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2011年04月15日 15:38:34
 2010年の読書のまとめ3月分です。

 星による評価の基準については前述の通りです。

● 2010年03月(2冊/計10冊)



■01 伊勢物語 (角川ソフィア文庫—ビギナーズ・クラシックス)(坂口 由美子)
(★★☆☆☆)
 これはあれですね。アンソロジー本。

 伊勢物語というのは、一人の人が書いた本ではなく、いろんな人がいろんなエピソードを書いたものが集積された作品です。

 そういった意味では、民話などの形成に近いのでしょうが、個人的にはそれよりも現代の「アンソロジー本」に近い印象でした。

 それは、「主人公」という魅力的なキャラがいて、そのキャラを利用して、いろんな人が物語を書くという形態だからです。

「これって、アンソロジー本じゃないの?」というのが、私の感想です。

 というわけで、有名なエピソードも、そうでなエピソードもあって、この本はその中から重要度の高いエピソードをまとめたものでした。

 なのでまあ、統一感はそれほどないです。それなりに楽しめましたが、物語文学成立の過渡期の形態なのだろうなという感想でした。



■15 火災鑑定—放火犯は自宅に火を放つ!(小林 良夫)
(★★☆☆☆)
 これはちょっと面白かったです。しかし、ページ数が薄く、例数が少ないので★を減らしました。

 どんな本かと言うと、「保険の支払い」といった民事裁判で活躍する火災鑑定人の解説本です。

 その現場がほとんど放火で(まあ、呼ばれる段階で放火の疑いありなのですが)、その放火を暴くための方法を色々と解説していきます。

 放火犯は、何度も放火を繰り返すか、身内に火事にあった人が大量にいるので、すぐに分かるそうです。

 一度味をしめて大金が入ってくれば、同じことを繰り返したり、仲間内で相談したりするので、そうなるのでしょう。

 なので「放火だろう」というのは保険会社もすぐに分かり、それを「証明する」ために火災鑑定人が呼ばれるわけです。

 消防とか警察の捜査は、人死にが出ない限りは真剣に調べないので、こういった人たちが綿密に調べるそうです。

 こういった「特殊知識」系の話は好きなので、楽しんで読みました。

 ただ、最初にも書きましたが、ぺらぺらの厚さの本なのですね。これで2倍ぐらい例数があれば、★が1つか2つ増えるのになと思いました。
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