映画「刑事ニコ 法の死角」のDVDを五日前に見ました。
1988年の作品で、製作、監督、原作、脚本はアンドリュー・デイヴィス。共同製作、原作、主演はスティーヴン・セガールです。
この作品で、セガールはデビューしています。
けっこうベタな話だと思うのですが、セガールが原作に噛んでいるために、セガールの特技がいたるところに散りばめられており、一味違う作品になっています。
たとえば、合気道でぐるんぐるん敵をひっくり返して倒していくところとか、日本語をべらべらしゃべりながら日本人から情報収集するところとか。
特に、ハッキングをするために「NECの知り合い」のところに行く辺りは、いかにもありそうで、上手い物語運びだなあと思いました。
あと、セガールの日本語は、さすがに流暢でした。また、セガールは日本語をしゃべる時は、声のトーンがだいぶ変わっていました。
その様子を見て、言語によってしゃべり方が違うのだなと思いました。
映画は、なかなか面白かったです。
以下、粗筋です。(ネタバレあり。終盤近くまで書いています)
主人公は元CIAの刑事だ。彼はCIA時代、ベトナムに行き、非人道的な活動をする仲間たちの姿を見て憤慨し、CIAを辞めた。
刑事になった彼は、麻薬の密売人を逮捕するために、ある捜査に参加する。
だが、その密売人が持っていたのは麻薬ではなく強力な爆薬だった。
その密売人は、FBIの指示ですぐ釈放される。主人公はそのことに怒りを露にして、失職覚悟で独自の調査を開始する。
そんな彼に同調する者もいた。相棒の女性刑事や、同僚の老齢の刑事だ。
主人公は密売人を追う。そして、主人公が結婚式を挙げた教会に彼らが行くのを目撃する。
その教会で、主人公は神父に相談を受ける。その教会では、移民をかくまっていた。主人公は神父の頼みで、見回りにくることを約束する。
それから数日後、日曜日の礼拝に参加していた主人公家族の前で、神父が爆殺された。
その爆薬は、密売人が所持していた爆薬と同じものだった。
主人公はFBIの捜査官を締め上げ、爆薬の保管庫に行く。だが、爆薬はCIAによって持ち出されており消えていた。
どうやら、この事件にはCIAが噛んでいるらしい。主人公は日本時代の知り合いのところに行き、CIAにハッキングを行ってもらう。
そして、かつてベトナムで対立した、非人道的なCIAの暗殺集団が暗躍していることを知る。
彼らは、一人の議員を殺そうとしていた。その人物は、CIAの麻薬密輸と、南米での虐殺を弾劾しようとしていた。
神父が殺された教会に匿われていたのは、その証人だった。
主人公は、証人を助けるために、そして、議員の命を救うために活動を開始する。そして、CIAの暗殺集団たちと死闘を繰り広げる。
やはり、セガールと言えばアクションです。
ばったばったと人を投げ飛ばすのは気持ちがいいです。あれぐらい人がぐるんぐるん回っていると楽しくなってきます。
そのセガールが、敵を追い掛けて疾走するシーンがあります。
その動きを見て、「ああ、これがセガールらしさだ」と思いました。
背骨が地面に対して垂直なまま、手と足だけを動かして走っているのです。前傾姿勢では決してありません。
そう言えばセガールが敵と戦う場合は、体自体は地面に対して垂直のまま、腕や足だけで相手をひっくり返しているのが多いです。
この、自分の静と相手の動が組み合わされて、セガールのアクションの気持ちよさが生まれているのかなと思いました。
何にせよ、いきなり冒頭で日本語をしゃべりまくるのは、ちょっとびっくりしました。
あと、この頃のセガールは、まだ体が太くありません。割りとぶっとい印象があったので、かなり意外でした。