映画「シャドー」のDVDを八月上旬に見ました。
1982年のイタリア映画で、監督・脚本はダリオ・アルジェント。主演はアンソニー・フランシオサです。
B級ですが、それなりに楽しめました。
● ダリオ・アルジェント
ホラー映画を見る際には、押さえておかないといけない監督の一人なのですが、実は全くと言っていいほど見ていません。
たぶん、今回が初。「サスペリア」(1977)と「インフェルノ」(1980)ぐらいは見ておかないといけないと思いましたので、この映画を見終わってから、見る映画リストに加えておきました。
● ミステリー小説の作家が殺人事件にまき込まれる
この映画の粗筋は、「ミステリー小説の作家が殺人事件にまき込まれる」というものです。
いちおう、ミステリー仕立てですが、主眼は推理にはなく、ショック描写と、思わせぶりな描写にあります。
推理物としては、あまり密に作っている印象はありません。
途中で、ある人物が怪我を負うのですが、その時点でかなりの割合の観客が、「ああ、そういうカラクリか」と、背景が分かるようになっています。
そういった推理部分よりも、登場人物がどんどん死んでいくところが、この映画の中心です。
そういう意味では、運動などをしながら流し見るぐらいで、ちょうどよい作品だなという印象でした。
● ショッカー作品
実は一番印象に残っているのは、犬に追いかけられているシーンです。その次は、ラストのショッカー・シーンです。あとは、回想シーンです。
話の筋は、まあまあ覚えていますが、それよりも殺人シーンの方が印象深い作品でした。
というわけで、この映画は、どんどん人が殺害されていく部分を楽しむ映画だと思いましまた。
ただ、「どんどん人が殺されていく」のを、映画の序盤から行っていると、話が回りません。
この映画は、序盤は「無関係な人」が殺され、後半以降は「関係者」が殺される(裏で何をやっていたか観客に明かされてから殺される)という構成にして、上手くバランスを取っています。
そしてこの構成が、「推理」部分にも密に絡むようになっています。ここらへんは「なるほどなあ」と思いました。
● 粗筋
以下、粗筋です(小さなネタバレあり。中盤の後半に入ったぐらいまで書いています)。
主人公はミステリー作家。彼はイタリアにやって来る。そこで、彼の作品を模倣した殺人事件が起こる。彼は、その犯人から脅迫を受け、警察に相談する。
主人公は、巻き込まれている内に、その事件を解いて、名声を高めようと考える。主人公はアシスタントの青年と、犯人を突き止める。
だが、主人公は頭を殴られ気絶する。その間に、犯人は殺害される。その現場を、アシスタントの青年だけが見る。
その後、アシスタントの青年も何者かに殺されてしまう。犯人の正体は、主人公だけが知っている状態になる。
犯人は殺されたが、殺人事件はまだ起き続ける。そして、主人公の身近な人間たちが、徐々に殺され始める……。
● 余談
映画の感想を書く際には、最低限、以下のサイトで関連情報をチェックしています。
□Movie Walker(解説の中身はキネマ旬報社)
http://movie.walkerplus.com/□allcinema
http://www.allcinema.net/prog/index2.php□Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/ それぞれ特徴があります。
解説と粗筋のレベルは、キネマ旬報社がダントツで高いです。ただ、スタッフ情報などのデータベースは使い難く、あまり上手くまとまっていません。
allcinemaは、映画情報のデータベースとしての使い勝手や探しやすさはダントツです。ただし、個々の映画の解説は、情報量が少なく、解説者の主観というか好みが強すぎて役に立ちません。
Wikipediaは、人物にフォーカスを当てた場合の情報に強みがあります。作品単体の情報量と精度にはばらつきが大きすぎますが、有名な監督や俳優の情報は、細かなエピソードもあったりして、読み物として楽しめます。
あとは必要に応じてGoogleで、他の作品(他ジャンルの作品も含む)との関係や、前後関係を調べたりしています。
なんで急にこういうことを書いたかと言うと、allcinemaの解説が相変わらず「主観が強いな」と思ったからです。
というわけで、映画には関係ないですけど、少し書きました。