映画「ニューヨーク1997」のDVDを七月下旬に見ました。
1981年の作品で、原題は「ESCAPE FROM NEW YORK」。監督はジョン・カーペンター、脚本はジョン・カーペンター他、音楽はジョン・カーペンター。主演はカート・ラッセルです。
B級臭はあるのですが、アイデアの奇抜さや、話の密度を含めて、面白かったです。99分で終わるので、気軽に見られるのも、アクション映画としてよいです。
● 設定の上手さ
この映画では、ニューヨークのあるマンハッタン島が監獄島になっています。そしてそこが無法状態になっていて、北斗の拳のような世界になっています。
この設定は非常に上手いなと思いました。
物語としての設定が上手いだけでなく、撮影上も都合がよさそうだなと思いました。
大掛かりなセットを必要とせず、「ニューヨークは監獄島になっています」と言い張れば何でもありです。
既存の遠景などもそのまま使えるし、廃墟はニューヨークと関係ない場所で撮影しても問題ないし。
「撮影、便利そうだな」と思いました。
● 単独潜入
映画の主人公は、元特殊部隊の犯罪者です。名前はスネーク・プリスキン。
彼が逮捕された後、飛行機に乗った大統領がニューヨークに墜落します。そして主人公が大統領を助けに行く羽目になります。
自分の意思ではなく、首に爆弾を仕込まれて無理矢理時間制限を掛けられてです。
この映画には、無法地帯、侵入、救出、時間制限など、アクション映画を盛り上げる要素が多数入っています。
映画自体はB級っぽいのですが、こういった仕掛けがしっかりとしているので面白かったです。
● ご都合主義
さて、設定はよくできているのですが、脚本はゆるいです。
一言で言うと、ご都合主義です。なぜか侵入先に、主人公のかつての同僚がいたり、その人間とたまたま出会ったり、さすがにそれはないだろうというゆるさです。
ここらへんはもう少し詰めて欲しかったなあと思うのですが、そういった厳密なものを求めていない作品のようなので、まあ仕方がないのかなあと思いました。
● 影響
主人公がスネークで、単独侵入で、特殊部隊の人間で、ということで分かるとおり、この映画は「メタルギア」シリーズに影響を与えているそうです。
また、町がまるごと荒廃して無法地帯になるという設定は、「魔界都市〈新宿〉」に影響を与えているとのことでした。
● 粗筋
以下、粗筋です(中盤開始ぐらいまで書いています)。
主人公は元特殊部隊の人間で、現在は有名な犯罪者。彼は捕まり、監獄島になっているマンハッタン島に送り込まれることになった。
だが、その時、大統領の乗った飛行機が撃墜され、大統領が監獄島に墜落した。大統領はまだ生きている。彼を救う必要がある。
上層部は、救出に主人公を使うと決める。首に爆弾を仕込まれた主人公は、無理矢理監獄島に送り込まれる。
そこは外とは違い、無法地帯だった。主人公は、その街を探検しながら、大統領を探す。そして監獄島には、監獄の解放を目論む悪人たちの組織とリーダーがいることを知る。