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2010年01月18日 14:59:00
イレイザーヘッド
 映画「イレイザーヘッド」のDVDを十一月中旬に見ました。

 1977年の白黒映画で、監督・脚本はデヴィッド・リンチです。

 同監督の、長編デビュー作でもあります。



● 不気味でシュールな映像

 この映画の最大の特徴は、「不気味でシュールな映像」これに尽きると思います。

 冒頭に出てくる、なんだか壮大な宇宙的な映像。そして、途中から出てくる、ぬるぬるした奇形の赤ん坊。

 出てくる登場人物の言動や行動の奇怪さも含めて、不気味でシュールな映画になっています。

 その中で、唯一冷静で普通に振舞っているように見える主人公も、映画の終盤になると数奇な運命をたどり、よく分からない存在になっていきます。

 この話を、理路整然と説明しろと言われてもちょっと無理で、解釈の幅がかなり残されています。

 たぶん、粗筋を書くと、人によって微妙に内容が変わってきそうな、そんなイメージの積み重ねで作られた映画です。

 何というか、他人が真似するのが難しいようなセンスで、真似しようと思うかどうかも謎だよなと思う感じでした。

 ただ、この人の作る映像の、イメージの喚起力は強烈です。そこは、素直に凄いと思いますが、私が映画に求めているものとは方向性が違うなと思いました。私が映画に求めているのは物語なので。



● 体液ぶじゅるる系

 映像は、基本的に体液ぶじゅるる系です。

 汁が「ぶじゅるるる〜」と溢れ出る感じです。そして、てらてらと光っています。基本的に、気持ち悪いです。

 しかし、気持ち悪いのは映像だけではないです。人間の台詞や動きも気持ち悪いものが多いです。

 主人公の奥さんになる人の家族が、全員気持ち悪いです。なんだかみんな、精神のピントがずれている感じです。まともなコミュニケーションが取れない雰囲気です。

 こういった気持ち悪さの演出が、この監督は上手いなと思いました。



● 奇形の赤ん坊

「どうやって撮ったか分からない」と評判の奇形の赤ん坊ですが、確かに謎でした。

 何かの生き物の胎児を利用したようにも見えますが、製作の長さ(五年の歳月をかけて完成)から考えて、生ものではなさそうな気もします。

 本人が種明かしをしていないので答えは分かりませんが、本当に謎です。そして、生理的に気持ち悪いです。

 こういった、強烈なビジュアルの何かを見つけたり、作ったりすることができれば、それだけで一本映画を引っ張れるんだなと思いました。実際は、「それだけ」ではないのですが、そう思わせる力がありました。



● 思い出した映画

 この映画を見ている途中で思い出したのは、オーソン・ウェルズの「審判」(1963年)です。

 話が似ているとかではなく、映像への強烈なこだわりが、デジャブのように重なりました。

 実際は、関係はなさそうですが、私の中では、かなりイメージが喚起されました。



● 粗筋

 以下、粗筋です。

 主人公は、印刷工。彼には恋人がいて、ある日、彼女の家に招かれる。その家で、主人公は、彼女とその家族から告白をされる。その告白の内容は、奇妙な奇形の赤ん坊が生まれたということだった。

 主人公は彼女と結婚して、二人で暮らし始める。だが、彼女は育児に疲れて家を出て行く。そして、主人公は一人で赤ん坊を育て始める。

 そんな彼の許に、隣人の女がやって来て、肉体関係に及ぶ。その後、主人公の精神は病み始め、赤ん坊を殺し、不可思議な世界へと入り込んでいく。



● その他

 以下、個人的な感想です。

 凄い奇妙な赤ん坊なのに、主人公が別に気にせず、普通に振舞っているのが凄いなと思いました。明らかにちゃんと成長しなさそうだし、もし成長しても社会に入れなさそうなのに。

 女性にとって子供は、ある意味無条件で「欲しい」と思う存在なのかもしれません。しかし、男性にとって子供は、ある意味恐怖の対象です。

 なぜならば、自分の人生を邪魔する足かせになる可能性が高いから。

 でもこの映画では、女性が赤ん坊を捨てて逃げて、男性が赤ん坊を育てます。そこに、奇妙なねじれを感じました。

 まあ、全てがいびつに歪んでいる映画なので、それがねじれなのか、何なのか、明確には分からないのですが。

 男性にとって、赤ん坊というのは、このイレイザーヘッドの赤ん坊のような部分が、どこかにあるのではないかと感じました。
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