映画「ダイ・ハード4.0」のDVDを一月上旬に見ました。
2007年の作品で、監督はレン・ワイズマン、脚本はマーク・ボンバックです。
レン・ワイズマンは「アンダーワールド」(2003)シリーズの人ですね。
映画は面白かったです。ダイ・ハードは3で失速した感じでしたが、4で復活を遂げたという感じでした。
さて、本作は、サイバー・テロを扱った作品です。
デジタルな戦争を仕掛けてきた敵に、“ど”アナログな親父が戦いを挑むという話です。
でもまあ、そのままでは、この敵とジョン・マクレーンは交わりません。
そこに介在するのが、敵に騙されて利用され、すんでのところで命を救われたハッカーです。
つまり、この「ダイ・ハード4.0」はバディ物になっています。
ジョン・マクレーンとハッカー青年のタッグV.S.サイバー・テロリストという構造です。
よくできているなと思ったのは、アクションだけでなく、サイバー物としても楽しめる展開になっていたからです。
よくあるサイバー物だと、交通管制を乗っ取ったり、監視カメラを乗っ取ったり、ネットに繋がっているものを全て自在に扱うという描写止まりです。
実際、どうやってそういったハッキングを行うのかは別にして、これらは定番の描写です。
この映画では、そこから一歩踏み込んだ描写をしています。
まず、この手のサイバー物で一番問題になるのは、「重要なコンピューターやデータは、そもそもネットには(特に、インターネットには)繋がない」という問題です。
この映画では、きちんとその点も考慮に入れていて、サイバー・テロを段階を踏んで進めていきます。
次に、通信手段は一つではないという部分です。
この映画では、この点にも配慮していて、通信がテロリストに封じられるたびに、より古い方法で通信を行うようになっていきます。
ここらへんの描写は、けっこう好みでした。
でもまあ、「ハッキングでそこまでできるか」という問題はあります。しかし、こういったお祭り映画では、ある程度目をつぶるべきだと思います。
というわけで、今回の「サイバー・テロ」ですが、取って付けたものではなく、きちんとそれ自体が楽しめるものになっており、有機的に機能していました。
さて今度はアナログの方です。アナログ野郎ジョン・マクレーンの活躍です。
終盤は「素手で戦闘機と戦うとか、そりゃあ無茶だろう」という部分もありましたが、それ以外は「ダイ・ハード」節で楽しめました。
特に気に入ったのは、車を発射してヘリコプターを打ち落とすシーンです。これぞ「ダイ・ハード」だと思いました。
そして、行き着く暇もなく「バトル」「バトル」「バトル」という感じで、次々と舞台を移しながら戦い続けていました。
しかし、よくもまあ毎回、こんな大事件に巻き込まれるなと思いました。
そして、毎回解決しているのに、一向に出世した気配がないなと思いました。私生活はどん底ですし。
何はともあれ、「ダイ・ハード」復活という感じで、十分以上に楽しめました。
以下、粗筋です。(大きなネタばれはありません。中盤ぐらいまで書いています)
主人公は警察官。彼はFBIの要請で、自分の管区にいる人間を拘束に行く。だが、そこで武装した人間たちの襲撃を受ける。
主人公は、拘束予定だった男を救って、ワシントンD.C.に向かう。助けた男は、ハッカーの青年だった。彼は、依頼を受けて、あるプログラムを開発して納品していた。その口封じのために殺されそうになったのだ。
全米で、似たようなハッカー殺しが起こっていた。大規模なサイバー・テロを仕掛けるために、誰かが多数の人間に仕事を分割して依頼を行っていたのだ。
そのテロリストは、FBIにも侵入を成功させていた。そして、主人公とハッカーの青年がワシントンに到着した時、大規模なサイバー・テロが始まった。
そのどさくさのせいで、重要情報を持っているハッカーの青年は相手にされない。主人公は彼を車に乗せ、FBIに支持された場所へと護送する。しかし、その途中でテロリストたちに襲撃された。手掛かりを持っているハッカーを殺すためだ。
その攻撃を主人公はことごとく迎撃する。彼はFBIに連絡を取ろうとする。しかし、通信手段は全て遮断されていた。主人公はハッカーの青年とともに、敵の先回りをしようとする。
だが、敵もその動きを察知していた。主人公の娘を人質に取り、彼を脅迫しようとする……。
映画の途中で、敵の宣戦布告として、「歴代大統領の演説を繋ぎ合わせて台詞をしゃべらせる映像」が出てきます。けっこう面白かったです。
あと、どうでもいいですが、この映画は実家で父親と一緒に見ました。
ハッカーの青年が、キーボード付きの携帯デバイスを使うのですが、父親が私のAndroidマシンを見ながら、似ていると言っていました。あまり似ていないのですが、見慣れない人には全部同じに見えるのでしょう。
あと、終盤、ジョン・マクレーンの娘の活躍がなかなかよかったです。基本縛られているだけなのですが、機転を利かせたり、さすがに親父の娘だなと思いました。