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2009年07月22日 15:19:55
 演劇、「夢の中に君がいる」を五月末に見てきました。

 「劇団ピンク校舎」の演劇です。「劇団ピンク校舎」名義になってからは、二回目の公演になります。この劇団は、一年に約一回、公演を行っています。

 なぜこの演劇を見に行ったかというと、友人のryota氏が出演しているからです。「劇団ピンク校舎」名義になる前から、毎回見に行っています。

 ryota氏は、いつの間にか、肩書きがプロデューサーになってました。何だか偉そうな肩書きですが、ボスというわけではないそうです。

 前回同様、今回も、はやわか氏と一緒に見に行きました。ryota氏もはやわか氏も、高校が一緒の友人です。今も会って遊んでいます。ぐだぐだ飲んで、ゲームをしたり、DVDを見たりしています。

 というわけで、だいぶ時間差になってしまいましたが、演劇の感想を書きます。



 まず、ryota氏出演のこれまでの演劇との最大の違いは、「椅子がきちんとしたものになっていた」ことです。

「えー、内容じゃないのかよ?」と思うかもしれませんが、「椅子がきちんとしたものになる」ということは、「箱の予算が増えた」ということを意味します。

 前回、あまりにもぎゅうぎゅう詰めで、板の上に座るような状態だったので「さすがにそろそろ大きな場所じゃないと駄目なんじゃ?」という話をしていました。

「次はレベルアップする」という話だったのですが、見事実現していました。素晴らしい。

 演劇は毎回二時間ぐらいあるので、椅子がきちんとしていないと、それだけで疲労してしまいます。なので、こういったことは、本当に大切だと思います。

 映画でも、同じ映画を見るなら、いい映画館に行きたいと思います。

 今回は、小劇場系では、トップクラスのところを借りたということでした。

 席数的には、130ぐらいかなという感じでした。

 これが、今回一番よかった点です。



 さて、演劇自体の感想です。

 前回の公演と比べて、よいところもあれば、悪いところもありました。

 全体としては、面白かったです。やはり、生で、肉体を持った役者が目の前で動いているのは、それだけで満足感が違います。

 また、ryota氏が出演している演劇は、毎回きちんとしたストーリーがある演劇なので、安心して見られます。

 前衛系とか、実験系とか、パロディ系とかではない、普通の人が、普通に見られる演劇です。

 これは、ありがたいです。演劇マニアではないので、毛色が変わっているものではなく、王道のものを見たいですので。



 というわけでは、まずは、よいところについて書きます。



● 演技の練度が上がった

 前回は、誰が何回ミスをしたのか、指折数えていたのですが、今回はそういったことは必要なく、全体で一回か二回ぐらいしか「うん?」と思うところがなかったです。

 後でryota氏に聞いたところ、私達が見た回は出来がよかったということでした。

 生ものなので、そういった当たり外れはあるようでした。



 次は、問題だと思ったところです。



● 話は前の方が面白かった

 前回は、外部の人に脚本を依頼したらしく、脚本の質的には前回の方がよかったです。

 脚本について、どこが問題だと感じたかは、後で詳しく書きます。

 前回との一番大きな違いは、前回は、メイン・キャストと脇役に「重みの差」を付けていたのに対して、今回はほぼ全ての役者を「同列に扱っていた」ことです。

 作品は、二時間強で、役者は十五人もいます。なので、出演者を並列に扱うと、どうしてもメリハリのない話になってしまいます。

 ただ、「演劇」なので、拘束時間は全ての役者でほぼ同じはずです。なので、そこに明確な重み付けがあると、演じる人たちに不公平感が出るのは分かります。

 そのため、役者の気持ちを考慮して、そうなっているんだろうなと思いました。



 以下、脚本について感じた点について書いきます。

 まず、先ほども書きましたが、並列群像劇であるために、メリハリが乏しい話になっています。

 十五人を二時間で並列に扱うのは、さすがに無理があります。

 もし十五人に同じレベルで役を与えるなら、もう少し明確なグループ分けをして、対立構造を前面に出すなりしないと厳しいと思いました。

 今回の脚本は、人間関係が「グループ」ベースというよりは「ネットワーク」ベースで、何人かの中心人物から放射状に人間関係が広がりながら、リンクが貼られるという構造になっていました。

