映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のDVDを十一月上旬に見ました。
1984年の映画で、監督・脚本はジム・ジャームッシュです。
一言で言うと「楽しみ方がよく分からない映画」でした。
● フックのない映画
映画というか物語には、だいたいにおいて売りになるポイントというか、フックになる要素が存在しています。
そして、そのフックで観客を引き込み、話を転がしていきます。
でも、この映画にはフックがありません。ただ、ダラダラと話が進み、そして展開していくだけです。それも、伏線とその回収という感じの進み方ではなく、行き当たりばったりにです。
なので、この映画を見ていて感じたのは退屈でした。
この映画は、第37回カンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞) (1984)や、第19回全米映画批評家協会賞 (1984)を獲っているそうですが、駄目な作品というのが私の感想です。
たぶん、この映画をよいと言う人は、話の枠組みではなく、その表現手法に感じるものがあるのだろうと思います。
もしくは、人物の出身地や配置など、欧米では分かる共通認識を元に、諧謔が組み立てられているのかもしれません。
でも、私にはそこが面白いと思えない。それに、話の構造がしっかりとしていない映画は駄目だと思う人間なので、正直きついです。また、エンターテインメント性の低い作品は好みではないので、なお駄目です。
というわけで、この映画は見るのが苦痛でした。
● 粗筋
以下、粗筋です(最後まで書いています。ネタバレというか、流れは全て書いています)。
主人公はニューヨークに住むハンガリー移民の男性。彼は従兄弟の女性を預かることになる。
彼女は性格の悪い女で、反りが合わない。滞在の終盤、主人公は打ち解けたように感じる。しかし、彼女は部屋を出た後、主人公が彼女にプレゼントした服を、ゴミ捨て場に脱ぎ捨てる。
一年後、主人公は小銭が入り、友人とともにドライブに出かける。その途中で、従兄弟の女性が住んでいる町に立ち寄る。彼女は何もない田舎町で退屈している。
主人公は、フロリダに行くことを決め、彼女を誘い、彼女は喜んで付いてくる。
フロリダに行った三人はモーテルに泊まる。その地で、主人公と友人は賭けで金をすってしまう。
従兄弟の女性は、二人に呆れながら近くをぶらぶらする。そして、売人に間違われて大金を渡される。
彼女はその金で空港に向かう。モーテルに戻った二人は、彼女の後を追いかけて空港に向かう。