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2010年02月12日 22:31:14
ブルベイカー
 映画「ブルベイカー」のDVDを、一月上旬に見ました。

 1980年の映画で、監督はスチュアート・ローゼンバーグ、原作はトーマス・O・マートン他、脚本はW・D・リクターです。また、主演はロバート・レッドフォードになります。

 この映画は実話物で、主人公はブルベイカーという正義感溢れる男です。

 監督のスチュアート・ローゼンバーグは、ポール・ニューマン主演の「暴力脱獄」(1967年)を撮っています。そして、この「ブルベイカー」も、同じ刑務所物になります。




 この映画は冒頭で、いきなり驚かせる逆転劇があります。

 そのため、感想を書くと、感想自体がネタバレになります。

 というわけで、一切のネタバレが嫌いな人は、以後の感想を読まないでください。

 また今回は、粗筋なしで、映画の進行に沿った感想を書いていこうと思います。




● 最初の逆転劇

 というわけでこの映画は、冒頭でいきなり逆転劇があります。

 映画が始まったところで、ロバート・レッドフォード演じる主人公は刑務所に入所します。そして新米受刑者として、刑務所内での生活を送ります。

 彼は目立たないようにしながら、ひどい環境の刑務所で、周囲の様子や人間関係を観察します。

 そういった時、独房に捉えられている黒人受刑者の一人が、人質を取って待遇の改善を訴えます。主人公は、その場所にたまたま居合わせます。

 黒人受刑者は「所長を呼んで来い」と言います。

 主人公は「俺がその所長だ。実は、こいつら(刑務所の職員)をかついでいるんだ」とウィンクを送り、待遇の改善を約束します。

 その受け答えに黒人受刑者は大笑いします。ユーモアのある奴だと。

 しかし、主人公はそのまま所長室に行き、所長に向かって首を宣告します。彼は新しく赴任してきた所長で、受刑者の振りをして刑務所に潜り込み、内偵を行っていたのです。

 というわけで、映画の冒頭で、いきなり主人公の立場が180度逆転します。なので、どんな感想を書いても、「ネタバレ」になってしまいます。

 私は映画を見る時に予備知識をまったく入れていなかったので、ここは素直に驚き、感心しました。




● 表の敵と裏の敵

 こうやって所長になったロバート・レッドフォード演じる主人公は、劣悪な環境と不正の温床だった刑務所を改善して、人間的な場所にしようとします。

 しかし、敵は表にも裏にもいます。

 表は、内部で甘い汁を吸っている一部の受刑者たちです。そして、その受刑者たちと結託している地元の経営者たちです。彼らは、刑務所を使い、受刑者たちの労役で多大な利益を上げています。

 裏に当たるのは、市の政治家たちです。彼らも収益構造に関わっており、刑務所の改善が自分たちの不利益に直結するようになっています。そして、刑務所の所長になった主人公に、内外から圧力をかけてきます。

 そういった環境の中、主人公は孤軍奮闘して刑務所をまともな場所にしようとします。

 しかし、そうやって強引な活動を進めていくうちに、死人が出ます。そこから主人公は、刑務所内で連綿と行われていた殺人と死体の隠蔽に気付きます。

 ことは人命にも及んでいることに気付き、主人公は突き進んでいきます。そして、映画は最後の結末を迎えます。




● 敗北と言う名の勝利

 最終的に主人公は罷免されて刑務所から追い出されます。完全な敗北です。そして主人公はうな垂れながら刑務所から去っていきます。

 その彼に向かい、受刑者たちが彼の功績を称える拍手を送ります。そのシーンが感動的でした。

 映画中、ずっと所長のやり方に反対していた受刑者の実力者が「あんたは正しかった」と言い、泣きそうな顔で拍手の音頭を取ります。

 主人公は、敗北の中に、「人の心を変えた」という勝利を握って、その場を離れていきます。

 締めのきれいな映画だなと思いました。よかったです。

 そして、その後の主人公と刑務所の顛末が字幕で説明されます。主人公は、敗北により改善を諦めたわけではなかったことが分ります。彼はその後も戦い続けていたのです。そして、彼は最終的に現状を変えました。




● 主人公の人柄が分る台詞

 映画中、主人公の台詞でちょっと驚き、感心した台詞があります。

 それは、所長になった主人公が、特権を持っている模範囚(つまり受刑者側の貴族的立場の人たち)の扱いについて尋ねられた時に答えた台詞です。

質問者「不正を働いている模範囚たちを、一般囚に戻しますか?」

所長「それは駄目だ。そうすれば、模範囚たちはリンチにあってしまう」

 この人は、単に刑務所を改善しようとしているのではなく、刑務所にいる全ての人々を救おうとしているのだと気付きました。

 この台詞を聞いて、主人公は、不正をしている人間を叩くのが目的ではなく、不正をしている人も、していない人も、正しい道に導こうとしているのだと分りました。

 罪を憎んで、人を憎まずという奴です。

 この覚悟は凄いなと思いました。




● 理想と現実

 この映画のように、世の中は理想と現実は大きく違います。理想では正しいと思っていることでも、現実では行えなかったりします。

 そういった中で、理想を追い、少しでも社会を改善していく人は貴重だと思います。それがすぐに結果に結びつかなくても、それは価値あることだと思います。

 ただ、この映画のように、理想に生きた人は、社会との摩擦でボロボロになります。理想を追うことは難しいなと思いました。
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