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2004年11月06日 20:51:22
 朝7時起床。ホテルのモーニングを食べて、スーツに着替え、9時少し後にCOEX(韓国の国際総合展示場)のDiCon会場入り。10時DiCon開始。
 ……暇だ。昨日もそんなに人通りが多かったわけではないのですが、今日は人通りがほとんどないです。時間帯によってはダンスを踊っても恥ずかしくないほど、誰も道を歩いていません。最初の日に、本気でビジネスする気の人はあらかた来てしまったのかも……。
 しかし、だからと言って自分のブースを大きく離れるわけには行きません。昨日、何社かうちのゲームを海外展開したいと行って来た会社があったのですが、そのうちの1社の社長が、「明日、日本語と韓国語ができる通訳を連れてくるので契約条件などの細かい話をしたい」と言っていたからです。
 何時に来るという時間の話をしていなかったので、ブースで待機しておく必要があります。失敗した。時間を聞いておくんだった。というわけで、人通りがないのに、ずっとブースで待機です。昼飯も、おいしくもなく、値段も高い、会場で売っているサンドイッチで済ましました。敗北。
 さて、DiConでのうちの会社のブースは、会場の左の一番奥にありました。つまり、会場の端っこなわけです。そして、うちの会社のブースの前には、巨大スクリーンが置いてあり、延々と韓国の映像コンテンツが流れていました。繰り返し繰り返し。エンドレスでリピートで。
 暇で暇で仕方がなかった私は、基本的にその映像をずっと見ていました。ピンからキリまであるのはどこの国でも同じなのですが、その中でも特に印象に残った(というか全編流しているらしく異常に長かった)のは「少女と坊さんのマトリクス風アニメ」です。
 登場人物は、やんちゃな少女、その姉の盲目の少女、太った坊さん、若くてハンサムな坊さんです。坊さんが出てくるので、ジャンルは宗教アニメです。ストーリーは「少女たちが偶然坊さんたちに出会い、仏の力でやんちゃな少女が覚醒して、盲目の少女が開眼する」というものです。韓国語は全く分からないので詳細は分かりませんが、多分そんな感じです。
 このアニメなのですが、意味もなくキアヌ・リーブス主演のマトリクスに使われていたブレット・タイムのようなシーンが挿入されます。例えば、少女が落ち葉の山を楽しそうに放り上げると、落ち葉が急に空中で止まり、カメラが少女の周りをゆっくりと回転し始めます。
 ちなみに絵のクオリティは、昔日本で放映していた「一休さん」の雰囲気に近いです。ですのでイメージとしては、一休さんとさよちゃんが遊んでいると、急にブレット・タイムのシーンが挿入されるような感じです。多分、監督かプロデューサーがマトリクスを見て、「これだー!」と叫んだのでしょう。まあ、マトリクスもだいぶ宗教入っているので、似たような物と言えば似たような物です。
 そういったアニメだったので凄く印象に残りました。
 あと、韓国のアニメを見ていて思ったのですが、日本と違って目が細くて尖っている人が多かったです。日本では、アニメのキャラクターはだいたい目が丸いのですが、韓国ではお国柄を反映してか、細目のキャラクターが多かったです。前述の「坊さんマトリックス」も細目のキャラ達でした。
 さて、韓国のアニメを見ていた以外は、基本的に来場者にうちのゲームやゲーム・エンジンの紹介をしていました。この日の特徴としては、学生さんが多かったことです。韓国の学生さんたちは、色々と興味深そうに見ていました。
 基本的にこの日は暇だったので、眠くならないように、自分のブースで定期的に運動などをして過ごしていました。そんな感じで体を動かしていると、巨大スクリーン周辺のイベント&バイヤーゾーンの説明係のお姉ちゃんも暇だったようで、うちのブースに遊びに来て、説明を聞かせてくれと言ってきました。というわけで、暇なので詳しく説明。
 説明が面白かったのか、話の内容が面白かったのか、私の英語が面白かったのかは謎なのですが、それからしばらく経って、他の説明係のお姉ちゃんも連れてきて、2人で説明を聞きました。最初に来たお姉ちゃんは、何か自慢げに後から来たお姉ちゃんに韓国語で説明をしていました。
 さらに数十分後、また彼女はやって来て「これをあげる」と、。ギュッと握るとピカピカ虹色に光る携帯電話用のストラップをくれました。「お揃いだ」と、自分の携帯電話を見せてくれたので、謝意を述べ、早速韓国で使うために借りていた自分の携帯電話に取り付けました。お揃いです。ただ、このストラップは問題があります。大き過ぎるのです。ストラップは、携帯電話と同じぐらいの大きさがあるのです。いくらなんでもでかいです。
