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2006年11月06日 12:57:21
バトルフィールド・アース
 映画「バトルフィールド・アース」のDVDを九月上旬に見ました。

 ジョン・トラボルタが悪の宇宙人を演じているSF映画です。

 感想としては“消化不良”。

「なんとなく最後まで見られるけど、特に凄い面白いわけでもないSF映画」を地で行っているような印象を持ちました。

 映画が始まって五分で「これは凄い面白くはならないな」「よくて、そこそこだろう」と感じました。

 以下、その理由について書いていきます。



 この映画の問題点は、突き詰めていくと以下の四点に集約されると思います。

1.シーン・イメージが古い。
2.主人公側にパンチがない。
3.シナリオが回りくどい。
4.悪役のギャグの切れが悪い。

 以下、それぞれについて解説していきます。



●1.シーン・イメージが古い

 SF映画を百本ぐらい見たら、絶対どれかに被ってそうなビジュアル・イメージのシーンが多過ぎです。

 まあ、被っている分には、特に文句は言わないです。

 完全に被らせないように作るのは困難なので。

 ただし、映画の冒頭部分でそれをするのは問題です。

 映画において、“SF”というジャンルは“非現実”を描くものです。そのため、観客を“日常”から一気に“非日常”に連れ去らなければなりません。

 その方法は大きく分けて二つあります。

 一つめは、冒頭で「現実世界の延長のシーン」を描き、そこから非現実に導く方法です。

 二つめは、冒頭で「誰も見たことのない新しいシーン」を描き、ショックで一気に非現実に導く方法です。

 後者を選択した場合は、どこかで見たような手垢の付いたビジュアルイメージを使ってはいけません。

 それだけで、観客のテンションが下がってしまうからです。

 本作品の冒頭シーンは、「非現実だけど、どこかで見たことがあるシーン」になっていました。

 これでは、「面白くなりそう」という期待は抱けないなと思いました。

 以降、いくつかのシーンで同じようなことがあり、あまり独創的な映画とは感じませんでした。



●2.主人公側にパンチがない

 映画は俳優の存在感が重要な要素になっています。

 強力な存在感を持っている俳優がいれば、映画自体の出来が悪くても作品としては楽しめます。

 この映画では、主人公およびその周辺人物に魅力的な俳優が誰も出てきません。

 これじゃあ乗れないなと思いました。



●3.シナリオが回りくどい

 通常の映画は、約二時間という枠のなかでストーリーを描かなければなりません。そのために、要素を削ってシンプルにする必要があります。

 また、その要素も、“紆余曲折を伴わない直感的なもの”である必要があります。紆余曲折を伴う場合は、それが“ストーリーのテーマにきちんと合っている”という必然性が必要です。

 しかし、この映画では無駄な紆余曲折が何度もあります。

 要素の整理ができておらず、無駄なサブプロットや、不充分にしか機能していないサブプロットがいくつもあるのです。

 おかげで、主人公はいろんなところをぐるぐると回った挙句、同じところに何度も戻って来るという結果になっています。

 原作物らしいですが、もう少し大胆に、映画向けに脚本を刈り込みした方がいいと感じました。



●4.悪役のギャグの切れが悪い

 悪役のギャグは、センスが悪いなと思いました。

 まあ、これはセンスの相性の問題ですので、個人的な好みで「合わなかった」ということです。



 といったわけで、「酷い出来ではないけど、望んだレベルで楽しませてくれる作品ではなかった」というのが、個人的な感想です。



 以下、粗筋です。(ネタバレあり。半分ぐらいまで書いてあります)

 西暦三千年。人類は宇宙人の侵略によって大きく人口を減らし、絶望の危機に瀕していた。文明も原始時代程度まで退化し、人という種はこのまま滅びるかのように見えた。

 ある村の若者は、外の世界を恐れる大人に反発して旅に出た。そして、かつて文明が栄えていた頃の都市の廃墟を目撃する。

 だが彼はその場所で謎の兵士たちに襲われる。彼らは人間の1.5倍ほどの身の丈を持ち、バトルスーツに身を包んでいた。

 彼らこそが、地球人類を絶滅の危機に追い込んだ宇宙人たちだった。

 宇宙人はショック・ガンを撃ち、若者は虜囚となってしまう。宇宙人たちは人類に知性があることに気付いておらず、人間を家畜として扱っていた。

 また、彼らは鉱石採掘プラントを地球に持ち込んでおり、惑星から得た資源を母星へと運んでいた。

 この星の長官は、辺境の地である地球を早く去りたいと願っていた。しかし彼の配置転換の申請は却下される。

 こんな場所で飼い殺しにされてはたまるかと思った長官は、人間たちに強制的に知識を与え、金の発掘をさせて政治資金を得ようと企む。

 そして、虜囚となっていた若者に目を付け、教育マシーンで彼らの母星の知識を脳に叩き込んだ。

 だが長官の思うように事は運ばない。知性に目覚めた人間たちは、宇宙人に対して密かに反乱を企て始めた……。



 いろいろと「なんで?」と思うSF設定は多かったのですが、「まあこんなもんかな」と思いました。

 SFのなかでも、どちらかというとスペース・オペラ寄りの話なので、「そりゃあないだろう」という部分を、いくつか許容しないと始まらないので。

 別に、スペース・オペラが嫌いなわけではないです。どちらかというと好きです。

 ただ、そういった設定上の粗を忘れさせてくれるほどは、映画が面白くなかったということです。



 あと、友人にいろいろと教えてもらったのですが、「バトルフィールド・アース」は、サイエントロジーの文脈で斜めに見ると面白いそうです。

 原作はサイエントロジーの教祖、L・ロン・ハバード。トム・クルーズが熱心な信者なのは知っていたのですが、トラボルタもなのですね。

 というわけで、サイエントロジーの宗教宣伝映画で、幸福の科学のアニメのようなものとのこと。

 なるほど、そういう作品だったのですか。

 以下、参考。

□Wikipedia - サイエントロジー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%83%BC
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