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2009年10月19日 01:00:58
ミトン
 映画「ミトン」のDVDを七月下旬に見ました。

 1967年のソ連の人形アニメ映画で、監督はロマン・カチャーノフ、脚本はジャンナ・ヴィッテンゾンです。

 端的に言うと、「チェブラーシカ」(1969)の監督の人形アニメ作品です。

 十分しかない短い作品で、DVDにはこれ以外に二つの短編も入っていました。こちらの情報も書いておきます。

・「ママ」(1972)監督:ロマン・カチャーノフ。脚本:セルゲイ・ミハルコフ。

・「レター」(1970)監督:ロマン・カチャーノフ。脚本:ジャンナ・ヴィッテンゾン。

 「ミトン」は非常に出来がよくて面白かったですが、他の二編は面白くなかったです。



● ミトン

 犬が欲しい女の子が、母親に駄目と言われ、手袋を犬代わりに引きずっていたら、手袋が犬になって……という話。

 話がよくできていて、キャラが非常にかわいいというのがあるのですが、何よりも「アニメーションであることの意味」が非常にある作品。

「手袋が犬になって動き回る」というのが、人形アニメだからこそのかわいさで、存分に表現されています。

 非常によかったです。

 また、「チェブラーシカ」を見た時に、「話が弱く、かなり不条理な物語を作る人だな」と思ったのですが、この作品ではそういった部分がなく、物語も非常によかったです。

 「チェブラーシカ」の脚本は、原作者のエドゥアルド・ウスペンスキーと、監督のロマン・カチャーノフでした。

 監督本人は、物語を書くのはあまり得意ではないのかなと思いました。



● ミトンのキャラのかわいさ

 しかしまあ、この映画の女の子と犬のかわいさは異常でした。

 何が凄いって、仕草です。女の子の歩く姿や、立ち止まる仕草や、そのいちいちが、ともかくかわいいです。

 足の角度とか、首の曲げ方とか、かなりぐっと来ました。

 3Dアニメとかで、萌えが必要な人は、押さえておかないといけない作品の一つだよなと思いました。



● ママ

 物不足のソ連で、母親が買い物に行って、ずっと並んでいるあいだの、家の子供の話。

 実はけっこう重い話だよなと思いました。この監督の人形アニメなので、暗さや重さはないですが。



● レター

 戦地に行っているお父さんからの手紙を、母親と子供が待つというお話。

 リアルで描くとけっこう重い話のはずなのですが、「ママ」と同じで、人形アニメなので暗さや重さはかなり減じられていました。



● まとめ

 このDVDは、「ミトン」のためだけのものだよなと思いました。

 でもまあ、それだけだと十分間しかないので、他の短編も加えて、どうにか三十分にして、売り物の体裁をしているという感じです。まあ、残り二本は完全におまけですが。

「ミトン」だけでも価値のあるものなので、欲しい人は買うだろうと感じました。
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