 せっかくなので、彼女達の説明も聞こうと思い、イベント&バイヤーゾーンを訪問。うちの真向かいの場所です。話を聞くと「日本から買った高い機械が凄いんだよ!」と。各国の携帯電話の通話用の電波を送受信できる機械だそうです。ちょっとごっつい卓上サイズです。韓国用のコンテンツを開発する際も、これがあれば韓国に来なくても実験ができるし、逆もまたしかりと。コンテンツの輸出、輸入をもっとしたいですね、ということでした。
 そんな感じで、近い場所同士でお互いに暇を潰しあって時間を過ごす。
 あと、この日会場で面白かったのは、シアトルから来たというアメリカ人でした。「うちのゲームはLinuxでも動きますよ」と説明すると、シャキーンと変わった形の携帯電話を取り出して、「俺の携帯電話はLinuxが動くぜ!」と。向こうではそういう携帯電話が出ているのでしょうか、それとも改造物なのでしょうか。どちらにしろ、そんなことを自慢にするのはGeekしかいないので「凄えじゃん!」と2人で盛り上がりました。
 そうこうするうちに16時半。会場は17時には終了です。うーん、昨日、日本語の通訳を連れてくると言っていた会社の社長さんは来ないなあと思っていたら、ようやくこの時間になってやって来ました。傍らには通訳の人もいます。その通訳の人の顔が、大学のサークルの後輩の酒氏にそっくり。どんなドッキリだ!と思いつつ、商談ブースに移動して商談開始。
 終了時間ギリギリに来たのは、向こうの戦略かも知れないなあと思い、話を急がないように努めました。
 商談開始。細かな話は英語だと詰め難いので、契約の話や、韓国への移植の際の問題点などを、通訳を介して先方と2人で詰めて行きました。あとで「通訳はうまかったか?」と聞かれたので、「うまかった、非常に自然だったよ」と言っておきました。いやしかし、酒氏と口調まで似ていたのにはびっくりしました。ドッペルゲンガーだ。
 だいたい1時間ぐらいで話は終了。
 「話がうまく進んだことを祝して2人で食事に行きませんか」と先方の社長が言うので「行きましょう」と返答。ついでに、双方のバックグラウンドや、どれくらい信用できる人物なのかを探り合わなければいけません。それには膝を突き合わせて酒でも飲むのが一番早いです。通訳の人と3人で商談ブースを出たら、DiCon終了時間の17時を過ぎており、私のブースの前の巨大スクリーン周辺ではカクテル・パーティーが始まっていました。その混乱の中、後片付けをして、食事に行くことに。
 会場を出る前に、通訳の人は先に帰り、先方の社長さんと2人だけで食事に行くことになりました。つまり以後は、互いに相手の国の言葉は喋れないので英語だけが頼りです。英会話に不安はありましたが、腹を決めて、以後は全部英語で通すことにしました。
 食事に行くには、まずは移動しないといけません。
 というわけで、DiCon会場のCOEXを出たのですが、外は激しい雨が降っており、金曜ということもあり、タクシーがなかなか捕まりません。韓国はタクシーの料金が安く(初乗り160円)、基本的に週休2日だということもあり、金曜の夜はタクシーがほとんど満席状態だそうです。それに加えての激しい雨。普段タクシーを使わない人もタクシーを使っているため、タクシーを捕まえるのが極めて難しくなっていると教えてくれました。乗れるかなー、と2人で待っていると、どうにかタクシーを捕まえることができました。
 一旦私が滞在しているホテルに寄り、荷物を置いてから食事に行こうということになり、ヨンドンホテルへと移動。金曜の夜なのでタクシーは非常にゆっくりで、その間先方とずっと雑談をしていました。開発環境の話や、互いの会社のこと、互いの国の違いなどを話しました。
 途中で気になっていたことがあったので質問。
 「私の周りの人達が、韓国は寒いだろうからコート持って行け、そうしないと凍えるぞ、と言っていたのだが、韓国に来てみるとそんなに寒くない。この季節は本当に寒いのか?」と気温のことを尋ねてみると「いや、この季節はそんなに寒くないよ。でも来月になると一気に寒くなるけどね」と返答が。また、「日本語が分かる人が多いと聞いていたのだが、ほとんどいないよね」と聞くと「うんそうだよ。今は日本語知らない人がほとんどだよ」と。うーん、周りの人達の情報は全く当てになりません。それにしても雨が激しいです。雨はよく降るのかと聞くと、2週間に1度ぐらいなので、水は不足気味だよと。雨に振られたのは非常に運が悪かったようです。
 移動途中、「蟹は好きか?」と聞かれたので、「好きだよ、でも日本ではとても高いからね」と答えると「蟹食いに行こうよ」と。「韓国でも蟹は高いけど、韓国の蟹は凄いうまいんだよ」「じゃあ蟹食べてみましょう」「酒はいけるくち?」「好きですよ」「じゃあ、酒飲みながら蟹ということで」というわけで、とんとん拍子に蟹を肴に酒を飲みに行くことに決まりました。
