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2011年04月13日 19:10:58
 2010年の読書のまとめです。

 2010年は合計44冊でした。壊滅的な少なさです。プログラムの書き過ぎが原因です。

 特に、7〜8月の0冊がヤバイです。コミケ合わせで時間を費やしていたせいです。インプットが少な過ぎです。反省しています。

 この年の新しい試みは、ライトノベルの中でも評価が高い(数年以上にわたって評価が確立している)作品に手を出し始めたことです。あと、ここ数年続いている古典の読書も継続しています。

 というわけで、ここ数年の読了数です。

・2005年 99冊
・2006年 91冊
・2007年 71冊
・2008年 80冊
・2009年 51冊
・2010年 44冊

 毎年100冊目指しているのですが、なかなか難しいですね。ずっと減少傾向が続いています。

 今年も去年同様に、先に全部のリストと評価を書き、その後各月の感想を書いていくスタイルにします。



 以下、本の★の評価は下記基準に従います。

(★☆☆☆☆) 面白くなかった
(★★☆☆☆) 普通
(★★★☆☆) そこそこ面白かった
★★★★☆) 面白かった
★★★★★) 極めて面白かった

 映画のところでも書きましたが、あくまで個人の評価です。

 あと、普通と違って、「普通」が★二つになっています。おもしろくない本の、おもしろくない程度を知っても、あまり意味がないと思いますので。

 あと、作者は月のリストの末に書くようにします。



● 2010年01月(4冊/計4冊)

01(★★☆☆☆)吉里吉里人 下
03(★★☆☆☆)街道をゆく18 越前の諸道
16(★★★☆☆)蒼き狼
24(★★★☆☆)動機

*1 井上 ひさし
*2 司馬 遼太郎
*3 井上靖
*4 横山 秀夫

● 2010年02月(4冊/計8冊)

09(★★☆☆☆)土佐日記
16(★★★☆☆)猫の地球儀 焔の章
20(★★☆☆☆)現代殺人百科
22(★★★☆☆)猫の地球儀 その2 幽の章

*1 著:紀 貫之/編:西山 秀人(角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス)
*2 秋山 瑞人
*3 コリン・ウィルソン
*4 秋山 瑞人

● 2010年03月(2冊/計10冊)

01(★★☆☆☆)伊勢物語
15(★★☆☆☆)火災鑑定 放火犯は自宅に火を放つ!

*1 坂口 由美子編(角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス)
*2 小林 良夫

● 2010年04月(3冊/計13冊)

08(★★★★☆)ルポ資源大陸アフリカ
13(★★★☆☆)「雨の木」を聴く女たち
29(★★★☆☆)アクアリウムの夜

*1 白戸 圭一
*2 大江 健三郎
*3 稲生 平太郎

● 2010年05月(3冊/計16冊)

15(★☆☆☆☆)世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド 上
29(★☆☆☆☆)世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド 下
31(★★☆☆☆)古文の読解

*1 村上 春樹
*2 村上 春樹
*3 小西 甚一

● 2010年06月(3冊/計19冊)

02(★★★☆☆)死者の奢り・飼育
02(★★★☆☆)わたしのグランパ
22(★★★★☆)パニック・裸の王様

*1 大江 健三郎
*2 筒井 康隆
*3 開高 健

● 2010年06月(5冊/計24冊)

01(★★★★☆)赤い人
24(★☆☆☆☆)夢の木坂分岐点
24(★★☆☆☆)人を惹きつける技術
30(★★☆☆☆)街道をゆく19 中国・江南のみち
31(★★☆☆☆)ニュースを読む技術

*1 吉村 昭
*2 筒井 康隆
*3 小池 一夫
*4 司馬 遼太郎
*5 池上 彰

● 2010年07月(0冊/計24冊)

● 2010年08月(0冊/計24冊)

● 2010年09月(9冊/計33冊)

06(★★★★★)常紋トンネル
07(★★★★★)春の雪
16(★☆☆☆☆)サイレント・マイノリティ
16(★★☆☆☆)ローマ人の物語38 キリスト教の勝利[上]
17(★★☆☆☆)ローマ人の物語39 キリスト教の勝利[中]
18(★★☆☆☆)ローマ人の物語40 キリスト教の勝利[下]
21(★★★★☆)奔馬
24(★★☆☆☆)芸術起業論
26(★★☆☆☆)犯人は知らない科学捜査の最前線!

