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2011年03月10日 22:39:33
 ここ最近「炎上マーケティング」が色々と話題になっています。というわけで、そのことについて私の考えを書こうと思います。

 まず前提として、私自身は現状「炎上マーケティング」を「やらないだろうな」と思います。理由は、倫理的にそれを選択しないから。

 実は、この「倫理的に」という部分が、けっこう重要だと思っています。



「技術的にできることは、誰でも行なえる。それを敢えてやらないのは、『法』と『文化』の前提があるからだ」

 私はそう思っています。

 今回、この「法」の部分は置いておいて、「文化」の部分に触れたいと思います。

 非常に平易に言うと、「友人の友人」までが「是」とすることが「文化」だと私は思っています。

 ある行為をして、それが「友人」に受け入れられる行為であるか否か。さらに、将来において友人になるかもしれない「友人の友人」が許容してくれそうな行為であるかどうか。

 それが、小規模な意味での「文化」だと私は考えています。



 たとえば「炎上マーケティング」を考えた場合に、私の「友人」や「友人の友人」は「是」と言うだろうか? それが倫理的な判断基準になります。

 私の周囲だと「否」だろうなと思います。

「お前個人の考えはどうなんだよ?」という突っ込みがあるかもしれません。「個人の考え」とは、その人の文化背景を含めた「個人+友人の考え」というのが妥当だと私は思っています。

 そう考えた場合に、当然「是」と言う友人関係のグループに属している人も、世の中には存在するわけです。

「類は友を呼ぶ」ではないですが、同じ価値観を持つ人はグループを作りやすいです。

 なので、そのグループにおいては、「炎上マーケティング」は「倫理的に正しい行為」になっているのかもしれないと思います。



 こういった「異文化衝突」は、何も国家間や地域間で起こるだけではないです。インターネットの時代、同じ国の中でも、違う文化属性の人たちが出会って衝突する可能性は高いです。

 そしてこういった「異文化衝突」が起こった際に、その問題を解決することは難しいと思っています。

 それが「技術的にできること」ならば、その行為を「おこなう」と選択した人の方が、直接的な利益を受けることが多いです。そこには利益格差が生まれます。そのため、対立と溝は、憎悪という形で深まります。

 それを防ぐことができるのは、たぶん圧倒的な多数が「それは許さない」という態度を取ることぐらいです(もしくは「法」で縛るかです)。

 しかし「圧倒的な多数」を揃えるのは、事実上難しいです。世の中の大半の人に興味のある問題というのは非常に少ないですので。

 対して、利益で繋がっている人たちは、その利益を守るために、容易に結束することができます。そして、問題に対する興味も持続します。

 それ以外の人は、他のことに興味が移り、すぐに忘れます。もしくは、断続的にしか興味を示しません。



 こういった問題は、メールのスパムや、Twitterの機械フォローなど、様々なところで出てきます。

 そして、その多くは最終的に「野放し」になりやすいです。技術的な対策をとっても、イタチごっこになりますし。

 古くからある問題だけど、まだ解決手段のない問題だなあと思います。
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