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2011年11月17日 23:46:28
エイリアン・ネイション
 映画「エイリアン・ネイション」のDVDを八月上旬に見ました。

 1988年の映画で、監督はグラハム・ベイカー、脚本はロックニ・S・オバノン。主演はジェームズ・カーンとマンディ・パティンキン。

 移民宇宙人によるバディ物刑事映画で、なかなか楽しめました。



● エイリアンと地球人によるバディ物

 この映画は、典型的なバディ物です。二人のタイプの違う刑事が、難事件に挑みます。

 通常のバディ物とは違う点は、主人公の一人がエイリアンで、追う事件がそのエイリアンの秘密に関わるということです。

 エイリアンたちは、故郷の星では労働力を確保するための奴隷として使われており、その被支配の生物的な特性を利用した陰謀が、事件の鍵となります。

 そのため、単にタイプの違う刑事が組むというよりは、主人公側の社会の代表と、異世界の社会の代表が、異世界の事件に挑むという構図になっています。

 そして、そのエイリアン側の社会を描く、SF的な作品にもなっています。



● 移民宇宙人

 移民宇宙人という本作の設定で真っ先に思い出したのは「第9地区」(2009年)です。

 宇宙から移民がやって来て、地球に根を張るというのが非常に似ていて既視感があります。

 とはいえ違いもあります。「第9地区」ではエイリアンは隔離されていますが、本作では地球の社会に溶け込み、華僑社会のようなものを作っています。

 そういう意味では純粋なエイリアン物というよりは、「移民」というところに重点が置かれた作品になっています。

 対して「第9地区」では、「宇宙人」というところに重点が置かれているように思えます。

 似たような設定ですが、そういう意味で、けっこう違うところもあるなと思いました。



● 粗筋

 以下、粗筋です(ネタバレあり。中盤後半ぐらいまで書いています)。

 地球に宇宙人が移民して来てからしばらく経った。彼らは体力も知力も優秀で、アメリカ社会に根付き2世が誕生するまでに至っている。

 主人公は刑事である。その職場に、初の宇宙人刑事がやって来た。主人公は相棒を殺されたばかりで、その犯人は宇宙人だった。宇宙人社会の捜査には宇宙人の相棒がいた方が都合がよい。主人公は宇宙人を相棒にして捜査を進める。

 その過程で、宇宙人たちの故郷での背景が分かり始める。

 宇宙人たちは、故郷の星では奴隷として使われている種族だった。彼らはある種の化学物質に麻薬のような反応をする。その薬で支配され、奴隷として扱われていたのだ。

 宇宙人の中で、その薬を製造して、支配を目論む者たちが現れた。このままでは、故郷の再来になってしまう。宇宙人刑事は、その事実を握り潰し、事件を解決しようとする。

 主人公と宇宙人は、それぞれの目的のために捜査を進める。そして徐々に友情を育み、敵を追い詰めていく。
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