 しかし、韓国の人は議論が好きだと聞いていましたが、社長さんはことあるごとに、タクシーの運転手に、「もっとこういった方が早いのでは」「もっと早くつけないのか」「あの車を追い抜け」と話し掛けます。韓国語で話し掛けているので詳細は分かりませんが、多分そう言っています。
 いや、渋滞酷いんだから、そんなに頑張って飛ばさないでもいいですよ。事故は嫌なので。
 そうこうしているうちにホテルに到着。荷物を置いて、またタクシーに乗車。蟹料理店に行きました。日本と違って、巨大な蟹が店の入り口でワキャワキャしてはいません。
 お店では個室に通され、2人の前には大量の料理が並べられていきます。昨日の立食パーティーの時に韓国の人から仕入れた情報によると、「韓国人は取り敢えず机の上に大量の料理が乗っているのが好きなので、別に全部食べる必要はない。中国人は韓国人のさらに上を行き、韓国人よりもっと料理を大量に並べて、中国では食事を残さないと失礼に当たる。韓国は、日本と中国の中間ぐらいかな」ということでした。日本みたいに、基本的に全部平らげるわけではないのが分かっていたので、少し気楽です。というか、出ている料理を全部平らげると倒れます。
 色々と前菜(これだけで日本ではお腹いっぱいになるぐらい)を食べながら話をしている内に蟹が登場。途中で来たウェイトレスのおばちゃんに、先方の社長さん、何か韓国語で苦情を言っています。どうしたのかと尋ねた所、韓国風の蟹を頼んだのに、間違ってアメリカ風の蟹を持ってきたんだと。店のミスらしく、この蟹の後に、韓国風の蟹が来ると。えー、それって、凄い大量(通常の2倍)の蟹を食べることになるんですが。まあ、好きだから食いますよ。
 韓国風の蟹は、アメリカ風の蟹よりも非常に柔らかく、ふんわりしていて美味しかったです。お店のミスのおかげで、思いがけず2種類の蟹を比較して食べることができました。
 会食は2時間ぐらいで、先方の社長さんが前に取り引きした日本の企業相手のビジネスの話や、お互いの過去の話、会社の話、家族の話、趣味の話など多岐に渡って情報交換しました。「酒が好きなんだけど、前の日本の取り引き先の社長は酒は飲まなかったのでちょっと寂しかったんだ」と。そして、「あなたはいい飲みっぷりだ」と誉めてくれました。「九州男児ですから」と返答。当然九州の説明からしましたが。
 また彼は、旅行とスキーが大好きらしく、外国の色んな国に行ってはスキーをしているそうです。ソウルでもスキーがすぐ近くでできるらしく、「冬はやっぱりスキーだよ!」と言っていました。また、奥さんとラブラブで、子供が2人いて、今は子供が滅茶苦茶可愛いと。でも子供達は蟹が嫌いだそうです。「奴らはアイスクリームの方が好きなんだ」とのこと。韓国では結婚適齢期が32歳ぐらいらしく、日本よりだいぶ高いそうですが、彼は26で結婚したので周りよりも相当早かったそうです。日本だとそれぐらいが適齢期ですよと教えてあげました。(ちなみに先方の社長さんは33歳)
 家族の話になると、当然私に奥さんがいるのかと聞かれるわけですが、いやー、いないですしね。完全な独り身ですし。仕方がないので、「妹が先月結婚して、結婚式では親戚から、君はまだなのかと攻められて大変だった」と頭を掻く。彼も苦笑してくれました。以後、いろんなタイミングで「彼女はいるのか。いないだって、早く彼女を作って結婚しろ」「君は結婚するべきだ」「さっさとしろ」「今すぐしろ」と突っ込まれて大変でした。そんな無茶を言われても。
 あと、国の話になると、「中国は人や土地がある、アメリカはお金がある、日本は技術がある。韓国は何もない」と国の将来を憂いていました。また「中国が今どんどん成長しているのが脅威。韓国は長い間中国に支配されていた。またそういう時代になるのではないかという不安がある。昨年できた中国の携帯用ソフトの企業は、30人でスタートしたのに今年は500人になった。来年は1000人に従業員を増やすそうだ。彼等はともかく人が多い。中国は、韓国や日本を小さい周辺国ということで、十把一絡げに考えている。将来併呑する気でいるのかも知れない」と。韓国の人はそういう事を心配しているんだと、大陸で中国に地続きの国と、海を挟んでいる国との温度差を感じました。
 そんな感じで酒宴は終わり、机の上には酒の瓶が2本転がっている状態に。「さらに飲みに行きますか?」と言われたのでが、「いや、明日は5時に起きて空港に向かわないといけないので、それは無理だ。乗り過ごしてしまう」と返答。ホテルに引き返し、互いの再開を誓って分かれました。
 部屋に戻ると、どっと酔いが。慣れない英語でのぶっ続け2時間以上の会話のため、極度に神経を集中していたので、脳に大量のアルコールが流れ込んでいたようです。激しく眠いです。シャワーを浴び、戸締りをして就寝。さすがに一気に寝てしまいました。
 夕方までのぬるさと、夕方以降のハードさが対照的な1日でした。
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