2008年の読書のまとめ9月分です。
星による評価の基準については前述の通りです。
● 2008年09月(18冊/計60冊)
■ 03 集合知プログラミング(Toby Segaran)(★★☆☆☆)
最近の、ネットの集合知系のサービスに使われる様々なアルゴリズムを解説した本。
各種本屋でも平積みされていたので、結構売れているのだと思います。
Amazonなどのような「お薦め」商品を検出するアルゴリズムや、メールのスパムフィルター、人工知能など、キャッチーな内容がソースコード付きで掲載されています。
どんな道具があるのか知っておくという意味で、有用な一冊だと思いました。
■ 06 マルドゥック・ヴェロシティ 2(冲方 丁)★★★★☆ 3巻でまとめて感想。
■ 07 図解 とってもやさしい株入門(藤野 英人)(★★★☆☆)
株のお勉強をしようと思い、この時期まとめて本を読みました。その後、大暴落が始まったわけですが。
手を出す前に、暴落が始まってくれてよかったです。タイミングを間違うと大損こくところでしたので。
新しい知識を入れる時には、初心者向けの本を何冊か読むようにしています。著者の立ち位置によって、書いてある内容がちょっとずつ違いますので。
というわけで、その一冊目です。図解系の本は、内容が厳選してあるので、こういった用途に向いています。
■ 08 ど素人がはじめる株の本 増補改訂版(「ど素人の株日記」管理人なべ)(★★☆☆☆)
実際にやっている人の書いた本。だいぶ偏っているのではないかと思いますが、プレイヤーがどういった思考パターンになるのかなどが透けて見えて、興味深かったです。
■ 10 マルドゥック・ヴェロシティ 3(冲方 丁)★★★★★ 一巻は面白くなかったのですが、どんどん加速していき、最後は目の前が真っ白になるぐらい開けていく体験ができました。
まさにvelocity(速度)を感じる内容でした。最終的には、非常に面白かったです。
個人的に受けた印象を言葉にすると「解体」です。重装備のマシンを突っ走らせている内に、どんどんパーツが落ちていってまっさらな状態になる。
ごてごてした世界の中で、重量感溢れる主人公が突き進むことで、そういった虚無感を伴う「解体」の爽快感を味わわせてくれる本だと思いました。
■ 11 東大生が書いたやさしい株の教科書(東京大学Agents)(★☆☆☆☆)
会話風に仕立てて書いてあるのですが、そのギャグがあまり面白くなく、ちょっとなあと思いました。
また、冗長になっているせいで、情報密度が薄く、先に二冊読んだ後なのであまり役に立ちませんでした。
■ 12 株式自動売買ソフトウェア 株ロボを作ろう! SDK2.0対応(鳥海 不二夫)(★★★☆☆)
マネックスの「株ロボ・コンテスト」用のプログラムの作り方を解説した本。実際の取引はできません。あくまで仮想用です。
数値データとして、どういった部分に注目すればよいかが分かり、普通の株の解説書よりも、株の解説書になっているなと思いました。
株ロボ・コンテストですが、レギュレーションとして、判断は株関連の数値データのみから行うようになっています。つまり外部からデータを取ってこれないのです。ニュースなどを引用して文字情報を解析したりできません。
また、メモリー量やCPU時間に制限があるので、あまり重い計算はできません。このメモリー量やCPU時間は公表されていません。そのため、ぎりぎりの性能を出そうと思うと、トライ&エラーになりそうで大変だなと思いました。
■ 13 コンピュータトレーディング入門(高橋謙吾)(★★☆☆☆)
プログラムでの株取引の参考に購入。
■ 13 自動売買ロボット作成マニュアル~エクセルで理想のシステムトレード(森田佳佑)(★★☆☆☆)
プログラムでの株取引の参考に購入。
プログラムでの株取引に手を出す前に、株の暴落が起こりました。
プログラム系は、安定している時には有用ですが、不安定期には向いていない(想定外の挙動に弱い)ので、今は避けた方がよさそうだと思いました。
■ 14 デイトレード大学—トレーディングで生活する!基礎からプロのテクニック (岡本 治郎)(★★☆☆☆)
株のお勉強。デイトレードをやっている人の本。デイトレード自体はやるつもりはないですが、参考までに押さえておきました。
■ 14 図解雑学 社会心理学(井上 隆二; 山下 富美代)(★★☆☆☆)
株は、集団心理の反映なので、社会心理学の方面から動きを押さえておこうと思い、読みました。数値に出ない部分をカバーしておく必要がありますので。
■ 14 複雑さに挑む社会心理学—適応エージェントとしての人間(亀田 達也)(★★☆☆☆)
株の予測を、エージェント・モデルで行えないかというアプローチで購入。
■ 14 マンガでわかるフーリエ解析(トレンドプロ)(★★☆☆☆)
波形の成分解析を行うフーリエ解析。まずはこの本で基本を押さえた後、ネットでウェーブレットなど、様々な解析手法を調べて、波形を分解する方法を調査。
株価の上下動を、短期的にいくつかの波形に分解できないかというアプローチでお勉強。正確な意味では無理なんじゃと思いましたが、やっている人はいそうです。あと、営業トーク的な売りとしてはアリだなと思いました。
■ 15 種の起原〈上〉(チャールズ ダーウィン)(★★★☆☆)
下巻でまとめて感想を書きます。
■ 15 ローマ人の物語 32 迷走する帝国[上](塩野 七生)(★★☆☆☆)
下巻でまとめて感想を書きます。
■ 17 ローマ人の物語 33 迷走する帝国[中](塩野 七生)(★★☆☆☆)
下巻でまとめて感想を書きます。
■ 22 ローマ人の物語 34 迷走する帝国[下](塩野 七生)(★★☆☆☆)
早く、文庫を最後まで出して下さい。お願いします。ええもう本当に。
■ 23 種の起原〈下〉(チャールズ ダーウィン)(★★★☆☆)
生物学部出身だし、一度は読んでおこうと思って読みました。ドーキンスやグールドの本に、やたら「ダーウィン・リスペクト」が書いてありましたので。
「種の起源」は、「ダーウィンが書こうと思っていた大論文の抄訳」だそうです。
そして、読むまで知らなかったのですが、全ての言説に、当時の論文をそれぞれ論拠に上げて根拠を示しています。また、論文がない部分は、自分で実験をしてその結果を付しています。
あと、この本は1859年の本です。つまり、まだほんの150年前です。そんな最近の人だったのかと、改めてびっくりしました。
今年は出版150年目なので、どこかの博物館でダーウィン展とかありそうですね。また今年は、ダーウィン生誕200年でもあるそうです。
この本は、初版を底本にして翻訳されています。「種の起源」は、何度も版を重ねています。その理由は、反論に対する反論の章を加えるためだったようです。
読んだ後の感想がいくつかあります。
・当時、ダーウィンだけでなく、こういった進化論的な考え方をする人がぽつぽつと出始めていた。
なので、抄訳で出版を急いだそうです。
・大反論するような内容には思えない。
現在の視点から見れば、ひどく公平な内容なので、目くじらを立てるような部分があるようには思えない。
猿から進化したという話も、そういえばどこかに書いてあったかもしれないけど、特にそういったことを強く書いている部分はなかったよなという程度でした。
・ひどく丁寧。
前提のための前提のための前提……といった感じで、話が非常に丁寧。言いたいことは少しだけど、それを言うために1000ページぐらい費やしているような感じでした。
個人的には面白かったですが、今読んで面白いタイプの本ではないと思いました。読み物ではないですので。
主に、研究者向けの本という感じでした。