クロノス・クラウン - 記事検索

おすすめ
自作の本やゲーム他を販売
便利なWebアプリが多数
ソフトウェア
めもりーくりーなー Winのメモリーを掃除
Novel Supporter 小説推敲補助ソフト
PCソフト まとめ
Webサービス
Kindle Unlimited マンガまとめ 巻数の多いマンガを集計
ゲームブック
闇の聖杯の儀式 電書のゲームブック
ゲーム
Little Land War... Win向けSRPG
Little Bit War Switch向け高速RTS
TinyWar... 1面数分の8bit風RTS
EX リバーシ 変形盤面、盤面多数
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003LJ92EC/cronuscrown-22
2010年06月01日 16:13:40
マイマイ新子と千年の魔法
 映画「マイマイ新子と千年の魔法」を劇場で、三月の下旬に見ました。

□マイマイ新子と千年の魔法
http://www.mai-mai.jp/

 2009年の映画で、監督・脚本は片渕須直、制作はマッドハウスです。

 面白かったですが、文部省推薦っぽい映画だなと思ったら、「文部科学省特選」となっていました。やっぱり、そうなのですね。



● 子供のむずがゆい伸び伸びさ

 映画は、子供の目線でのストーリー展開をしていきます。主人公は空想好きの田舎の女の子で、都会から来た内気な女の子と友達になります。

 そして男の子たちと、「ダム作り」と「金魚の飼育」を通じて、友情を育みます。しかし、そのよりどころが失われ、仲間がばらばらになる危機が訪れます。その危機に対して、主人公が子供の目線で立ち向かう、というのが話の筋です。

 この主人公の空想の表現が上手かったです。空想好きの女の子というのは、大人の目から見て、得てして痛いものです。

 実際、この映画の主人公も、多少なりとも痛い感じがあるのですが、そういった風には単純にならない仕掛けが施してあります。

 主人公の女の子の空想は、歴史の先生だった祖父が語る、「この土地の歴史的な話」に根ざしています。そのため、単純な空想ではなく、歴史的事実を模倣するバーチャルリアリティになっています。

 そこらへんのバランス感覚が上手いなと思いました。



● 時代背景

 この映画で、よくできていると思うのは、エピソードの周囲を取り巻く世界のリアリティです。

 ちょっとしたエピソードや、背景にも、その時代ならではの事情や空気感が行き届いています。

 この映画は、酒氏としべくん氏と一緒に行ったのですが、映画が終わったあとに「何年の設定か」ということで盛り上がりました。

 この映画の設定は昭和30年(1955年)だそうです。終戦から十年です。朝鮮戦争が1950年〜1953年なので、戦後のどん底を脱して、成長に向かう頃です。

 1955年〜1957年の神武景気で、高度経済成長は開始します。この映画の舞台は、そういった気運が日本に起こりつつある田舎の状況です。

 一番分かりやすいなと思ったのは、主人公が、東京から来た女の子に「テレビって見たことがある?」「一度だけ見たことがあるわ」と答えるシーンです。

 そういった「時代を感じる描写」が非常に多く、興味深かったです。



● 平安時代が少なかった

 個人的には、この映画は「平安時代」を見たいと思って見に行きました。

 映画を見る前に見た文章では、「平安時代の再現が凄い」という記事が多かったからです。

 でも実際には、そういった描写は少なく、肩透かしを食らいました。

 平安時代は、あくまで「主人公と相方の女の子の空想」にしか出てこず、脇の話でした。

 その部分はちょっと残念だったなと思いました。



● 清少納言と清原元輔

 平安時代の描写の少なさはがっかりでしたが、設定は「おおっ」と思いました。

 清原元輔が周防に赴任してきて、その娘である幼き日の清少納言(一説に寄ると諾子(なぎこ))が出てきます。

 清原元輔は、梨壺の五人(「後撰和歌集」の編纂を行った五人)の内の一人です。清少納言はその娘で、言わずと知れた「枕草子」の作者です。

 あとで調べましたが、清原元輔は974年に周防守に赴任して、清少納言は四年を同地で過ごしているそうです。

 こういった、「有名人のあまり知られていないエピソード」を絡めるのは、やり方として上手いなと思いました。

□Wikipedia - 清少納言
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E5%B0%91%E7%B4%8D%E8%A8%80

□Wikipedia - 清原元輔
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E5%8E%9F%E5%85%83%E8%BC%94

□Wikipedia - 周防国
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%A8%E9%98%B2%E5%9B%BD



● 防府

 親戚がいるので、何度も訪れているので、そういった場所だったのかと思いました。

 子供の頃には、こういった背景を知らなかったので、何も考えずに遊びに行っていました。

 今の知識があれば、もっと楽しめるのにと思いました。



● マイマイ

「マイマイ」は、頭のつむじだそうです。つむじのせいで、髪の毛がぴんと立ち、その髪を撫でると空想の世界が見えるという設定です。

 頭のつむじ……。私は、子供の頃から、大小合わせて、つむじが五つぐらいあって、髪を伸ばすと凄い勢いでぴんぴんと跳ねていました。

 おかげで床屋から「君の頭は、きれいに刈るのが難しい」と言われていました。あと、母親から「あんたは、つむじが多いから、つむじ曲がりだ」と言われていました。

 そういった背景もあり、この映画の主人公に、妙に親近感を抱きました。



● 粗筋

 以下、粗筋です(ある程度ネタバレあり。終盤の直前まで書いています)。

 時代は昭和三十年。主人公は、防府に住む小学生の女の子。彼女の祖父は歴史の先生で、彼女はその影響で、防府の町に平安時代の情景を思い浮かべて生活していた。

 ある日、東京から転校生の女の子がやって来る。主人公は彼女と友達になり、空想を共有するようになる。

 彼女たちは、男の子たちのダム作りに加わる。そして、一匹の美しい金魚をそのダムに飼い始める。

 しかし、その金魚は、東京の女の子のミスで死んでしまう。

 子供たちは、金魚を生き返らせようとするが、生き返らない。そして、東京の女の子は塞ぎこんでしまう。

 子供たちは、死んだ金魚そっくりの金魚を探そうとする。そして、みんなで探しに行く約束をする。

 しかしその夜、リーダー格の男子の父親が自殺する。警察官だった彼の父親は、女で身を崩して借金をして死んでしまった。

 明日には、そのことが町中に広まる。そうすれば男の子は町を離れなければならなくなる。主人公は、そんな男の子を誘い出し、金魚を探し、さらに父親の仇を取りに行こうと提案する……。
最新20件 (全て見る)

オススメ電書 (全て見る

動画講座 (全て見る

サイト目次

おすすめ

PCソフト/Webアプリ

ゲーム

マンガ

記事

柳井の同人活動

開発

携帯・スマホ

アナログ・ゲーム

Cronus Crown(クロノス・クラウン)のトップページに戻る
(c)2002-2025 Cronus Crown (c)1997-2025 Masakazu Yanai
ご意見・お問い合わせはサイト情報 弊社への連絡までお願いします
個人情報の取り扱い、利用者情報の外部送信について