映画「スターマン 愛・宇宙はるかに」のDVDを、十月下旬に見ました。
1984年の映画で、監督はジョン・カーペンター。脚本はブルース・A・エヴァンス、レイノルド・ギデオンです。主演はジェフ・ブリッジス、競演はカレン・アレン。
見る前は、「スターマン」という名前から、B級っぽいなあとちょっと侮っていたのですが、けっこう面白かったです。
● 粗筋
この映画は、先に粗筋を書いた方が分かりやすので、先に書きます。
主人公は宇宙からやって来た生命体。彼は荒野に不時着して、近くの一軒家にたどり着く。そして、人間のDNAを元に人間に化ける。
そのDNAは、死んだ男性の毛髪から採取したものだった。その男性の妻は、夫の姿の人間が突然現れたことに驚く。
その男性は、女性を脅し、ある場所へと向かうように指示する。女性は怖がりながら、車でその場所を目指す。
その頃、軍では謎の飛行物体の不時着を捕捉する。宇宙船だと気付いた軍は、宇宙生命体の専門家とともに、その持ち主を探す。
そして、軍と宇宙人の追跡劇が始まる。その最中、宇宙人の純真な心に触れた女性は、次第に彼に好意を抱き始める。
● 序盤は少しホラー・タッチ、後半は感動物
この映画は、宇宙からやって来た生命体が人間に化けて、人間を脅して行動を共にするというものです。
そのため前半は、かなりホラータッチで話が進みます。これが、けっこうドキッとするシーンが多かったです。
打って変わって後半は、徐々に感動ラブストーリー的に展開していきます。
まあ、話の流れから、この宇宙人と女性がくっつかないと感動話にならないので、途中から関心は「いつ肉体関係を持つんだろう?」に移行しました。
どのタイミングで関係を持ち、決定的に二人の関係が変わるのか。想像していたよりも、けっこう後の方でした。
● ターミネーター
この映画を見た時に、デジャブのように思い出したのは、同時期に作られた「ターミネーター」(1984)です。
設定は違うのですが、映画の進行が似ているので思い出しました。以下、表にして比較してみます。
・来訪者
ターミネーター:未来から来る
スターマン:宇宙から来る
・逃避行の相方
ターミネーター:宇宙人
スターマン:未来人
・逃亡の相手
ターミネーター:未来のロボットからの逃亡
スターマン:軍や警察からの逃亡
どこかから特殊な人がやって来て、その人と行動を共にし続けるうちに、愛が芽生えてごにょごにょして続編への引きを残す、というプロットが全く一緒なので、似ているなあと思いました。
● ジェフ・ブリッジス
宇宙人の奇妙だけど真摯なキャラクターの演技がよかったです。さすが演技派だなと思いました。
あと、若い科学者シャーマンを演じたチャールズ・マーティン・スミスがよかったです。
以下、ネタバレが入ります。
● 寝返る科学者
この映画には、「寝返る科学者」とでも言うべきキャラクターが出てきます。
最初、敵側にいたにも関わらず、映画の後半、自分のことを反省して、主人公サイドに寝返り、助力をします。
これは、少し前に見た「スプラッシュ」(1984)でも、同じ役どころのキャラが出てきていました。
こういった、典型例をカードにして組み合わせれば、映画の話が一本できそうだなと思いました。