2009年11月20日 13:18:30
映画「ペイルライダー」のDVDを、九月上旬に見ました。
1985年の映画で、監督・主演はクリント・イーストウッド、脚本はマイケル・バトラーとデニス・シュリアックです。
脚本家の二人は、同じくイーストウッドが監督・主演をしている「ガントレット」(1977)の脚本家です。
● イーストウッドの西部劇
時期的には、「ダーティハリー4」(1983)と、「ダーティハリー5」(1988)の間ぐらいになります。
内容は西部劇です。イーストウッドで西部劇と言うと、「許されざる者」(1992)を思い出してしまうのですが、この作品は、その七年前に当たります。
この「ペイルライダー」に関しては、普通にテレビで見て面白い作品だけど、名作、傑作といった類の映画ではありませんでした。
なんというか、マイナス点は特にないけど、特筆すべき点も特にないという感じでした。
きっちりと構成されており、手堅く作られた作品という印象でした。
● 十四歳に告白されるイーストウッド
どうでもよい映画の楽しみ方です。
宮崎駿の映画を見るときに、少女の描き方に注意して見るように、イーストウッドの映画を見るときに、ロリコン的な女性の描き方に注意して見るのは、ある意味正しい見方だと思います。
特に、この映画は、イーストウッドが製作・監督ですので。
というわけで、この映画では、主人公のイーストウッドが、十四歳の女の子に、愛の告白をされるシーンがありました。
うん、これは、重要だ。
映画を斜めに見ない人にはどうでもよい情報ですが、個人的には「さすがイーストウッド」と思い、思わず笑みを浮かべてしまいました。
● 牧師であり、ガンマン
キャラクターを造形する際に、相反する要素を与えるのは重要なことだと思います。
この映画では、主人公は牧師であり、凄腕のガンマンです。
その背景については特に語られないのですが、彼は「ガンマンの自分」を封印しています。
この映画のキャラクターが、特によく出来ているというわけではないのですが、こういった基本を押さえる作り方は重要だと思いました。
● 金鉱
映画では、敵の実力者が、金に物を言わせた金の採掘を行います。
具体的にどうするかというと、ダイナマイトで崖を破壊し、ホースで水を噴きつけ、一気に水で流します。
甚だしく環境破壊をする方法ですが、効率はよさそうでした。
実際、環境破壊が大きいという理由で、この採掘法が行政で禁止されそうになり、敵の実力者は強硬手段に打って出ます。
鉱山系は、効率を求めると、周りの環境への影響は、大きくならざるを得ないなと思いました。
● 粗筋
以下、粗筋です(ネタバレあり。最後まで書いています)。
主人公は、ある金鉱の村にやってくる。そこで、リンチを受けている一人の男を助ける。
男は、金鉱を牛耳る実力者に目をつけられていた。男は、共同生活を送る金鉱掘りのリーダー格で、実力者と対立していた。
助けられた男は、主人公を共同体に連れて行く。そこで、男と仲のよい女性は、暴力沙汰を起こす余所者と関係を持たない方がよいと言う。だが、主人公が牧師であることを知り、留まることを認める。
共同体の男と、実力者の対立は続いていた。実力者は、金に物を言わせた方法で採掘をしていた。実力者は、共同体の男が持つ採掘権を狙っていた。
実力者は、腕の立つ主人公を追い払うために人を送る。しかし、いいようにあしらわれる。そこで実力者は、金はかかるが凄腕の連邦保安官を呼んでくる。
連邦保安官は、主人公の話を聞き、どうやら知っているような素振りを見せる。
主人公は、連邦保安官の話を聞き、こっそりと共同体を後にして街に行き、牧師のカラーを外して、銀行の貸金庫に預けていた銃を手に取る。
主人公は村に戻ってくる。しかし、既に犠牲者は出ていた。主人公は連邦保安官の手下たちを次々と殺し、連邦保安官と一騎打ちする。そして、連邦保安官を倒し、共同体の仲間たちに惜しまれながら、その村を後にする。