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2008年04月23日 12:05:50
あるいは裏切りという名の犬
 映画「あるいは裏切りという名の犬」のDVDを三月中旬に見ました。

 2004年の作品で、製作国はフランス。監督はオリヴィエ・マルシャル、脚本はオリヴィエ・マルシャル他です。主演はダニエル・オートゥイユ。

 本作は刑事物ですが、監督は実際に警察官だったという経歴を持つそうです。

 公開当時から絶賛の感想をよく聞いていたのですが、これは噂に違わぬよい映画でした。非常によくできていました。

 若干改善した方がよい場所があるものの、基本的には傑作の名に値する出来でした。



 映画は、「うわぁ〜〜〜」と言いながら腰がガクガクなるような不幸に主人公が見舞われていき、どんどん不幸スパイラルで落ちていく話です。

 その、運命のはめられっぷりに指先が震えながらも、思わず見入ってしまう。そんな感じの映画でした。

 まずは、簡単な粗筋を書いてから感想を書きます。



 以下、粗筋です。(若干のネタバレあり。中盤まで書いています)

 主人公は刑事。彼には同じ刑事の親友がいた。

 彼らは連続強盗犯を追っていた。

 ある日、主人公は上司に呼び出される。上司は出世で捜査の最前線から退くことになったという。そして、その餞として、必ず連続強盗犯を捕まえろと言う。その見返りは、上司がこれまでいたポストの後継者に主人公を据えるというものだった。

 言われなくても、主人公は連続強盗犯を捕まえるつもりだった。

 だが、運命の変転が彼を不幸に誘う。

 主人公がかつて捕まえた男が刑務所から仮出所してきた。男は主人公に連続強盗犯の情報があると告げ呼び出す。

 主人公は捜査の一環として男に接触する。しかしそれは罠だった。

 男は自分が刑務所に送られる切っ掛けとなった相手を殺害する。そして、その殺人事件のアリバイと引き換えに、連続強盗犯の情報を主人公に渡すという。

 主人公に選択肢はなかった。彼はその現場に居合わされてしまったからだ。全てが明らかになれば、彼も罪に問われることになる。

 主人公はその取引を渋々受け入れる。そして、その時の情報を元に連続強盗犯を追い詰め出し、出世の階段を上り始める。

 だが、次の不幸が主人公を襲うことになる。

 連続強盗犯のアジトを突き止め、いよいよ踏み込む瞬間になった。その時、主人公の親友が暴走し、警察官に多数の死傷者が出て、犯人を採り逃してしまった。

 親友はこのままでは更迭される。親友はそれを避けるためにあらゆる手を打つ。そして彼は、主人公が殺人事件の現場に居合わせた証拠を掴む。

 彼は自分が捜査の現場に残るために、主人公を失脚させる。そして、上司に取り入り、出世の階段を上り始める。

 主人公は汚職警官として刑務所に送られることになる。そして親友は復讐を恐れ、あらゆる手を使って主人公を封じ込めようとする……。



 主人公の不幸スパイラルっぷりに全身の力が抜けていきます。

 いやあ、よい映画です。

「これは最後の結末はどうしても不幸にしかならないよな」と思っていたら、きちんと納得のいく結末を用意してくれていました。

「Good job!」という感じでした。よい仕事をしています。

 ともかく、逃れようのない不幸の袋小路が凄かったです。

 その場その場で最善手を打っていたら、結果的に逃げられない場所に立っていた。そういった状況がよく分かる話の持っていき方が上手かったです。



 最初に「若干改善した方がよい場所がある」と書いた部分について書いておきます。

 それは、最初の三十分の展開の速さです。

 一切説明がなしに、どんどん話が進んでいくのですが、ちょっと説明不足だと感じました。

 本作は110分なのですが、あと5分伸ばして序盤にもう少し説明的なシーンを入れてもよかったいと思います。

 まあ、意図として、さっさと親友との対立に持って行きたいというのは分かるのですが、ちょっとバタバタしている印象でした。



 しかしまあ、フランス映画っぽくない編集だなと思いながら見ていました。

 冗長なシーンが一切ないです。

 よくできたハリウッド映画的に展開が速いです。

 これは見やすくてよかったです。



 あと、この映画で実は密かに評価している点があります。

 それは登場人物の造形です。

 映画をスピーディーに分かりやすく見せるために必要な工夫がきちんとされています。

 それは、一言で言える特徴をそれぞれの役に割り当てていることです。

 映画は刑事物です。なので、むさい刑事が何人も出てきます。

 そのままでは、誰が誰だか分かりにくくなってしまいます。

 でも、きちんと分かりやすい外見にしているので簡単に見分けが付きます。

 たとえば主人公は「おっさん」、親友は「ヒゲ」、後輩は「坊主頭」、同僚の古株は「老人顔」。こんな感じで、身間違えようのない外見をしています。

 そして、映画の終盤、時間が大きく経った時、その時間経過を表すために、何人かの外見的特長が変わります。

 たとえば親友は「ヒゲ」を剃っています。そして後輩は「坊主頭」をやめ、髪を伸ばしています。

 基本的なところですが、こういった部分をきちんとしていない映画が結構多いので好感を持ちました。外人の顔は、よく分からなくなるので。

 何はともあれ、これは見ておいて損のない映画だなと思いました。
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