2008年の読書のまとめ5月分です。
星による評価の基準については前述の通りです。
● 2008年05月(4冊/計16冊)
■ 13 わかりやすい養豚場実用ハンドブック—豚と養豚を知ろう(伊東 正吾)(★★☆☆☆)
養豚業者向けの実務をまとめた本。
興味深かったのは、非常に理系寄りな内容だったことです。そりゃあ、よく考えないでも農学は理系です。基本的に生物学の話が多いのですが、換気のところではエントロピーの計算式が出てきたりと、かなり学際的です。
また、精液の購入コストなど、どういったものがどれぐらいの値段かも書いてあります。巻末は、業者の広告も入っています。その内、育成ゲームとして、養豚物でも作ってみたいです。経営シミュレーションにもなりますし。
■ 19 ミステリ百科事典(間 羊太郎)★★★★☆ 古いミステリーのトリックなどを解説した本。ネタとして面白い以前に、文章と周辺薀蓄が楽しい本。読み物としてよくできています。
唯一の欠点は、この本でネタを読んで、大本の小説を読んだ気になってしまうところです。その内、作品によっては原典をたどらないといけないなと思いました。
■ 22 人獣細工(小林 泰三)(★★☆☆☆)
表題の人獣細工は面白かったのですが、それ以外はあまり面白くありませんでした。
あと、表題の小説の説明部分が、同時期に読んだ資料本を、かなり近い形で引いているのが気になりました。その部分だけ、文章がちょっと浮いているように見えましたし。
■ 24 驚異のクローン豚が人類を救う!?—21世紀の画期的医療、異種移植の最前線をゆく(ジェニー ブライアン)(★★☆☆☆)
人間と豚での異種移植の資料本。日本で出ている資料本の内、一般向けで参考になりそうなのは片手で数えるほどしかなく、その内の一冊です。
この本と次の本とで共通していることですが、移植を待っている人たちの絶望的な状況と精神状態は、読んでいる内にだいぶ当てられます。結構ヘビーです。