2010年の読書のまとめ10月分です。
星による評価の基準については前述の通りです。
● 2010年10月(2冊/計35冊)
■12 暁の寺(三島 由紀夫)(★☆☆☆☆)
「豊穣の海」四部作の三巻目。
何というか、作者の迷いがそのまま文章になったような小説でした。というか、真ん中を貫く筋がない。
後書きを読むと、結末を決めずに書き始めたようです。やはり小説は、ある程度のゴールを設定して書かないと、きちんと進まないよなというのが正直な感想でした。
■21 天人五衰(三島 由紀夫)(★★☆☆☆)
「豊穣の海」四部作の最終巻。
最後のオチが凄まじい。「ええ〜、そこで、それで終わり!」と驚きました。凄い勢いで、物語から突き放されます。びびりました。
それなりに面白く読めましたが、「春の海」「奔馬」に比べると失速の感は否めません。
でも、この巻の主人公は、なかなかよかったです。三巻がもう少しきちんとしていたら、締まる話しだったろうにというのが感想でした。