2009年の読書のまとめ10月分です。
星による評価の基準については前述の通りです。
● 2009年10月(6冊/計45冊)
■ 04 普及版 世界石油戦争 上(広瀬 隆)
(★★☆☆☆)
■ 17 普及版 世界石油戦争 下(広瀬 隆)
(★★☆☆☆)
系図で全てを読み解こうとする人の本。
ある程度以上の金持ちとか権力者になると、横でみんな繋がっているので、鶏が先か卵が先かみたいなものなので、そこのところはまあ、そんなものだと思います。
とはいえ、中身は有用でした。アラブを中心とした石油産業と植民地の歴史は概観することができました。広範囲に、コンパクトに、かなり詳しく書いてあるので。
ただ、この人の本は読み難いですね。普通、歴史を書く場合は、時間軸で書くか、地域別に書くか、列伝で書くか、それなりの一般的なフォーマットを使うのが普通です。
でもこの人は、「系図で繋がっているから」と、話をポンポンと横滑りさせます。巻末に巨大な系図表がついているのですが、そんなものを見ながら本を読む人はいません。もう少し、表現の仕方を考えた方がよいだろうと思いました。
ただ、アラビア半島を中心とした石油の歴史は知ることができましたので、目的は達することができました。
■ 21 現代語から古語を引く辞典(★★★☆☆)
(編:芹生 公男)
よかったです。辞典なので全部は読めませんので、基本語部分だけ読みました。今後、いろいろと活用していこうと思います。
惜しむらくは、言葉に使用時代が付記されていないことです。古語辞典と行ったり来たりしないといけなかったので。
■ 24 COFFEE LOVERS(★★★☆☆)
(枻出版社)
コーヒーについて色々とまとまったムック本。産地別のページが豊富で勉強になりました。
普段飲んでいるコーヒーの産地がどういった場所かまでは、なかなか調べる機会がなかったので、よかったです。
■ 25 日本の英語教育200年(★★☆☆☆)
(伊村 元道)
江戸時代末期から現代までの、英語教育の変遷をまとめた本。
通詞が英語を習得するところから、学校教育での英語教育の変遷まで、いろいろとまとまっていました。
しかしまあ、昔の人は今の人よりも勉強をよくしていたようですね。頭が下がります。
■ 31 アルザスの言語戦争(★★★☆☆)
(著:ウージェーヌ・フィリップス、訳:宇京 賴三)
フランスとドイツの間にあるアルザス地方が、政治に翻弄されて、言語政策が変わっていく様を淡々と記した本。
スタートはローマ時代からで、なぜこの地域が二重母語地域になったのか、そしてフランス王政時代の政策、その後の中央集権的体制との確執、フランスV.S.ナチス・ドイツなど、激動の歴史でした。
興味がない人にはさっぱり面白くな本だと思いますが、私は非常に楽しめました。