クロノス・クラウン - 記事検索

おすすめ
自作の本やゲーム他を販売
便利なWebアプリが多数
ソフトウェア
めもりーくりーなー Winのメモリーを掃除
Novel Supporter 小説推敲補助ソフト
PCソフト まとめ
Webサービス
Kindle Unlimited マンガまとめ 巻数の多いマンガを集計
ゲームブック
闇の聖杯の儀式 電書のゲームブック
ゲーム
Little Land War... Win向けSRPG
Little Bit War Switch向け高速RTS
TinyWar... 1面数分の8bit風RTS
EX リバーシ 変形盤面、盤面多数
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0002I86L0/cronuscrown-22
2009年04月02日 18:47:52
傷だらけの挽歌
 映画「傷だらけの挽歌」のDVDを二月の上旬に見ました。

 1971年の映画で、監督はロバート・アルドリッチ、脚本はレオン・グリフィスです。

 現代は「The Grissom Gang」。禁酒法時代の、大味な犯罪一家のお話です。



 さて、この映画のDVDを借りた切っ掛けは、町山智浩氏のポッドキャストです。

 富豪の娘が誘拐され、その誘拐犯が犯罪一家に殺され、彼女は彼らに横取りされます。そして、その一家の中で、頭が弱い末っ子の慰み者にされます。この映画は、そういったお話です。

 娘は自分の命を守るために、犯罪一家の末っ子に愛されないといけない状況に陥ります。なぜならば、その末弟以外は、娘を殺そうと考えているからです。

 なかなか面白かったです。



 以下、いくつか感想があります。

 まず、一つ目は、娘の父親の態度を見て、船戸与一の「山猫の夏」を思い出しました。

 誘拐され、当然やられている娘を見て、彼は「死んでくれた方がよかった」といった台詞を吐きます。その様子を見て、この小説を思い出しました。

「山猫の夏」は、月刊ベアーズクラブでマンガ化されていたはずです。小説を読んだ時に、デジャブのように思い出しましたので。

 小説とは舞台も設定も違いますが、同じような空気を、映画を見ながら感じました。



 二つ目は、犯罪一家の末弟の純愛です。

 これは、純愛と呼んでいいと思います。

 頭が弱く、友人もおらず、家族にも馬鹿にされている彼なのですが、さらってきた娘に一途な恋と献身を見せ、そして最後には心を開かれます。

 単なるストックホルム・シンドロームだろうという見方もあるでしょうが、娘の父親の冷淡さが対比として描かれているために、「愛とは何か?」というものを考えさせられます。

 こういった「馬鹿正直で、それしかできないけれど、延々とそれを繰り返すことで、何かが生まれる」といった描写は、ベタだけど鉄板だなと思いました。



 三つ目は、禁酒法時代のギャングの大味さです。

 終盤の銃撃戦の大味さ加減は凄いです。犯罪一家の母親なんか、「いやっほー!」「ゲラゲラゲラ」とマシンガンをぶっ放し、警官を殺しまくりです。

 そうでなくとも大味さは感じました。

 犯罪捜査も非常に大味で、さらわれた娘の所在が分からずに数ヶ月が経ちます。

 いくらなんでも、今ではもう少し捜査が早いだろうと思います。いや、今でもこの程度なのかもしれませんが。

 ちなみにこの映画は、1931年のカンサス州で起きた実話の映画化だそうです。娘さんは、大変だっただろうなと思います。



 四つ目は、汗です。

 登場人物は全員、これでもかと言うぐらい、いつも汗でびしょびしょです。誘拐された娘も、ナメクジのように汗でびしょ濡れで、なんかエロイです。

 最初に「山猫の夏」を思い出したと書きましたが、その理由の半分は、この汗です。

 思わずヌラヌラと触りたくなるような汗まみれです。

 この汗が、非常に淫靡さと、汚らしさと、焦燥感を醸し出していました。



 以下、粗筋です。

 富豪の娘が誘拐された。彼女は、金のない貧弱な男達に拉致される。だがそこで終わらなかった。その事件を嗅ぎ付けた犯罪一家が、彼女を奪いに来たのだ。

 男たちは殺され、彼女は犯罪一家の家に連れ去られる。そして足取りが掴めなくなってしまったために、身代金だけ奪われて、彼女は監禁され続ける羽目になる。

 一家の主である母親は、娘を殺そうと考える。しかし、頭の弱い末っ子は、彼女を自分の友達にしようと考え、殺させないように抵抗する。

 母親たちは困るが、末弟もその内飽きるだろうと考え、しばらく様子を見ることにする。

 娘は、自分が普通に生きて帰れないことに徐々に気付く。そして、末弟以外は自分を殺そうと考えていることも知る。彼女は、自らの命を守るために、末弟に身を任せることになる。

 犯罪一家は、手に入れた金で、賭博場を開く。そして、完全に密閉された部屋を買い、娘を閉じ込め、末弟と夫婦生活をさせる。

 数ヶ月が経った。誘拐事件の捜査は遅々として進んでいなかったが、富豪に雇われた探偵が突破口を開きつつあった。

 少ない手掛かりを元に、彼は徐々に犯人を割り出していく。

 そして、警察たちは、犯罪一家の存在を炙り出し、彼らの住む家に急襲を掛ける……。



 直接的な描写はないですが、エロティックな映画だなと思いました。

 ちなみに、原題の「The Grissom Gang」は、グリサム一家のギャング団ぐらいの意味です。

 どうでもいいですが、主演のキム・ダービーが、下膨れで決して美人ではなかったのですが、二の腕の肉付きとか、汗とか、若さの溢れるムチムチな雰囲気を醸し出していました。

 映画は、汚い家と、汗に汚れた人間たちのおかげで、やたらと臭気を感じさせる雰囲気を持っていました。
最新20件 (全て見る)

オススメ電書 (全て見る

動画講座 (全て見る

サイト目次

おすすめ

PCソフト/Webアプリ

ゲーム

マンガ

記事

柳井の同人活動

開発

携帯・スマホ

アナログ・ゲーム

Cronus Crown(クロノス・クラウン)のトップページに戻る
(c)2002-2025 Cronus Crown (c)1997-2025 Masakazu Yanai
ご意見・お問い合わせはサイト情報 弊社への連絡までお願いします
個人情報の取り扱い、利用者情報の外部送信について