2010年の読書のまとめ6月分です。
星による評価の基準については前述の通りです。
● 2010年06月(5冊/計24冊)
■01 赤い人(吉村 昭)(
★★★★☆)
明治時代の北海道開拓初期についての本。囚人を連れてきて、死亡者続出の悪環境で延々と開拓作業をした話を書いています。
単なる過酷な苦役というだけでなく、そこにやって来た人の中でも特徴的な人たちのエピソードも盛り込まれていて面白かったです。
たとえば、怪盗とか、政治犯とか、宗教家とか。
実は一番驚いたのは、北海道開拓の苦役ではなく、開拓されていない状態の北海道の自然の恐ろしさでした。
凄まじいほどの密林で、普通に移動していると蚊に襲われて死亡したり、ナチュラルに魔境です。
北海道というと「冬が恐ろしい」というイメージだったのですが、「夏も死ねる恐ろしさ」ということは知りませんでした。
興味深く、歴史の勉強にもなり、面白い本でした。
■24 夢の木坂分岐点(筒井 康隆)(★☆☆☆☆)
面白くなかったです。
「夢の木坂」と「夢」の文字が付いているように、それ系の話なのですが、思考実験的な構成で、物語として面白くなかったです。
筒井康隆の小説は、あまり肌が合わないなあというのが、これまでの感想です。
■24 人を惹きつける技術 -カリスマ劇画原作者が指南する売れる「キャラ」の創り方-(小池 一夫)(★★☆☆☆)
あの小池一夫先生による、人を惹き付ける物語術の本。
いろんな本で語られていることの繰り返しにはなるのですが、また読んでしまったなあというのが正直なところです。
どうでもいいですが、この人は創作に対するバイタリティが凄いです。見習わないといけないと思いました。
■30 街道をゆく〈19〉中国・江南のみち(司馬 遼太郎)(★★☆☆☆)
それほど記憶にはないです。「街道をゆく」は、たまに凄い時があるのですが、それ以外は平常運転です。
でもまあ、堅実に読み物としては楽しませてくれます。
■31 世界のしくみがよくわかる!ニュースを読む技術(池上 彰)(★★☆☆☆)
「技術」というよりは「解説」といった感じの本でした。きちんと知らないことがけっこうあって、勉強になりました。かなり軽い本なので、すぐ読めますし。
面白かったのは、巻末に「個人のバイアスが掛かっているから、鵜呑みにしちゃ駄目だよ」ということが書いてあったことです。
池上彰という人のスタンスがちょっと感じられて面白かったです。