 なので「複数人」を「一人」として扱うことができません。

 そのため、緩いグループはあるものの、役者が入れ替わり立ち代り舞台に立ち、小さな話を細切れに演じるという構造になっていました。

 結果として、中盤は、中だるみをしていました。

 ここらへんは、もっと大胆にブロック分けをして、リンクを切ってしまった方がいいと思いました。

 二時間の話にしては、台詞が多すぎて、シーンも多すぎでしたので。



 先ほど、中だるみということを書きましたが、それにはもう一つ理由があります。

 それは、舞台の「時間軸の枠組み」がシステム化されていないことです。

 物語は、殺人事件が起こり、その容疑者が事件現場近くの政治家の屋敷に留め置かれるという、「緩い密室群像劇」になっています。

 こういった舞台設定ならば、「日付が変わる」という部分に、物語の時間軸の枠組みがあることが、無意識のうちに期待されます。

 この、観客と演者の間の暗黙の了解が、完全に無視されていました。

 あっけなく日が進み、日が進むことで物語が動かない。

 これは、固定時間で行うエンターテインメントの演出としては、少し問題があると感じました。

 最初私は、「日が変わるまで」の話か、「日が進むごとに段階が進む」話になるのだろうなと期待していました。

 しかし、「日付の変更」に物語的な意味がなく、せっかくの枠組みが活用されていませんでした。

 これは、正統的な演出なら、日の変わる前に、翌日に対するフックを用意して、翌日の冒頭で事件を起こす。そして、タイムリミットに向けて話が進んでいく。そういった仕掛けが用意されてしかるべきところです。

 それがスルーされていたので、もったいないと思いました。

 期待が裏切られて二日目が淡々と始まった時に、「わっ、このままメリハリがなく、先に進むのか!」と正直思ってしまいましたので。



 最後にもう一つ。これは、この作品を「怪異」や「ファンタジー」の作品と見た場合に、足りないと思った部分です。

「現実世界の中に、何か不思議なことが起こり、それが複数回連続して起こる場合、一つの物語の中で共通のルールが必要になる」

 そういった部分がありませんでした。

「幽霊が憑依して現れる」というギミックが、劇中何度かあるのですが、そこに共通のルールがありません。

 その直前に「風が吹く」という演出があるのですが、この風自体が既に怪異なので、怪異の出現のルールとしては弱いです。

 生きている人たちが何かをするとか、あるキーワードを口にするとか、そういった部分があればよかったと思います。

 並列群像劇なので、それぞれの人たちがその幽霊を呼び出しているけど、観客以外は情報共有できていないので理由が最後まで分からない──。

 そういった仕掛けがあって、観客だけが優越感を持つ。

 そんな仕掛けを入れてもよかっただろうと思いました。



 あと、今から書くことは脚本の問題ではなく、単に好みの問題なので、欠点ではないです。

 劇中、何度か子供の遊び(「だるまさんが転んだ」とか)が出てきて、登場人物たちがその遊びをやるというシーンがありました。

 ちょっと恥ずかしかったです。これは好みの問題ですが。

 人間はなぜ、「大人が童心に返って何かをやる」という演技を見ると、面映い思いをするのでしょうか?

