映画「オー・ブラザー!」のDVDを九月中旬に見ました。
コーエン兄弟の作品で、ジョージ・クルーニーが主演の映画です。
ゆるい映画でした。「ビッグ・リボウスキー」のときも思いましたが、こちらも負けず劣らずゆるかったです。
なんというか、終わって少し時間が経つと、「あれ、どんなストーリーだったっけかな?」と思うような作品でした。
以下、粗筋です。
アメリカ南部で刑期を務めていた三人の囚人が脱走した。
リーダー格の男は、刑務所に入る前に得た大金を、ある場所に隠しているという。
その場所は、ダム工事の予定地になっていて、早く行かなければ水の底に沈んでしまうという問題があった。
残りの二人は、リーダーとともにその財宝を探す旅に出る。
ときにはヒッチハイクをし、ときには歌手となってレコードを拭きこみ、ときには裸の女性とたわむれ、ときには聖書販売業者と格闘したりしながら、彼らは少しずつ目的地に近付いていく。
しかし、ことはすんなりとは運ばなかった。
刑務所からの恐るべき追跡者が、彼らのあとを追っていた。そして、リーダー格の男は、残りの二人に彼らが呆然とするような嘘を吐いていたのだ。
リーダーの男が手に入れたかった財宝とは、実は大金ではなく……。
映画は、ほぼ全編、ゆるい繋がりのギャグで彩られています。
どういうことかというと、以下のような感じです。
普通の映画のシナリオは、話の核となる部分を太い幹で繋いでいきます。
それに対してこの映画では、みんながあっさりと忘れそうな“端っこの方のどうでもよい話”を次々と伏線で繋いで“ゆるい笑い”を作っていきます。
滅茶苦茶面白いというわけではないけど、その場その場で、にやにやと面白い。そんな映画でした。
なので、まあ、あまりストーリー自体の印象は残りません。
実際に、どうでもよいようなエピソードがたくさん絡み合ってできていますので。
借りてきたDVDにはメイキングが付いていたのですが、この映画のシナリオは、古代ギリシャの叙事詩「オデュッセイア」を元ネタにしているとのことでした。
言われてみれば、ああそうかと思いました。
主人公が三人になっているので気が付きませんでした。というか、言われないと、なかなか気付かないよなと思いました。
あと、ジョージ・クルーニーは歌が上手いのでびっくりしました。