自体を封じ込めようとしてくる。

 しかし主人公は住人の代表としてきっぱりと断る。責任の所在を明らかにして、しかるべき賠償金を得られなければ退かないと主張する。

 そして、主人公は裁判に向けて、さらに多くの証拠を集め始めた……。



 いくつか「アメリカだな」と思ったことがあるので書いておきます。

 主人公はお金に困っているという設定ですが、日本の基準から言うと、かなり大きな家(一軒家)に住んでいます。

 そのために貧乏には見えません。

 あと、映画の冒頭の交通事故の裁判なのですが、主人公の素性と発言がよくないという理由で、社会的に地位の高い医者に裁判で負けてしまいます。

 明らかに医者が悪いのですが、陪審員の受けが悪かったために敗北します。

 この制度、けっこう問題なんじゃと思いました。

 事実は関係なく、感情論で結果が出るのは、社会のシステムとしてどうかと思いますので。

 でも、気になったのはそういった序盤の細かいところぐらいです。

 あとは、サクサクと話が進むので非常に面白かったです。



 あと、映画中、ちょっと意外だったのは、本格的な嫌がらせがなかったことです。

 もっと生命に関わる嫌がらせが続出するかと思いましたが、そういったことはなかったです。

 実際はあったのかもしれませんが、映画では描かれていませんでした。



 しかしまあ、この映画の主人公は、ジュリア・ロバーツしか考えられないですね。

 最初から当てて脚本を書いたらしく、監督の依頼を受けたソダーバーグも「これはジュリア・ロバーツ以外は考えられないと思った」と言っていました。

 DVDにはエリン・ブロコビッチ本人のインタビューもありました。

 確かに、彼女を若くしたら映画のままだよなと思いました。

 そういう意味でも、よくできた映画だなと思いました。
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