 謎です。

 私はちょっと辛かったです。私が、汚れた大人なのかも、しれませんが。



 次に、配役について感じたことです。

 女性の役者は化粧や服装で化けられるからいいとして、男性の役者は、見た目と同じキャラばかり振られているなと思いました。

 年に一回しか公演がないために、「意外な配役」をすることのメリットがあまりなく、逆にデメリットの方が大きいために、たぶん「見た目中心」に役が決まっていて、同じ役者さんが、同じような役ばかりやっています。

 これは解決しない問題なんだろうなと思います。

 何年も見に行っている、私だけの問題だと思いますし。

 でも、そこらへんはだいぶ気になりました。

 特に、ryota氏と、神経質そうな髪の薄い痩せ型の人と、主役の人は、毎回同じような役をしているのを私が覚えてしまっているので、「まただ」とどうしても思ってしまいます。

 まあ、仕方がないところだと思いますが。



 以下、粗筋です(セットアップだけです。全部書くと、十五人分の話を書かないといけなくなりますので)。

 主人公は政治家の息子。彼は警察に所属しており、他の政治家の娘と婚約中である。

 彼は父親と仲たがいしており、その地盤を継いで、二世議員になることを快く思っていない。

 そして、父の引退が近付くにつれ、講演会の人たちに神輿としてかつがれそうになっている。

 そんな政治家一家の屋敷の近くで女性が死んだ。死んだのは、主人公と昔恋仲であることが噂されていた人間だ。彼女の死は不審な点が多く、殺人事件の可能性が高かった。

 そして、その日、主人公の家に、かつての友人達が集まっていた。主人公の立候補パーティーの招待状をもらったからというのが理由だ。しかし、主人公は、そんな招待状を出してはいなかった。

 主人公と友人達は、政治家の家に留め置かれることになる。彼らは、客であり、容疑者であった。

 その事件を担当することになったのは、主人公の先輩にあたる刑事だった。彼は上昇志向が強く、主人公の父である政治家に気に入られようとしていた。

 政治家は、マスコミにあらぬ噂を立てられないように、慎重に情報を隠蔽しながら捜査を進めるようにと指示を出す。

 刑事は、外部の容疑者として、死んだ女性の夫を屋敷に呼ぶ。その男性の母親や、女性の母親も現場に現れる。死んだ女性と夫の仲は悪く、暴力が絶えない夫婦関係だったことが明らかになる。

 友人たちの間では、死んだ女性は、明るく美人な女性として評判だった。彼女にいったい何が起こったのか? 主人公も友人たちも分からなかった。

 そして屋敷の庭に集まった一同の前で、驚くべき現象が起こった。突如、友人の一人が気を失い、殺された女性に憑依されたのだ。だが、彼女は犯人について一言も言わずに消えてしまった。

 それから、数日かけて、犯人探しと、女性の過去を探るやり取りが始まる……。



 以下、演劇とは直接関係のない周辺物に対する感想です。

 まずはパンフレット。写真ではなく、各俳優のイラストが入っていて変わっていました。

 欲を言うなら、写真も横につけておいてくれると、ありがたかったです。「ryota氏はこんなに爽やかではない!」と思いました。何せ、美化し過ぎでしたので。

 まあ、イラストなので、美化して当然なのですが。

 あと、ryota氏は、紹介文のところに、仕事を書かないといけないよなと思いました。まあ、いろいろと事情があるのでしょうが。



 次に、入り口のカウンターで売っていた記念品です。

 ストラップが売っていました。

 でも、私もはやわか氏も、ストラップはいらないので、購入しませんでした。実用物系は、必要がないと、なかなか購入できません。

 個人的には、ストラップよりは、映画のプログラムのような小冊子が売っていた方がいいのになと思いました。

 今回の演劇に関する資料とか、作り手側の考えとか、役者の紹介とか、そういったものだったら金を出すのに。

 基本的に映画やミュージカルなどに行くと、必ずそういったものを購入する人間なので。

 白黒のオフセット印刷で安く作れると思うので、そういった資料性があるものがあるといいなと思いました。

 具体的には、以下のようなものが載っていれば欲しいです。

・公演の日付と時間テーブル(後で情報を参照できる資料)。
・公演までの練習スケジュールや、各段階で何をしたかの記録。
・各俳優の略歴。
・演者以外のスタッフの構成と人数。重要な人は略歴。
・舞台の見取り図。もしくは写真資料。
・作者の製作意図や、設計、演出方針、参考資料。
・演者の感想。
・その他、演劇に携わらない人が分からない情報や数字。

 今後、用意されればいいなと思いました。
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