2006年01月04日 20:28:19
映画「魔界転生」(まかいてんしょう)のDVDを11月下旬に見ました。
原作:山田風太郎
監督:深作欣二
出演:千葉真一、沢田研二 他
つまり、古い方の「魔界転生」です。昭和56年6月公開。東映京都作品、角川春樹製作。
「面白い」と思う部分もあれば、「なんじゃこりゃ!」と思う部分もあり、「なかなか凄まじい作品だな」というのが素直な感想でした。お腹いっぱいになる映画です。
以下、粗筋。
徳川に恨みを残して死んだ天草四郎時貞が悪魔の力を借りて復活した!
彼は、細川ガラシャ、宮本武蔵、宝蔵院胤舜、伊賀の霧丸などを悪魔の下僕として引き入れ、徳川家を倒すために蠢動し始めた。
だが、この不穏な動きに気付いた男がいた。宮本武蔵と戦おうと思い、阿蘇を訪れていた柳生十衛兵光巌だ。
彼は柳生家に戻り、父にそのことを告げようとする。しかし、天草四郎の動きの方が少しだけ早かった。彼は十衛兵の父、柳生但馬守宗矩をその配下にしていた。
四郎たち妖怪変化に常の剣は効かぬ。
そう悟った十衛兵は、刀匠村正の許を訪れる。そして敵を滅する剣を携え、魔物退治に向かう。
その頃、四郎たちは一揆を率い、江戸に攻め上ろうとしていた。十衛兵は敵を一人一人切り伏せ、四郎の企みを食い止めようとする……。
(以下、ネタばれあり)
まず、よかった部分。
その一、天草四郎役の沢田研二。なんというか、濃いです。おなかいっぱいになる濃さでした。
その二、ブツ切りなストーリー。シーンとシーンの飛躍が大き過ぎ。
例えば、「阿蘇に宮本武蔵を訪ねていった柳生十衛兵が、その直後に伊賀で再び宮本武蔵に出会う」といった感じです。飛び過ぎ。
基本的に説明シーンが不足しているので、いろいろと観客を驚かせてくれます。これは、欠点と言えば、欠点なのですが、まあ味ということで。……ええ、味で。
サクサク話が進んでいくので(変な意味で)おもしろいです。
その三、突っ込み所が多いところ。いろいろあり過ぎです。
十衛兵(千葉真一)は妖怪を倒すために村正(丹波哲郎)の許を訪れるのですが、なぜか村正が作業を始めると十衛兵も一緒に刀を打っています。
さらにそこにいた、宮本武蔵ゆかりの“おつう”の“親戚の娘”が、いつのまにか十衛兵に惚れています。いつ惚れたんだ……。
その四、女性の裸が多いこと。やたら多いです。無意味に多いです。素晴らしい。
そして次は、駄目だった部分。
その一、ラストシーン。「えっ、これで終わり」と、我が目を疑う終わり方でした。DVDの調子が悪くて、シーンが飛んだかと本気で思いました。
その二、天草四郎の武器(女の髪の毛を結って作った鞭)の効果音。ビヨヨーン、ビヨヨヨーンと、シンセサイザーで作ったような音が鳴って腰が抜けます。
いくらなんでも、この効果音はないだろうと思いました。
その三、十衛兵の刀、簡単に折れ過ぎ。村正の命懸けの頑張りは何だったのかと問い詰めたい。
そんなわけで、いろいろな意味で楽しみました。
DVDのディスクの調子が悪かったので、ハラハラしながら見ていました。