ミュージカル「CATS」を、五反田のCATSシアターで七月中旬に見てきました。
というわけで、今回は「CATS」とグルジアの話です。
「CATS」は、前から見に行こうと思っていたのですが、ようやく見に行きました。
1981年にイギリスで初演の作品で、アンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲です。
超々ロングランの作品で、日本でも劇団四季が異常に長い期間ロングラン公演をしています。
今年で25周年だとか。
□Wikipedia - キャッツ (ミュージカル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82...
それで見た感想は二点に集約されます。
・シアター自体が異空間で、その飾り付けの徹底さに、入った瞬間びっくりした。
・話はあってなきがごとし。歌と踊りだけと言ってもいい感じ。話を追わないでよいので、初心者向けの印象。
さて、今回は専用シアターでの鑑賞だったので、そのことについて書こうと思います。
「CATS」のチケットは、劇団四季のサイトで購入できます。だいたい予約は二週間ぐらい前です。
当日券もあるそうなので、直接行きました。
結果、土曜日でも普通に当日券で入れました。
席は基本的に1万円の席が中心で、それ以外の安い値段の席は端の方で数も少なく、玄人が何度も通う場合に使うのかなという印象でした。
私は二階の真ん中から少し左の席でした。
会場は円形劇場で、役者が座席までわらわらやって来るように通路が作られていました。(途中で猫役の人がやって来て、握手してくれたりする)
さらに何よりも驚いたのはその飾り付けです。
劇場全体が「CATC」の世界(猫たちが集まるゴミ捨て場)風に作られており、巨大なゴミオブジェが所狭しと空間を埋めています。これは圧巻でした。
専用劇場というのは、こういうものなのかと驚きました。
ただ、座席の前後の幅は狭く、膝が弱い私は、鑑賞中一切膝が伸ばせないのできつかったです。
また、目が悪い人はオペラグラスを借りた方がいいのかなと思いました。私は左右ともに1.5なので、必要ありませんでしたが。
それと、電飾の線が私の席のちょうど前にあり、これは鑑賞に邪魔だなと思いました。
さて、当日券を早めに購入した後、実際に始まるまで一時間以上暇がありました。
ちょうど昼飯時なので食事でも取ろうと思い、ぶらぶらと歩いていると、白人のおじさんに捕まりました。
「日本初のグルジア料理のお店です。食べ放題です。1000円です」
グルジア料理? そんな面白い物を逃すわけにはいきません。さらに食べ放題です。
店を見ると、基本的にバーで、昼は客寄せのために低価格で食事を提供している雰囲気です。さっそく入って食べました。
□グルジアワイン&ダイニング「ガンバルジョ!」
http://r.gnavi.co.jp/p829000/ というわけで、店員のグルジア人の方との会話でグルジアの知識を少し手に入れました。
・カスピ海ヨーグルトの原産地。
・でも、カスピ海には面していない。(黒海に面している)
・ワイン発祥の地。(店ではグルジアワインを売っている。お持ち帰りも可)
・キリスト教国。(激しく主張していた。トルコの上にあるので勘違いされることが多いらしい)
ついでに、グルジアのWikipedia記事です。
□Wikipedia - グルジア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82... グルジアは最近は戦争で有名になってしまいました。
さて料理でしたが、バイキング形式でした。
中でも面白かったのは、ヨーグルトを使ったスープと、お米を使ったサラダです。
どちらも美味しかったです。
各国の料理を食べ歩いている人は、「CATS」とセットで行くとよさそうだなと思いました。
「CATS」に戻ります。
徹頭徹尾、歌って踊るミュージカルです。後で調べて知ったのですが、ここまで歌い踊り続けるミュージカルは稀なようです。
そして、ストーリーはあってなきがごとしです。いや物の例えではなく、本当にそうです。
ミュージカルは、間の一時間目ぐらいで休憩が入ります。なので、トイレの近い私でも楽でした。
そして、この休憩まで、ほとんどストーリーが進みません。
休憩後にストーリーが進むかと思うと、これまたほとんど進みません。
では、この間何をやっているかというと、猫たちの紹介が延々と続きます。ほぼ全編猫の紹介で構成されています。
最後にちょこっと話は進みますが、基本的に猫の紹介です。
まあ、「猫の紹介」=「歌と踊りの演目」なので、非常に分かりやすい構成と言えば言えます。
この構成の根底には、原作が関わっているようです。
この作品の原作は、T・S・エリオットの詩集「キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法」です。つまり、各猫の「詩」を数珠繋ぎにしてミュージカルにしているのです。
なるほどなあと思いました。
それで面白かったか、面白くなかったかというと、結構面白かったです。
ストーリーではなく、歌と踊りと異空間の非日常体験という楽しみ方です。これは、「ディズニーランド」的な楽しみ方です。
鑑賞の後にプログラム(かなり高価で出費が痛かった)を購入したのですが、時期的に日本で「CATS」が始まった頃と「東京ディズニーランド」がオープンした頃は被っているそうです。
わざわざそういうことを書いているということは、同じような楽しまれ方をするのを意識しているのだろうなと思いました。
専用シアターである利点を活かして、アトラクションっぽい仕掛けが随所に満載でしたので。
そういう意味ではリピーターがいるのは頷けるなと思いました。
さて、ストーリーに書くべきところがあまりないので、役者についてです。
ほぼ等価に配置されている配役ですが、全員で歌って踊ると、どうしても「あの人、上手いね」「あの人、気になるね」と目立つ人が出てきます。
私が見に行った日では、以下の役の人が目立っていました。
・ジェニエニドッツ(高島田 薫)
手足は短いけど、やたら動きがいい。
・ヴィクトリア(宮内 麻衣)
上手い下手ではなく、可愛くて目立っていた。
あとグリザベラ(早水 小夜子)は、さすがに取りで歌うだけあって、非常に歌が上手かったです。
ミュージカルが終わった後はアンコール的に何度も出てきます。
何度も、何度も、何度も、何度も。
ファンサービスは分かるのですが、かなりやり過ぎの感がありました。まあ、リピーターはそれが嬉しいのでしょうが。
あと、全体的にファンサービスが非常に旺盛です。
客席に役者がやって来る仕掛けが多く、座る席によって、どの猫と会えるかが違っていたりして、何度も来たいと思わせるような作りになっています。
また、舞台近くに座っていると、役者にさらわれて舞台に上げられたりします。
本当に、アトラクション的なミュージカルだなと思いました。