*1 小池 喜孝
*2 三島 由紀夫
*3 塩野 七生
*4 塩野 七生
*5 塩野 七生
*6 塩野 七生
*7 三島 由紀夫
*8 村上 隆
*9 法科学鑑定研究所

● 2010年10月(2冊/計35冊)

12(★☆☆☆☆)暁の寺
21(★★☆☆☆)天人五衰

*1 三島 由紀夫
*2 三島 由紀夫

● 2010年11月(2冊/計37冊)

14(★★★★☆)こころ
14(★★★☆☆)イリヤの空、UFOの夏 その1

*1 夏目 漱石
*2 秋山 瑞人

● 2010年12月(7冊/計44冊)

11(★★★★☆)OUT 上
12(★★★★☆)OUT 下
16(★★☆☆☆)街道をゆく20 中国・蜀と雲南のみち
20(★★★☆☆)イリヤの空、UFOの夏 その2
27(★★☆☆☆)模倣の殺意
29(★★★☆☆)イリヤの空、UFOの夏 その3
31(★★★★☆)イリヤの空、UFOの夏 その4

*1 桐野 夏生
*2 桐野 夏生
*3 司馬 遼太郎
*4 秋山 瑞人
*5 中町 信
*6 秋山 瑞人
*7 秋山 瑞人



 以下、★五つ以上の本を掲載します。

★★★★★)常紋トンネル
★★★★★)春の雪

 以下、★四つ以上の本を掲載します。

★★★★☆)ルポ資源大陸アフリカ
★★★★☆)パニック・裸の王様
★★★★☆)赤い人
★★★★☆)奔馬
★★★★☆)こころ
★★★★☆)OUT 上
★★★★☆)OUT 下
★★★★☆)イリヤの空、UFOの夏 その4

 今年は、冊数は少なかったですが、良書に出会えてよかったです。

 以下、★四つ以上の本の寸評です。



● 北海道開拓史

★★★★★)常紋トンネル
★★★★☆)赤い人

 読んだ順番は「赤い人」→「常紋トンネル」、実際の歴史の流れもこの順番です。

 以前、司馬遼太郎の「街道をゆく」の北海道編で、この二冊を取り上げていたので、メモしておいて今回読みました。

 感想は「凄かった」。「赤い人」は囚人を使った初期開拓の話、「常紋トンネル」はタコ部屋を使ったその後の開拓の話。

 特に「常紋トンネル」は壮絶の一言。人買い、人さらい、監禁、タコ部屋労働、リンチ、殺人、生き埋め、ユダヤ人狩りばりの朝鮮人狩り……。ともかく北海道の暗黒面が、これでもかと出てきます。

 こういった歴史を今まで知らなかったことを素直に恥じました。そして、人間の負の面を、久しぶりに目の当たりにしました。



● 豊饒の海 四部作

★★★★★)春の雪
★★★★☆)奔馬

 一巻が圧巻。優雅かつ冷たい情熱とでもいう内容。対して二巻は、噴き出るような熱い情熱の作品。

 三巻は、ちょっと作者が迷走してしまい、四巻はどうにか着地したという印象でした。

 面白い部分が前半に偏り過ぎていますが、非常に楽しめました。



★★★★☆)ルポ資源大陸アフリカ

 大学時代にアフリカについて学び、毎日新聞入社後にアフリカ特派員になった著者が、アフリカでの様々な取材をつづった本。

 この本を読んだ後に、アフリカが登場する話を見ると、より大きくその背景が分かるようになります。良書です。

 しかしアフリカは、先進国の思惑でぐちゃぐちゃにされた場所なのだなというのを、強く感じました。



★★★★☆)パニック・裸の王様

 今回、開高健は初。短編集ですが、なかなかよかったです。こういった地に足のついた筆致の小説は好きだなあと思いました。



★★★★☆)こころ

「なぜ今になって夏目漱石?」という感じですが、今読んでも面白いです。さすがです。

 というわけで、粗筋は知っていましたが、きちんと読んでみると、非常に引き込まれるものがあってよかったです。



★★★★☆)OUT 上
★★★★☆)OUT 下

 桐野夏生の小説。映画の方は見ていたのですが、原作は未見だったので見ました。映画とは後半が全く違います。

 映画は映画で面白かったですが、小説は小説で面白かったです。それぞれのメディアの方向性がよく出た分岐だったと思います。

 といういのも、映画では「主人公たちの空虚と自暴自棄」を「ロケーションの広がり」で見せていて、小説では「主人公の鬱屈や閉塞感」を「狭い場所でのバトル」で見せている。

 映画は「映像」で外向きの「風景描写」を行い、小説は「文章」で内向きの「内面描写」を行っていく。

 こういった、表現手法によるストーリーの分岐は、下手にやると原作クラッシャーになりやすいのですが、この作品では正解だったのではと思いました。



★★★★☆)イリヤの空、UFOの夏 その4

 青春コメディで思いっきり持ち上げておき、そこからの落差でカタルシスを作る作品。よくできていました。面白かったです。



 というわけで、各本の感想は、順次書いていこうと思います。
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